「地元で働きたいのに働けない」若者が直面する残酷な現実 「採用してもすぐ辞めてしまう」と考える地元企業との"すれ違い"
就活で折れる“地域への想い”
「地元で働きたい」「地域に貢献したい」と語る学生は少なくない。
だが、卒業後に選ぶのは、都市部の大企業──。
筆者が代表理事を務めるエッジソン・マネジメント協会では、大都市に限らず地方でも、産学連携による次世代リーダーの育成に取り組んできた。その過程で、意欲ある若者たちの心には、たしかに“地域への想い”が芽生える。しかし、その想いは就職活動を境に、静かに折れていく。
意欲ある若者が、自らの意欲に見合った企業を見つけられず、結局は都市へと流出してしまうのだ。「育てる」だけでは、地域には残らない。地方の人材流出には、構造的な壁がある。
地方の若者が「地元で働きたい」と願っても、それが叶わないのは、魅力的な企業が見つからないからだ。だが、それは企業の努力不足という単純な話ではない。
地方には、独自の技術や確かな顧客基盤を持ち、地域に根ざして安定経営を続けてきた企業が数多く存在する。社員の定着率も高く、「変わらなくてもやってこられた」という手応えがあるからこそ、あえて新卒採用や人材育成に踏み出す必然性が乏しかった。



















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