もはや日記とかそういう次元ではない

そう、それは日記という既存の枠組みに一切捕われることのない、余りにも宇宙的でユニバースな、それでいてユニバーサルでユニセックスでリバーシブルな、日々の出来事を綴る、例のあれ。日記。

「人間ドック」がどのように人間を破壊していくのか。何一つとして医学的ではない見地から、知られざる実態を暴きたい

 

 

長文且つ乱文となってしまった。実体験をそのまま記す。ささやかながら、これから人間ドックの頂に挑む者達の助力となれば幸いだ

 

 

さて、私が「30歳も越えたし、一度くらい人間ドッグとやらに行っておかないとな」と思ったのは、6年と少し前にまで遡る

 


当時の私はその単語を「人間⭐︎DOG」と認識しており、禁断の配合手術によりホモサピエンスと犬のキメラになろうとしていたようだ

 

 

少し調べてみると、正しくは人間ドックであり、船の点検を意味する「ドック」が由来となっている。これ知り、ひどく安心したのである。

 

 

この、由来を調べたことでもたらされた謎の「安心感」。これが肝心の「予約」を後回しにさせ、それから約5年もの間、to do listには「人間ドックの予約」という文字が大鎮座することになる

 

 

「人間ドック、予約しないとな。まあ急ぎじゃないし明日やるか。ちなみに由来は船の点検♡」このプロセスを、私は少なくとも1800日以上、毎日幾度となく繰り返した。

 

 

同じことを日々丹念に繰り返しその極地に至らんとする人間を何と呼ぶか。「達人」だ


最初は10秒ほど掛かっていた後回しだが、次第に3秒ほどで後回せるようにり、ついには予約の後回しが音を置き去りにするに至る。感謝の後回し1日1万回。ラストの数年はと言えば、「人間ドックが予約されてると良いな」と祈る時間ばかりが増えていた

 

 

人間ドックによる健康被害は、ここから始まる。緊急性が感じられないので、徹底的に後回しになる。

 

しかし、後回しの過程で生じる「こうしている間にも病魔が侵攻しているかもしれない」という確かなストレスが、それ単体では感知することも不可能なほど僅かな違和感でありながらその法外な試行回数によりアスベストが如く着実に体内に蓄積されていき、確定申告の後回しも併発することにより身体に深刻なダメージを与えるのだ

 

 

やがて、この後回しが原因となったストレスにより重度の胃潰瘍を煩うだろう。ようやく人間ドックに到達したその時には、内視鏡で胃を観察しながら言われるに違いない

「ああ、これはひどい。極度のストレスですね。最近、人間ドックとか予約されましたか?」

 

 

私がこのストレスに耐えかねて部屋中に血痰を撒き散らしながらついに予約を行ったのは、約1 年前、2024年の秋頃である。

 

意識が朦朧とする中最寄りの病院のHPに辿り着き、オンラインで手続きを進めたのだ。人間ドックの基本料金は、44,800円(税込)。おっパブくらいの値段だ

 

ここに、必要に応じてオプションを追加できる。おっパブみたいなシステムだ。一つ目のオプションは、「メンズフルセット 23,100円(税込)」。フルセットか。せっかくの機会だしフルセットで堪能した方がいいだろう。追加だ。おっパブだ

 

次のオプションは「InBody検査 3,300円(税込)」 ..インボディ。よく分からないけど何となくエロそうだ。追加。次に「甲状腺超音波 4,950円(税込)」 喉に音波。独特だ。追加。

 

「腹部CT14,300円(税込)」「胸部CT14,300円(税込)」「大腸3D-CT33,000円(税込)」 CTは医学用語でCan-Tyo。へそと乳首とアナルにカンチョウ。追加。「男性更年期検査 4,400円(税込)」勃起チェックだ。追加。「甲状腺機能検査 9,900円(税込)」ここで再び、入念に喉。追加。

 

「MCIスクリーニングプラス 27,500円(税込)」必殺技だ。追加。「ピロリ抗体検査3,300円(税込)」何これ可愛い。ピロリ♡追加。「喀痰細胞診 3,300円(税込)」キャッっtたん。漢字読めん。追加。「アミノインデックス 29,700円(税込)」秋の珍SEX!追加。

 

「睡眠時無呼吸検査 9,900円(税込)」追加。「LOX-index 14,300円(税込)」追加。「網羅的アレルギー検査view39:16,500円(税込)」追加。「亜鉛 3,300円(税込)」追加。「葉酸 3,300円(税込)」追加。「ビタミンD 3,300円(税込)」追加。「歯周病リスク検査 4,950円(税込)」追加。「アルコール体質検査 6,600円(税込)」追加。HBs。追加。BNP。追加。


 

 

 



 

 

27万と700円♡

 

 

 

 

 

 

な、何だ?

 

何が起こった?

 

 

最初の、基本料金4万円どうのこうのとかいう話は、あれは一体なんだったのか。あの手この手でノセられ、気づけば取り返しのつかない金額になっている

 

おい。一体どういう会計だ。おっパブどころの騒ぎではない。これはもう、本当の船の点検の値段じゃないか。人間ドックとは、船の点検を意味するドックが由来となり、由来が本質となった初の事例、船の点検?

 

 

予約までの数年の過程で掛かった強いストレスに、ボッタくられた、否、自らボッタくられに行ってしまったことによる絶望が加算され心神喪失。悠長に検査などしている場合ではくオペ、緊急オペ必須の危篤状態で、人間ドック当日の朝を迎える

 

 

命からがら病院に辿いた私はそこで驚愕の、そしてあまりにも当然過ぎる事実に直面し、再び卒倒した。”常識では考えられない程に膨れ上がった検査項目の数” だ

 

 

やれこっちの部屋で寝転がって心電図、やれこっちの部屋でCT検査、やれ服を脱いでこれを握れ、やれこの音波でピポピポと尋常ではない、怒涛のたらい回し。周囲のたらいも「あいつの回り方は一味違う」と眉をひそめる

 

採血に至っては、その数、7本。抜くわ抜くわ。血をドップドプと抜いては容器をシュッポシュポと並べる看護師さんがニッッコニコ。明らかに検査に必要な量を超えてる。余った分を飲もうとしてる。ヴァンパイアだ。院内をヴァンパイアが彷徨いている

 

そして、ようやく全ての工程が終わったかと思われた最終局面。ここで私の度肝を抜く、掟破りの検査が始まった。「胃カメラ」

 

 

さあ鼻の麻酔をしますと言って何やら謎の有毒ガスを吸わされ、鼻の奥に強い違和感を覚えたところで実験室に通されると、中にはゴン太のチューブを片手にマスクをしてこちらを睨みつけるマッドサイエンティストが直立不動明王

 

 

まさか、そのゴン太のチューブを、それを私の鼻に挿れるツモリじゃあ、アリマセン、、よね?もしそれを実行に移す可能性を考えているなら狂気の沙汰だ。

 

貴方がその凶器を本当に私の鼻の穴の中に入れ、その武力を行使することがあれば、次は法廷でお会いすることになるで

「はい、カメラ、入ります〜」

 

 

 

躊躇

 

Chu-Choが全くない

 

 

挿れて当然とばかりに鼻の入り口にそれを近づけてくる。え?早くない?わたぴ、初体験なんですがっ。あれ?前戯は?Chuは?

 

ちゃんと鼻の中、濡れてるかな?処女鼻膜、割れちゃう?血、出ない?出るよね?ゴム付けた?カメラ中で出さない?痛い?痛さの中に気持ちよさある?大丈夫?あなたのこと好きになっちゃわない?好き?わたぴのこと、すぴ?ッっっっtnnんヌゴ♡

 

「食道に入りま〜す」

 

 

 

ゴン太のチューブが鼻から入り食道に到達した時の衝撃を、私は忘れない。これは経験していない者には想像もつかないだろう。

 

これに関しては類似する衝撃が存在しないので、比喩の仕様もない。ガチリアル昇天ゲロエグ動転アルティメット絶倫マンモスコスモスブリブリピーナッツ爆弾としか言いようがない

 

ここに私は、現代医学の限界をみた。これだけ医療技術が発展した現代において、最先端の技術を以て開発されたこのチューブの太さ、圧力、破壊力。医学が人間に牙を剥いたのだ

 

 

口を閉めることができなくなった私は用意されたタオルの上によだれを垂らしながら生死の境目でアフアフと断末魔の唸りをあげた。ああ死ぬ。殺される。健康かどうかの検査で絶命。本末転倒を地で行ってしま

 

「食道は、問題なさそうですね〜」

 

 

 

 

問題?

 

 

チミは今、何を以て“問題はない”という狂気の判断に及んだ?頭は大丈夫か?トリートメントはしているか?

 

今、たった今、私の食道は過去に類を見ないほど危険な状態にあり、呼吸すらままならず、それが原因で軽いパニック状態に陥っている。これを問題と呼ばず、何を問題と呼ぶ?空前絶後の大問題だ

 

ただ幸いこの問題の原因は、すでに明らかになっている。貴方が今私にブッ刺しているそのゴン太の、敵意剥き出しの、野蛮なチューブだ。すぐにその武力行使を止めた方が良い、さもなくば

 

「なるほど。胃が荒れてますね〜」

 

 

 

 

 

胃が荒れてる?

 

 

それは、お前のせいじゃないのか?

 

 

今、たった今お前がねじ込んでる、その殺人チューブのせいじゃないのか?

 

 

お前が人生で最も胃に違和感を感じたのは、いつだ?俺は「今」だよ。今なんだよ。文句なしのパーソナルレコードが、2位以下引き離してぶっち切りのパーソナルベストが出てんのよ

 

胸に手を当てて、今一度、自問してみろ。胃が荒れちゃってるんじゃなくて、胃を荒らしちゃってるんじゃないかと。胃を破壊しちゃってるんじゃないかと。そして、一旦、そのヤバ過ぎるチューブを、抜こう。すぐ治る。胃は。間違いない。抜け。これは依頼ではない、命令d

 

「ほら、この辺の色がちょっと変わってますよね〜?見えますか〜?」

 

 

 

 

 

はい?

 

 

え、何が始まっちゃったの?

 

もう、「色が変わっている」と貴方が判断したならそれで良い。結構。ご苦労。that's all。よし、抜け。そのイカれたチューブを引き抜け。迅速に

 

今、この緊急事態の最中に、あなたは胃の色の変化をわざわざ私に確認してくれている状況、ということであってる?まず胃を見たのこれが初めてなので、色が変わっているか変わっていないかは、私には到底判断がつかないわな

 

はっきり申し上げますが、今、この一刻を争う状況で、専門家の貴方と素人の私で一からコンセンサスを形成する必要は全くありません。あり得ると思う?「いいえ、色は変わっていません。なぜなら」から始まる瀕死の男性による逆転裁判。ないよね?とりあえずそのチューブを抜け。後ほど捜査が始まった際に物証となるであろうその凶器を。これが最後の警

 

「これ、ピロリ菌の影響ですね〜。ピロリ菌はね〜、結構皆さん持ってる菌で絶対に除去しないといけないわけじゃないんですが、将来癌になる可能性とか上がるんでね〜。今回一応お薬出すのでこの機会に除去した方が良さそうですね〜」

 

 

 

 

 

は?

 

 

何をしてる?チューブだよ

 

 

チューブ

 

 

チューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブチューブ

 

今この瞬間は、他のことには目もくれず、いの一番にチューブを抜くべきであって、断じて君が知識をひけらかして悦に入るべきタイミングではない。いいか

物事には優先順位がある。分かるかな?車に跳ねられて右足が粉砕骨折してる状態で、まず先に花粉症の薬を貰いに行く人、いないよね?「娘を誘拐した」という電話が犯人から掛かってきたタイミングで、そういえばマイナンバーカードの申請忘れてたなと言って区役所に行く人、いないよね?墜落する飛行機の中で、もうこの際だからといってオナニーする人、いるよね?

 

常に、より緊急性の高いものから対処すること。これに関してはもう社会人の後輩たる私からの訓示だ。とどのつまり、抜け。その、ピロリ菌の数十倍ヤバい、とどを詰まらせているチューブを。ピロリ界隈の話はそれから、ゆっっっっくりしよう。居酒屋でハイボールを飲みながら。なんぼでも付き合

 

「はい、十二指腸の入り口まで来ました〜」

 

 

 

 

 

んnぇ?ww

 

 

 

ã‚‚

 

 

 

モラルwwっw

 

 

モラル、どうなってる?笑うわwww

 

さっきから思ってたが、医療関係者うんぬんの前に、人としての最低限のモラル、どうなってるの君は?www 

 

今日会った赤の他人の十二指腸の入り口まで、ノリで来ちゃうなよwww 陽キャかww

 

ってか、どこまで行こうとしちゃってるの?いま、いくつって言った?12?流石にエグいって12はww  地元のワルも4までだったぞwww

 

え?君、そのチューブ、まさか大腸まで通して、アナルから出そうとしてる?普段アナコンダを相手にしてるの?ここはヴァンパイアがアナコンダを観察する施設なんですか?抜けww 抜けよww いよいよ洒落ならんてwww

 

ってかなんかずっと喋りかけてくれてるけど、こっちは「フnンっnga!」とかしか声出せてないよねww 聞こえてる?声を出すというか吠えてるが近いってww よだれもイカついことなってますぜ旦那ぁあww Oh, なってる!ww ホモサピエンスと犬のキメラ、なってるYO!!ww 人間DOGだわww 人間DOGで合ってたわwww 船の点検を意味するドックが由来となり、由来が雲散霧消して禁断の配合実験になった国内、いや世界でも初めての事例DA和ww ツwーぶww Tube中部Chu武の中文がツー部賀lpジェ;あnpろ6g 

「はい終了で〜〜す」

 

 

 

 

 

 

..

 

人間ドックを終えた直後の、昼下がりの東京の澄んだ空気を忘れることはない。大気は希望で煌めき、それを大きく吸い込めば肺が喜び、大きく吐き出せば地球が喜ぶ。

 

世は賛美に満ちている。友よ、歌おう。政治が何だ。環境問題が何だ。地球は、今なお、こんなにも美しい。。。!!

 

人生において、これほどまでに「何かを成し遂げた」という達成感で満たされたことはなかった。素晴らしいドクターに巡り会えた。麗しいナースと共に闘った。我々はチームだった。一丸となっての勝利。そう。そうなんだ。

 

それを強く願い、ひたむきに努力を続けるのであれば、叶わない夢なんてどこにもない。いつだって、壁を作っているのは自分自身だ。

 

「お前も幸せにならないか?」私はそう言い、俯いて歩く通行人達に救いの教えを説く、その一歩手前まで来ていた。

 

 

 

 

..さて。これは、一年前の出来事だ

なぜ今日になっていきなり人間ドックのことを思い出し、金曜日の昼をサクリファイスして震える手でバコバコとブログを書き始めたのか。それは、去年の人間ドックの結果に関係する

 

健康診断成績書の総合所見:

1. ピロリ菌への感染が示唆され除去治療が必要

2. 上部消化器官異常の疑いあり1年後を目処に胃カメラを含む人間ドックを再度受ける必要

 

 

「一年後に再び胃カメラ」という事実を直視できなかった当時の私が、ポンとスケジューラーに放り込み、忘却の彼方へ埋葬し切った触れられざる悪魔の予定。それが今朝、スマホの画面に現れた

 

 

 

 

 

 

「人間ドックの予約」

 

 

 

 

あれほどまでに美しかった大気を瞬く間に闇が覆い、免れることなき死に向かい行進を続ける人間達の耳障りな足音が、地球大暗黒時代の始まりを告げるドラムロールと化す 

背筋を通り後頭部へと抜け全身を震わせるその字面の恐怖その字面の衝撃まさにガチリアル昇天ゲロエグ動転アルティメット絶倫マンモスコスモスブリブリピーナッツ爆弾ーーー

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