高支持率で発足した高市政権だが、与党基盤は不安定で政策の軸も見えない。政権の持続力が問われる。
高市早苗内閣が発足して、3週間が経った。発足直後の外交日程をこなし、各社の世論調査では、小泉純一郎内閣の発足時に次ぐ歴代2位の70~80%の高支持率となった。滑り出しは上々である。
もっとも自民党の支持率は30%台が多く、微増にとどまる。そして、高市氏の総裁就任後、党役員人事が麻生派に偏り、裏金議員の中心人物の一人である萩生田光一氏を幹事長代行に選任したことで、公明党が連立離脱を選んだ。自公の選挙協力によって強固な与党を作り上げたが、もはやそれも崩れ去った。代わって、高市氏の粘り腰で日本維新の会が政権に加わったが、不安定さは覆いがたい。
不安定な高市政権の官邸基盤
高支持率を誇って長期政権となった小泉政権と比べると、官邸の基盤は実に不安定だ。小泉内閣のチーム編成は今にしてみれば完璧に近い。官房長官は後に首相となる福田康夫氏、官房副長官はすでに6年近く在任して政権を支え続けた古川貞二郎氏と安定性に優れた。財務省出身の丹呉泰健・筆頭秘書官が卓抜な調整力を発揮し、民間から抜擢された竹中平蔵経済財政相が構造改革を進めた。
対して高市内閣では、閣僚経験の浅い木原稔氏を官房長官に据え、官房副長官を交代させた。首席秘書官の飯田祐二氏は経済産業事務次官経験者としての安定感はあるが、その分冒険するとは言いがたい。経済財政相は、郵政民営化に反対して一度は離党した城内実氏であり、竹中氏ほど経済政策を強力に推進するとは言いがたい。




















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