武庫川女子大学文学部英語グローバル学科(兵庫県西宮市)は、英語スピーチ・プレゼンテーション研究室の学生が昨年度まで9年連続で英語のスピーチや弁論の全国大会で上位入賞を果たし、通算7回の優勝を誇る。今年度も11月に開催される全国大会に出場が決まり、入賞が期待されている。
指導する清水利宏教授は今年4月から研究室公式サイト(https://speech.jp/)のブログでスピーチの上達法を学外にも発信している。「何が言いたいのか分からないといわれた」という相談には「言いたいことを全部言うから伝わらない」と回答。「スピーチは引き算。何を言うかより何を言わなくてもよいかで考える」「英語スピーチやプレゼンテーションでは起承転結を避ける」といった技法を紹介する一方、人間力を磨くことにも触れている。
「実は英語力は大事ではない」と清水教授。「なぜなら全国大会に出場する学生は、みんな英語が上手だから」と説明する。
単に英語が流暢(りゅうちょう)かどうかというだけでなく、テーマに対してどれだけ真剣に向き合ったかが話し手の説得力や信頼感につながり、最終的には人間力で差がつくと分析。生成AI(人工知能)でも気の利いた原稿は作れるが、聴く人の心に響くように話すのは人間にしかできない。だからこそ、人間力が大切になってくるという。
研究室ではテーマへの向き合い方を徹底的に指導。「うちの強みはスピーチの中身。構成や課題解決の提案、いかに楽しませるかといった英語力だけではない部分も教える環境が整っている」と話している。
昨年8月には当時3年の安川琴美さんが城西大学英語スピーチコンテスト(大学の部)で最優秀賞(学長賞)に選ばれた。「My Words for Peace(平和へのことば)」と題したスピーチは、言葉が持つ力、特に平和を実現する力について訴えたもので、言葉への信頼を感じさせるスピーチだったと評価された。
安川さんは「最初はひとごとのようなスピーチだったが、先生から何度も指摘してもらって原稿が改善された。研究室に入ってから自分の言葉で気持ちを伝えることができるようになった」と振り返っていた。

















