ドジャース専門の放送局「スポーツネットLA」は、タナー・スコット投手(31)が山本由伸投手(27)に行う行動を紹介した。
この日は先発の山本が、7回まで1安打1四球1失点の快投。3試合連続の10奪三振を記録したが、打線の援護がなく12勝目は逃した。
1-1の延長タイブレーク10回1死三塁で、ドジャースは左腕スコットを投入。すると、「スポーツネットLA」の実況ステファン・ネルソン氏は「スコットがヤマモトに『いま何勝だ?』と聞いたら、彼は『11勝』だって答えました。すると、スコットは『あと5勝は増えていた、申し訳ない』と謝ったそうです。ロッカーは近い距離で、毎日ヤマモトに謝罪のハグをしています」と伝えた。
スコットが自らの責任で、山本の勝利を消した試合は3度。大型契約に見合う活躍ができずに苦しむスコットが、山本へせめてもの気持ちを表現していると明かされた。
スコットは8日(同9日)のロッキーズ戦で、先頭打者に二塁打を浴びながらも、3試合ぶりに無失点。ベンチでは山本がスコットにハグを求めていた。ネルソン氏はスコットのコメント紹介し「スコットは自分に必要なハグだったと話していました」と続けた。
スコットは誤審もあり、1死満塁と大ピンチ。ベイリーにサヨナラの満塁弾を浴び、責任投手にはならなかったが、またしてもダメージが残る投球となった。
試合後には現地中継局「スポーツネットLA」などの囲み取材に応じ「ひどい球を投げてしまった。ファストボールを打たれた。またチームの試合を台無しにしてしまった。同じことを繰り返し、うんざりしている。惨めだ。癖を盗まれているのか何なのか分からない。ただ投げる球すべて打たれる。最悪だ。野球人生で最悪のシーズンになっている。立て直さなければならない」と自信喪失状態だった。
山本は「元々、実力がすごくある選手だけに、本人は余計に苦しいと思いますので。こういった時に助け合えるチームだと思うので、本人はすごく苦しいと思いますけど、なんとか全員でカバーしてやっていきたいと思います」と話した。
スコットは宿敵パドレスから、救援投手としては破格の4年総額7200万ドル(約112億円)で契約。昨季は72試合で防御率1・75と大活躍した左腕が、今季は54試合で防御率5・01と苦しんでいる。



