<エリザベス女王杯>レガレイラが直面する「勝率0%」の“絶望的ジンクス”とは…不安だらけの大本命に
16日、京都競馬場でエリザベス女王杯が開催される。今年は3歳から6歳の牝馬16頭が集結した。
好メンバーがそろった一戦でやや抜けた1番人気が予想されるのは、昨年の有馬記念を制したレガレイラ。昨年のグランプリは初コンビを組んだ戸崎圭太騎手の手綱さばきも光り、3歳牝馬を頂点に導いた。
その後は、半年の休み明けで宝塚記念に挑むも直線で失速し、自己ワーストの11着に大敗。稍重の荒れた馬場や、大外17番枠、さらに久々で馬体重が自己最高を計時するなど悪条件が重なった面もあったか。
そんな宝塚記念の大敗を払拭したのが前走のオールカマーだった。ドゥラドーレスやヨーホーレイクといった骨っぽい牡馬を相手に、レガレイラは57kgを背負って完勝。グランプリホースの面目を保った。
今回は管理する木村哲也調教師が「(最終追い切りまで)設計図通りに対応できました」と順調な調教過程に自信を見せ、4度目のコンビを組む戸崎騎手も「(舞台となる京都2200mに関して)比較的乗りやすい。問題なく走れる」と、直線の長い外回りコースにも手応えをのぞかせている。
さらにレガレイラ以外のG1ホースがスランプ中のステレンボッシュだけという状況。同馬の鞍上を務めるC.ルメール騎手の手腕こそ不気味だが、実績や勢いを鑑みれば、レガレイラの圧勝に終わる可能性は極めて高いだろう。
しかし、レガレイラは同時に少なくない不安要素も抱えている。
まず、これまでG1・2勝を含む重賞3勝を挙げているレガレイラには、“中山専用機”の疑いがかけられている。重賞勝利をすべて中山で挙げており、唯一の敗戦も牡馬相手の皐月賞。その時はレース序盤にあったロスも響いた。
また関東馬のレガレイラは関西圏への遠征で結果を出していないのも気になる点だ。これまで中京、京都、阪神へ、それぞれ1回ずつ遠征した経験があるが、順番にローズS5着、エリザベス女王杯5着、そして宝塚記念11着と、いずれも馬券圏外に沈んでいる。
繊細といわれる牝馬だけに、遠征による環境の変化もパフォーマンスに影響しているのかもしれない。実際、1年前のエリザベス女王杯と前々走の宝塚記念は自慢の強烈な末脚を繰り出すことなく敗れている。
レガレイラの不安要素は何も馬に対してだけではない。むしろ、鞍上を務める戸崎圭太騎手をレガレイラ以上にクローズアップしているファンも少なくない。
競馬ファンの間では周知の事実だが、戸崎騎手もまた、地元関東圏に強い“内弁慶”疑惑が掛けられている。
2014年から16年まで、これまで3度全国リーディング騎手に輝いたことがある戸崎騎手。現役屈指の名手であることに間違いはないが、JRAのG1・13勝のうち関東圏での10勝に対して、関西圏では3勝だけ。勝率も関東圏の7.6%に対して、関西圏では4.0%と2倍近い開きがある。
なお関西圏で挙げたG1・3勝の内訳は、中京1勝(2020年チャンピオンズC)と、阪神2勝(2013年・阪神JF、2021年・秋華賞)。つまり今回の舞台となる京都競馬場では一度もG1勝利の美酒を味わっておらず、29戦全敗という成績が残っている。
戸崎騎手は関東を拠点としているだけに、京都での騎乗機会もそれほど多くない。淀の名物といわれる3コーナーの坂の上り下りに不慣れな側面もある。レガレイラは脚質的にも、鞍上がゴーサインを出すタイミングが非常に重要となるだけに、3コーナーの難所をクリアすることが勝利の条件となってもおかしくないだろう。
レガレイラが圧勝する可能性が高い?

レガレイラ
写真/橋本健(以下同)
レガレイラには不安要素も…
戸崎騎手は京都競馬場のG1で“29戦全敗”
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競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。
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