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<マイルCS>ジャンタルマンタル×川田将雅に忍び寄る「18戦全敗」負のデータ…3強「総崩れ」危機で浮上する「特注穴馬」2頭は

 23日、京都競馬場では第42回マイルCSが開催される。今年は英国馬ドックランズを含む6頭のG1勝ち馬が集結。淀の芝1600mを舞台にハイレベルな戦いが展開されそうだ。
ジャンタルマンタル

ジャンタルマンタル 
写真/橋本健

 近年まれに見る豪華メンバーが集結した秋のマイル王決定戦だが、ジャンタルマンタル・アスコリピチェーノ・ソウルラッシュの3頭が“3強ムード”を漂わせている。実績的にもやや抜けた一流マイラーたちではあるが、あっさり人気通りで決まるかというと疑問符もつく。

川田×ジャンタルマンタルに死角なし?

 1番人気が予想されるのは、メンバー最多となるG1を3勝しているジャンタルマンタル。デビューから【5-2-1-1】と安定した成績を残し、唯一着外に崩れた昨年の香港マイル(13着)は初めての海外競馬だった。よってその一戦は度外視も可能だろう。  今年は6か月の休養明けで臨んだ安田記念を快勝。前走の富士Sは2着に敗れたが、59kgを背負っており、ひと叩きされた今回は大きな上積みに期待できる。  鞍上を務める川田将雅騎手の存在も心強い。これまでJRAではG1を29勝しているが、そのうち14勝がマイル戦(朝日杯FSと安田記念を4勝ずつ、桜花賞3勝、NHKマイルC2勝、阪神JF1勝)。人馬ともにこの距離なら死角はないといえるだろう。

川田将雅“マイルCS18戦全敗”という不吉なデータ

 しかしその川田騎手は、マイルCSに限れば18回騎乗して一度も勝てていない。人気馬に騎乗する機会も少なくないが、なぜか勝利が遠い。最高着順は2019年の2着(ダノンプレミアム)だが、1番人気を裏切っての完敗だった。  逆に考えれば、川田騎手の“18戦全敗”くらいしかジャンタルマンタルの不安要素がないともいえるが、これだけ多く続くと、19回目の騎乗となる今回も取りこぼしがあるのではと思えてしまう。

「人気順別勝ち馬頭数」のデータから分析すると…

 では、3強の残る2頭、アスコリピチェーノとソウルラッシュはどうか。過去10年の人気別成績を見ると、2番人気は【0-4-1-5】と勝ち切れてはいないが、複勝率は50%に達する。また、3番人気も【2-3-0-5】の好成績で、【2-1-1-6】の1番人気に比べても、2~3番人気の馬の方がより安定した走りを見せている。  ただし、1984年の第1回から通算の人気順別勝ち馬頭数を見ると様相が変わってくる。近年やや不振の1番人気は14勝と抜けているのに対し、2番人気と3番人気はそれぞれ3勝ずつと、一気にその数が減る。8勝の4番人気と4勝の5番人気よりも勝ち馬頭数は少ない。  2番人気を争うとみられるアスコリピチェーノとソウルラッシュだが、前者は6着に敗れた海外遠征帰り。連覇を狙うソウルラッシュにしても、富士Sから望むローテーションは昨年と変わらないものの、骨折休養明けの2戦目で中間の調整過程がいつもの坂路中心からCウッド中心に変わっている点も気掛かりだ。レース史上、2~3番人気は勝ち切れていないデータ的にも決して安泰とはいえないだろう。
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“死に枠”は2番と3番…注目される3強の枠順は?
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競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。

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