「誰かAEDを!」国道に響く叫び声 次々と歩行者はねた死傷事故

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藤田大道 吉村駿
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 東京都足立区の中心部で24日、歩行者らが乗用車に相次いではねられ、11人が死傷した。現場周辺には区役所や大型商業施設が集まり、人通りも多い。そんなエリアで休日の日中に起きた凄惨(せいさん)な事故に、目撃者は言葉を失った。

 警視庁によると、事故を起こした乗用車はこの日午後0時半ごろ、足立区梅島2丁目の国道4号の横断歩道を歩行中の20代女性をはねた。その後、北へ約100メートル進んだ先で歩道に乗り上げて次々に人をはねたとされる。

 歩道の近くには南北に走る国道4号と東西に走る道路が交わる交差点がある。

 車で牛乳の配達中だったという50代男性は、この交差点を渡った直後に、背後の国道4号の方向から「バーン」という大きな音がするのを聞いた。ドライブレコーダーを確認すると国道4号を猛スピードで走る白い車と何かがはねあがっている様子が映っていた。「あと2、3秒遅ければ、自分が衝突されていたかもしれない」

 乗用車はその後、車道に戻って約100メートル進み、トラックに追突した後にガードレールに衝突して停止した。

 近くに住む中学2年の女子生徒(14)が自宅でテレビを見ていると、「ドカーン」という大きな衝突音が聞こえた。驚いて外の状況を見ると、国道4号の真ん中で人が倒れ、動かなくなっていた。通行人の女性が「誰かAED(自動体外式除細動器)を持ってきて」と混乱した様子で叫ぶ声が響いた。

 女子生徒が周囲を見渡すと、他にも歩道上で倒れて動かなくなっている人がいた。通行人が心肺蘇生を施しているうちに救急隊が到着し、救命活動を引き継いでいたという。別に2人ほど倒れていたが、いずれも動ける状態に見えた。

 現場周辺はほぼ毎日通る場所だといい、女子生徒は「自分が巻き込まれていたかもしれないと思うと怖い」と話した。

追突されたトラックは「なすすべもなく…」

 衝突されたトラックは前方の…

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この記事を書いた人
吉村駿
東京社会部
専門・関心分野
事件・事故、スポーツ、生き物