JALふるさとアンバサダー/応援隊に聞く地域愛

JAL機内食採用! 浜名湖うなぎ125年の歴史が生んだ最高傑作、新ブランド「でしこ」の魅力をJALふるさとアンバサダーがご紹介!

JALふるさとアンバサダーに地域の取り組みを聞いた。回答者は中部地区担当JALふるさとアンバサダーの松原佐矢佳さん

 全国各地に拠点を持つJALは、地域活性化の取り組みを継続的に実施してきており(現在は「JALふるさとプロジェクト」)、2020年8月には社内公募で選ばれた客室乗務員が現地に移住して、それぞれの地域での取り組みを推進する「JALふるさとアンバサダー」を発足しているほか、同12月には乗務しながら地域活性化に携わる「JALふるさと応援隊」を任命している。故郷や縁のある地域に対して、客室乗務員として培ってきた知見を活かした商品開発や地域課題の解決などを展開する狙いがある。

 今回お話を聞いたのは、中部地区でブランドうなぎの魅力発信を行なうJALふるさとアンバサダーの松原佐矢佳さん。

――取り組みについて教えてください。

 皆さまこんにちは。JALふるさとアンバサダー中部地区担当の松原です。今回は、浜松が誇るべき逸品、浜名湖うなぎの新ブランド「でしこ」の魅力をご紹介します!

 浜松の名産といえば、何と言っても「うなぎ」ですよね! 浜名湖うなぎの養殖の歴史は明治時代から125年と長く、一大産地として、多くの方々に愛されてきました。

 しかし、近年、浜名湖うなぎを取り巻く環境は厳しい状況です。海外産の流入、資源保護の観点からの規制強化など、複合的な要因が重なり、存続の危機にあります。現在の生産者数は最盛期の約400軒から、わずか27軒にまで減少しています。伝統の味を守り続けるためには、新たな挑戦が必要です。

 そんな状況を打破すべく誕生したのが、浜名湖うなぎの新ブランド「でしこ」です。

――「でしこ」について詳しく教えてください。

「でしこ」の誕生秘話を生産者の皆さまに伺いました。

「でしこ」は、量から質への転換を図り、「日本一おいしいうなぎ」を目指して浜名湖の生産者たちが生み出した新ブランドです。

 ところで、皆さまはうなぎが生まれたときに性別が決まっていないことをご存じでしたか。また、一般的にメスのうなぎの方が、より肉厚で柔らかく、脂が豊富になるといわれています。そこで、大豆イソフラボンを配合したえさを与え、肉厚で柔らかく、脂が豊富なメスのうなぎを育てます。

 その後、2回の厳しい品質確認を通過したうなぎのみ「でしこ」として認定されます。

「でしこ」の名前には、「で」伝統を守り、「し」進化を続け、「こ」幸福を届ける、そんな思いが込められています。この名前は、地域の生産者から公募で募って決定したそうです。

 生産者それぞれの独自の養殖方法があるなかで、若手の職人さんたちが中心となり、生産者を取りまとめ、「浜名湖のうなぎを守り、日本一おいしいうなぎを作る」という共通の目標を持ち、「でしこ」を作っていく過程には並大抵ではない苦労があったことを、お話を伺っていて身にしみて感じました。

生産者(浜名湖養魚漁業協同組合、株式会社海老仙)のみなさまと

 浜名湖のうなぎを守りたいという、生産者たちの熱い思いが詰まった取り組みが評価され、10月に「でしこ」がグッドデザイン賞を受賞しました。

 その特徴は、何と言っても上品な脂と、ふっくらと柔らかく、とろけるような身です。私も浜松市中央区にある日本料理屋「浜名湖うなぎ すっぽん倉次郎」で「でしこ鰻の特製二段重」をいただきました。一段目は「白焼き」、二段目には「鰻重」とボリュームたっぷりな一品でした。

 お勧めは、「でしこ」本来の旨味をそのまま感じられる「白焼き」です。何もつけずとも、繊細で上質な脂の甘みが感じられ、口に入れた瞬間、あまりの美味しさに言葉を失ってしまいました。お好みで、浜松産のおろしにんにくとわさびをつけていただくのもお勧めです。

 今までの人生で食べたうなぎのなかで、間違いなく一番美味しいうなぎでした!

特製二段重

浜名湖うなぎ すっぽん倉次郎

所在地: 静岡県浜松市中央区板屋町111-2 アクトタワー5階
営業時間: 平日・祝日11時30分~14時(ラストオーダー13時30分)
定休: 土曜・日曜
Webサイト: 浜名湖うなぎ すっぽん倉次郎

――この取り組みにはどのように関わっているのでしょうか。

 12月1日~2026年2月28日の3か月間、セントレア(中部)発のJAL国際線において、浜松・浜名湖地域の厳選食材を使用した特別機内食を期間限定で提供します。この特別機内食には、浜名湖うなぎ、三ヶ日みかん、浜名湖のり、みっかび牛など、「浜松パワーフード」と呼ばれる浜松を代表する食材を使用しています。もちろん「でしこ」を使用した機内食も提供されます!

「ホノルル線ビジネス和食「浜名湖うなぎ『でしこ』の蒲焼」

 温暖な浜松・浜名湖地域は、多くの農水産物に恵まれ、豊かな食文化と人々の健康を支えてきました。この地で躍進した徳川家康公を支えたのも浜松の食材だったといわれています。浜松産の旬の食材や食材を使った料理を「浜松パワーフード」と定義し、浜松の活力を象徴するものとしています。

パワーフード学会会長 秋元健一さんと

「浜松パワーフード学会」会長の秋元健一さんに浜松産食材の魅力についてお話を伺いました。

「浜松の豊かな大地が育む野菜や米など農水産物の一つ一つに生産者の情熱が息づいています。彼らはまさに、命を支える『食のアーティスト』だと考えています。

『でしこ』をはじめとする浜松食材は、その美味しさだけでなく、生産者のストーリーとともにぜひ味わっていただきたいです。

 徳川家康公が浜松で力を得たように、浜松の食材は、私たちに活力を与えてくれます。体のなかから力が湧き上がるような浜松食材の魅力を味わっていただきたいです」

――旅行者に向けてメッセージをお願いします。

 浜松に訪れた際は、養鰻場「うなぎの天保」の見学もお勧めです。こちらは浜松市内で唯一見学ができる創業55年の養鰻場です。社長自ら丁寧に養鰻場を案内してくださいます。うなぎが育つ環境や生産者のこだわりを間近に感じることができ、浜名湖うなぎへの深い理解が得られます(養鰻場見学「浜名湖うなぎ探検隊」の開催期間は5月から10月ごろまで)。

 また、お食事処や直売所も併設されているので、採れたてのうなぎをいただくことができます。旅の思い出に、浜名湖うなぎの歴史と味覚をぜひ体験してみてはいかがでしょうか。

「うなぎの天保」の外観
養鰻場を見学してきました!

うなぎの天保

所在地: 静岡県浜松市中央区白洲町3353-1
Webサイト: うなぎの天保

 浜松へ訪れた際には、生産者の皆さまの思いと伝統が詰まった「でしこ」をぜひ味わってみてください!

 そして、空の上では、浜松の食材の魅力が詰まった特別機内食をぜひお楽しみください!! 皆さまのご搭乗をお待ちしております。