「ヴェゼル e:HEV RS」の存在意義は高められた走行性能にある。歴代RSがそうであったように、握りこぶしひとつぶんと、わずかなハンドルの操作量に対してスッと鼻先が反応する。ここは専用制御を施した「EPS/電動パワーステアリング」と、ベースモデルの「e:HEV Z」から15mm低くした専用サスペンションの相乗効果だ。タイヤはサイズ、銘柄、指定空気圧もベースグレードから変更はないが、走りはグッと軽やかになった。
専用サスペンションはスプリング長と組み合わせるダンパー減衰力の変更によって15mm低く設定された。つまりその15mmぶん、最低地上高が低くなるが駆動方式によってボディ下部の張り出し量に違いあるため、前輪駆動(FF)で195→180mm、4輪駆動(4WD)で180→165mmと異なる。
さらにe:HEV RSでは、ルーフ後端に配置されていたシャークフィンアンテナを取り払い、かわりにガラスプリントアンテナをリヤゲートガラスに装着したことで30mm低くなった。
機械式立体駐車場に入庫可能に
つまり先の専用サスペンションの15mmと30mmをあわせると、車高はベースグレードのe:HEV Zから45mm低い1545mmとなり、1550mm制限の機械式立体駐車場への入庫が可能になった。ここはアーバン(都市型)スポーツを名乗るe:HEV RSにとって大きなアピールポイントだ。
その高められた走行性能だが、ヴェゼルに何を求めるのかによって意見がわかれる。今回はベースグレードのe:HEV Z→e:HEV RSの順(ともに4WD)で比較試乗ができたのだが、路面状況を問わないZのおおらかな乗り味に惹かれつつ、都市高速の連続する左右カーブではRSの俊敏さが際立つ結果となった。



















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