【体が硬いからと諦める前に】思うだけでOK!スムーズに開脚をするための簡単なイメージ術
何も考えず習慣に任せた体の動かし方をしていると、せっかくのエクササイズも効果が最大限には発揮されないことがあります。そんな習慣的な動作が体に与える影響について探究しているアレクサンダーテクニークの実践者が、動作の違和感や痛みなどの悩みについて考察する本シリーズ。解剖学的な視点を交えて、思考から体の動かし方を変える方法を提案します。57回目のテーマは「開脚」です。
憧れの開脚!だけど思うようにできない
ヨガをはじめとしたエクササイズでは、開脚によるストレッチを行うことがよくあります。運動に慣れていなかったり、体が硬いからとストレッチに苦手意識があったりすると、なかなかにハードルが高いポーズでもありますよね。日常生活ではあまりすることがない太ももの内側の筋肉(内転筋群)をストレッチすることができますし、なにより180度開くポーズに憧れる人も多いはず。180度とはいかなくとも、少しでも開くように日々トレーニングしているのではないでしょうか。
それでもなかなか思うようにはできないものです。開脚には股関節や太もも周辺の筋肉の柔軟性が重要になります。しかしながら、股関節や太もも周辺の筋肉を硬くしているそもそもの要因に目を向けると、「開脚しよう」と意気込む思いそのものが、開脚のための姿勢と動作の邪魔をしていることがあります。
腹筋と太ももの前側の筋肉ばかりが頑張ってしまう
開脚をするとき、大抵は両脚を前に延ばした長座から脚を左右に広げようとします。そうするとどうしても、腹筋と太ももの前側の筋肉で体勢を維持しようとしがちです。腹筋と太ももの前側の筋肉が必要以上に頑張り過ぎると、それに引っ張られて腰が丸まり、骨盤が後傾しやすくなります。開脚で心地よく内転筋群を伸ばすには骨盤を前傾させた方がいいのですが、前傾が難しい理由のひとつはここにあります。
また、膝を伸ばした方が効果が高くなるものではありますが、膝を伸ばすことに集中するのも開脚の動作の障害となり得るため考えものです。膝をピンと張ったイメージが先行して、筋肉もそれに合わせるように固まり、関節をロックさせてしまいます。そして股関節は膝と連動して動くものなので、膝がロックされると股関節の可動性まで失われてしまうのです。これが要因となって、股関節に詰まりを感じることもあります。
筋肉を必要以上に頑張らせない考え方
長座をすればある程度は腹筋や太ももの前側を使わなければなりませんが、他の部分によろしくはない方向に影響を与えるほど頑張らせる必要はありません。筋肉を必要な分だけ働かせるために、次のことを試してみてください。
1. 頭と脊椎を意識して座る
「脊椎は緩やかなカープを描いていて、頭はその脊椎の上に乗っている」と思いましょう。そして「頭は脊椎の上で自由に動けて、それに伴って脊椎も常にバランスをとって動いている」とイメージしてください。
これによって日常的に入っている全身の力みを解放し、全身がいつでも自由に動けるという可能性を体に思い出させます。
また長座にこだわらず、膝を曲げた体育座りやあぐらから始めるのもいいでしょう。
2. 脚の動きの軌跡をイメージしながら開脚
開脚というでき上がったポーズを思い浮かべる前に、「膝が緩んで、あぐらのように膝から外に開き、それから膝が伸びる」というように、開脚に行き着くまでに脚がどのように動くのかを思い描きます。
両脚一緒に開くより、片脚ずつイメージしながら丁寧に動かした方がより筋肉に無理を強いることがありません。
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