イギリス、ガザでの地雷除去に400万ポンドを拠出、外相は週末に中東訪問

黒い短髪の男性が肩に段ボール箱を担いでいる。男性の背後には、黒いスカーフを頭に巻き、箱を抱える女性や、トラックがぼやけて写っている

画像提供, Reuters

イギリスのイヴェット・クーパー外相は30日、同国がパレスチナ・ガザ地区での地雷除去に400万ポンド(約8億円)を拠出すると発表した。これにより、より多くの援助物資を搬入できるようになるという。

資金は国連地雷対策サービス部(UNMAS)を通じ、安全な物資搬入を妨げている地雷除去に使用される予定だ。

英外務省によると、ガザの住民への物資到達を阻んでいる未爆発の弾薬は現在、推定7500トン相当に上るという。

週末にも中東を訪問する予定のクーパー外相は、「私たちはガザに援助物資をあふれさせるため、できる限りのことをしなければならない」と述べた。

外務省によると、この資金は、爆発物処理の専門家や機材、教育の提供に役立てられる。

地雷とは通常、地面のすぐ下または地上に設置され、接触によって作動する起爆装置を備えた爆発物を指す。

クーパー外相は、「ガザは、必要不可欠な人道支援がなければ、あまりに必死な状況にある」と述べた。

「ガザで活動するUNMASに対し、400万ポンドを拠出する。この資金は、援助物資を安全に届けるためのイギリスの取り組みの一環として、爆発物やがれきの除去に活用される」

「ガザで切実に求められている規模の支援を届けるためには、弾薬の除去と、持続的な平和への道筋の進展が不可欠だ」

外務省は、援助物資の安全な通行確保が、アメリカが仲介した停戦合意の「重要な要素」で、和平計画の次の段階への移行を後押しするとしている。

10月10日に停戦が発効して以降、援助物資の搬入は大幅に拡大している。しかしイスラエルは、イスラム組織ハマスによる人質の遺体返還が遅れているとして、ガザに入る支援トラックの数を制限している。

クーパー外相は30日、ガザで活動するイギリス人の地雷除去作業員とリモートで会話したほか、UNMASや、イギリスの「ヘイロー・トラスト」及び「地雷対策グループ(MAG)」の代表者らと面会した。ヘイロー・トラストとMAGは、世界中の民間地雷の69%の除去を担っている。

UNMASの設計・運用支援・監督責任者であるリチャード・ボールター氏は、未爆発の弾薬が「食料を探し、家に帰ろうとする」パレスチナ人の命を脅かしていると述べ、UNMASがその除去に「あらゆる手段を講じている」と話した。

ボールター氏は、イギリスの資金提供が「この取り組みにとって不可欠な後押しだ」と述べた。

外務省は、クーパー外相が「今週末の現地訪問において、援助物資のアクセス確保、国連および人道NGOへの支援、そして復興に向けた取り組みを引き続き推進する」としている。

2023年10月7日のハマス主導によるイスラエル南部への攻撃では、1200人が殺され、251人が人質ととして連れ去られた。

これを受けてイスラエルはガザで軍事作戦を開始。ハマスが運営するガザ地区の保健省によると、これまでに6万8500人以上が殺された。