USBポートの色には、それぞれ意味があることをご存じだろうか。USBデバイスをお持ちなら、ポートの色をよく見てほしい。実は、色によってそのポートの性能や機能が示されているのだ。標準化された色分けによって、デバイスの世代やデータ転送速度、電力供給能力などが一目で分かるようになっている。
多くの人がこの事実に気づいていないのも無理はない。ほとんどのUSBデバイスは、互換性のあるポートであれば問題なく動作するが、最適な性能を発揮するには、適切なポートを選ぶ必要がある。例えば、あるデバイスの動作があるポートではスムーズで、別のポートではそうでないと感じたことがあるなら、それは気のせいではない。おそらく、片方はUSB 3.0に対応しており、もう片方はそうではないのだ。
USB-AやUSB-Cといった形状が同じであっても、全てのUSBポートが同じ性能を持っているわけではない。データ転送速度や電力供給能力、世代の違いなどにより、性能には大きな差がある。実際、同じノートPCに並んでいる2つのUSB-Cポートでさえ、性能が異なる場合がある。
USBポートの色には、主に7種類があり、それぞれがデバイスの世代やデータ転送速度を示している。以下にその概要を紹介する。
黒色のポートはUSB 2.0を示しており、最大480Mbpsの転送速度に対応している。これは多くのデバイスで見られる一般的なタイプである。白色はUSB 1.x、つまり初期世代のポートで、最大12Mbpsという非常に低速な転送速度しか持たない。これもまた、データ転送や高い電力供給を必要としない機器に多く使われている。
黄色のポートはUSB 2.0または3.0に対応しており、「常時オン」の機能を持つ。つまり、接続された機器の電源がオフになっていても、電力供給が可能である。オレンジ色のポートも同様に常時オンで、USB 3.0に対応している点が黄色との違いである。
青色のポートはUSB 3.0のSuperSpeed技術に対応しており、最大5Gbpsという高速なデータ転送が可能である。ノートPCだけでなく、USBメモリーや外付けストレージなどにも使われている。続いて、青緑(ティール)色のポートはUSB 3.1に対応しており、最大10Gbpsの転送速度を誇る。
赤色のポートは最新かつ最速のタイプで、USB 3.1 Gen 2およびUSB 3.2に分類される。最大10~20Gbpsという高速転送に対応しており、こちらも常時オンの機能を持つ。
提供:Kyle Kucharski/ZDNET
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ノートPCのUSBポートの色は、そのポートがどの世代のUSB技術に対応しているかを示している場合がある。例えば、「Acer Chromebook Plus Spin 514」には、USB-A 3.2ポートが2つ搭載されており、最大5Gbpsのデータ転送が可能である。なお、ポートに色が付いていない場合は、メーカーがデザインやコストの都合で色分けを省略した可能性がある。
新しいノートPCを購入する際には、USBポートの速度にも注目すべきである。多くの消費者はこの点を見落としがちだが、価格の安いモデルや古い機種では、転送速度が制限されているポートが搭載されていることがある。一方で、最新のノートPCでは、USB-Aポートを廃止し、より高速なUSB-Cポートに移行している傾向がある。
USB-Cポートにも色分けが存在するが、こちらはやや特殊である。多くのUSB-Cポートは、USB 2.0(最大480Mbps)とUSB 3.x(最大10~20Gbps)との違いによって区別される。
さらに上位の規格として、Thunderboltポートがある。これはポートの横に雷のアイコンが表示されていることが多く、最大40Gbpsという非常に高速な転送速度に対応している。高性能なノートPCに搭載されていることが多い。
最新技術の1つであるUSB 4は、一部のノートPCに搭載されており、最大120Gbpsという驚異的な速度を誇る。「MacBook Pro M4」などがその代表例である。USB 4やThunderboltポートは下位互換性を持っているため、速度の遅いデバイスでも問題なく使用できる。
結論として、ノートPCのUSBポートにどのような違いがあるかを知るには、仕様書を確認するのが最も確実である。もし一部のポートが他よりも高速であるならば、それは明記されているはずであり、対応するデバイスをそのポートに接続することで、より良い性能が期待できる。
提供:Kyle Kucharski/ZDNET
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。


