政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首は7日の記者会見で、自身が出馬を予定する静岡県伊東市長選(12月7日告示、14日投開票)に当選した場合、田久保真紀前市長を観光大使に起用したい考えを示した。田久保氏は学歴詐称疑惑が指摘され、2度の不信任決議案可決で失職した。立花氏は「正義感や使命感で市民のために頑張っていた。あのキャラクターは伊東市が生んだ観光大使だ」と述べた。
「注目集めている人」
今回の市長選は田久保氏の失職に伴い実施される。
田久保氏は、市内の大規模太陽光発電所(メガソーラー)計画に反対する団体の代表や市議を経て、今年5月の市長選で初当選。6月に学歴詐称が匿名文書で指摘された。
疑惑は連日報道され、田久保氏が「卒業証書」とされる文書を市議会議長らに見せた時間と証言した「19.2秒」は、今年の「新語・流行語大賞」候補30語に選ばれた。
立花氏は「メディアが取り上げるのは数字を持っているからだ。共感する人もいるだろう。いわゆるふてぶてしい態度も逆に注目を集めている」と述べた。
田久保氏による市議会解散に伴う10月の市議選の経費には6300万円計上された。立花氏は「観光大使をやってもらえれば6300万の経済効果じゃない。十分回収できる」と述べ、Tシャツやまんじゅうなど田久保氏の関連グッズ販売も検討するという。
田久保氏は紫色のリュックやカバンを持って、マイカーを運転しての登庁姿も報じられている。立花氏はこの間、田久保氏と面会したといい、「庶民的な市長だった。いい所、悪い所双方あり、それがまたお茶目だ」と語った。
投票に行けば商品券
学歴詐称については、公選法に抵触する可能性は低いとの見方を示した。
出馬を決めた理由として「田久保さんの周囲から、伊東市のいわゆる利権構造を破壊してほしいという声を多くちょうだいした」と述べた。有力候補が2万円の商品券配布を掲げており、立花氏は市長選で「全員ではなく、投票に行った人だけ3万円配ろうと思っている」と語った。
同市長選を巡っては、立候補の動きが活発化しており、5月の市長選で田久保氏に敗れた小野達也元市長らが出馬表明したほか、田久保氏自身も出馬を示唆している。立花氏は7月の参院選兵庫選挙区、6月の兵庫県三木市長選、3月の千葉県知事選などにそれぞれ出馬し、落選している。(奥原慎平)




