夏のファッションを代表するアイテムの一つ、Tシャツ。AG世代では、着こなすことが難しいと感じる人が多いアイテムでもあります。
もちろん、特に深く考えず、サラリと素敵に着こなしてしまえる人もいますが、なかなかそうはいかないものですよね。でも、大人にもちゃんとTシャツは似合うんです。今回は、大人が素敵にTシャツを着こなす、三つのポイント、方法をご提案していきます。
どれか一つを実行していただくのもいいですし、合わせ技もOKです。
〈1〉選び方「袖丈に注目」
いわゆる半袖のTシャツは、子どもっぽさや、やんちゃな印象を生みがちなので、大人の女性の顔つきと違和感が生まれることがあります。
おすすめしたいのは、かっこよさと、フェミニンさがちょうどよく生まれる、フレンチスリーブ。ノースリーブより長く、半袖より短い、肩に少しかかる袖丈です。「フレンチスリーブは腕が太く見えそう……」と敬遠する人もいると思いますが、細見えするように考えられたデザインのものも出ています。
「腕を出すのはちょっと……」 という人は、逆に、半袖より長い、ひじにかかる丈、五分袖のものを。落ち着いた雰囲気と、今どき感が生まれます。薄手のタイプや、ゆったりしたサイズ感のものを選べば、涼しさも共存してくれます。
〈2〉着こなし方「裾のラインに注目」
カジュアルすぎる着こなしは、大人の女性にはタブー。うっかりすると部屋着感が出てしまいがちなTシャツを、しっかりお出かけのスタイルに仕上げるには、気を使い丁寧に着こなすこと、その雰囲気を作ることが重要です。
注目したいのは、裾。ストンとそのまま着るのではなく、裾にニュアンスを持たせることで、大人の着こなしを作ることができます。
例えば、Tシャツの裾を軽くウエストにINして、ふんわりさせることで、裾のラインもシルエットも柔らかくなり、大人に似合うおしゃれな雰囲気を作ることができます。

スカート 33,000円 プレインピープル(プレインピープル青山)
「体形的にも、技術的にも、I Nをするのはちょっと……」という方は、サイドにスリットが入った前後の着丈に差があるタイプや、ラウンドにカットされたタイプを選ぶといいと思います。
裾にドローコード(※1)やひもが入っているタイプも見かけます。きゅっとギャザーを寄せてふんわり着こなせば、軽くINをする着こなしと、同じようなバランスを作ることができるので、おすすめです。
※1 ドローコード:留め具のついたひも。袖口やパンツの裾などを締めるときに使われます。
〈3〉コーディネート案「レイヤード」
Tシャツ1枚での着こなしではなくなってしまいますが、今年らしさと安心感が一緒に生まれる、何かしらとレイヤードする着こなしも、おすすめです。
例えば、今年たくさん見かける、薄手でシアー(※2)な、ジャケットを羽織ってみたり、レースのトップスを重ねてみたり。
※2 シアー:英語の sheer は、透き通った、透明感のある、という意味。ファッションでは、透けて見える服を指します。

その他、スタイリスト私物
1枚で着こなすことが難しくなった、ベーシックな半袖の白のTシャツも、今年らしいスタイルの一員にすることができます。
鏡の前で試しながら、自分が取り入れやすい、自分好みのスタイルを見つけてみてください。
◆服のお問い合わせは
「プレインピープル青山」 電話 03-6419-0978
https://www.plainpeople.jp/onlinestore
「ケイエムディファーム」 電話 03-5458-1791
https://heriter.base.shop/
いつも素敵に服を着こなして、ファッションを楽しみたい――。そんな40代と50代、Aging Gracefully(=AG)世代に、スタイリストで個人向けのコーディネートサービスも行う植村美智子さんがワンポイントアドバイス。かわいいイラストとともに紹介するコラムです。

植村 美智子(うえむら みちこ)
スタイリスト。大阪府吹田市出身。文化服装学院アパレルデザイン科を卒業。stylist吉野みゆき氏に師事し、1996年に独立。雑誌、広告、タレントのスタイリングなどで幅広く活躍。個人の方向けのファッションコーディネートサービス「Liltin’(リルティン)」を展開。
公式サイト https://liltin.com/
文=植村美智子
イラスト=米山夏子
「植村美智子の『AGおしゃれコンシェルジュ』」記事バックナンバーです。
>>「着たい洋服がない」違和感のわけは
>>パンツが似合わなくなったと感じたら
>>チュニック選び、三つのポイント
>>黒い服を素敵に着こなすために




















