共通テスト制度変更で得点調整はあるのか 難易差生まれやすく、かつては「浪人の悲劇」も

入試最前線2025

受験生の心理的負担になりやすい得点調整はないに越したことはないが…
受験生の心理的負担になりやすい得点調整はないに越したことはないが…

1月18、19日の大学入学共通テストが間近に迫ってきた。前身の大学入試センター試験(1990~2020年度)やかつての共通一次試験(1979~1989年度)も含め、国公立大学などへの一般選抜の第一関門として行われている試験で、約50万人が受験する日本最大規模のテストでもある。

今年の共通テストは、従来の6教科30科目から7教科21科目の出題に再編され、試験時間も変わるなど変更点がある。予備校関係者によると、大きな制度変更がある年には選択教科・科目間で問題の難易差が生じやすく、河合塾教育研究開発本部主席研究員の近藤治さんは「得点調整が行われる可能性がある」とみる。

共通テストでは、原則として、①20点以上の平均点差が生じた場合、または②15点差以上の平均点差が生じ、かつ段階表示の区分点差が20点以上生じた場合に、これが試験問題の難易差に基づくものと認められれば、得点調整を行うことになっている。

得点調整が初めて行われたのは、最後の共通一次試験となった1989(平成元)年のことだ。理科の科目間得点に大差が生じたため、突然、得点修正が行われることになった。最低だった「生物」と最高だった「化学」には30点近い平均点の差があったという。

「生物」「物理」で点数がかさ上げされる事が決まったが、このときは生物の場合、素点が0点でも47点、物理は49点になる仕組み。得点調整が初めてだったこともあり、受験生たちは突然の発表に戸惑うことになった。

一方、センター試験へと変わり新課程入試を迎えた1997(平成9)年にも得点調整をめぐる騒動があった。

新課程で学んだ現役生が受験した「数学Ⅱ・B」に比べ、浪人生へ配慮された「旧数学Ⅱ」の難度が高く、現役より浪人の方が平均点が21・69点も下回ったのだ。

通常、現役に比べ浪人の方が平均点が高くなる傾向があるが、この年の浪人生にとっては厳しい展開に。しかし、20点以上の差があったが、得点調整は行われず、当時は「浪人の悲劇」ともいわれたという。

近藤治さんは「得点調整が受験生の心理面に与える影響は大きいものだが、得点調整があっても慌てる必要はない。しっかりと情報を集めて冷静に二次の出願を考えてほしい」と話していた。

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