11月14日から、全国のくら寿司で始まった「とろと鮪フェア」。よくあるやつかな……と思ってスルーしつつあったが、フェア対象メニューに、おもしろすぎるヤツらがいた!

くら寿司、そんなの出すのか……! いやしかし、確かにこいつは今が旬! そして、よく見るともう1つバチバチに珍しいやつがいる。これは、試しに行くしかないぞ!!

・フグ

公式HPのフェアのページを下にスクロールすると、ヤツらは出てくる。「ふぐ皮ポン酢」と「うな肝」だ。


渋い。渋すぎるだろくら寿司ィ!! しかし良い選択だ。特にフグ皮。

何も書かれていないが、察するに、これは十中八九トラフグの皮だろう。皮を食べられるフグは色々いるが、くら寿司みたいな規模の大きい全国チェーンに供給できるほど商業的に皮が食べられているフグとなれば、トラフグではと。

そして今は11月。まさにトラフグの旬に突入したばかり。くら寿司は1船買いなどをして魚を仕入れていると聞く。しかし今回は他にフグの身だけを使った寿司が無い。どこかの業者から皮だけ大量に買い付けたのではないかと推測する。

値段は私の行った店舗では120円だったが、ところによって変わるもよう


ポン酢ジュレが添えられている。


どれどれ……ほう、良いですね。これはどう見てもよくあるトラフグの皮。コリっとしている。この独特の食感は、他の魚類からはなかなか味わえないと思う。


私はあまり、寿司チェーンが時々使用するポン酢ジュレに対し、好印象を抱くことは無い。ジュレの食感が寿司に合わないと感じることの方が多いからだ。

しかしフグ皮のコリュコリュした食感と、プルンとしたジュレの食感の相性は悪くない。そしてポン酢風味が合うのは当然。つまり、これはよくできている

さらに美味く食べるなら、レーンを流れている袋入りの七味をワッとかけて、塩もかけて、液体のポン酢をアドして食べるスタイルかと思う。もう一皿オーダーして試してみたが、実際に良い感じだ!

液体のポン酢の方が酸味の出かたが明瞭で、また他の食材との馴染み方も良いと思うのだ。これは日本酒が飲みたくなる仕上がり。


・うな肝

そしてこれが「うな肝」。150円だったが、やはり店舗によって価格が異なる場合があるもよう。


うな肝、つまりウナギの肝なのだが、肝臓というわけではない。丸っこく大きい塊の部分が肝臓だろう。そこからイカゲソのように出ている細長いのは胃と腸だと思われる。

素の状態だと肝臓のすぐそばに胆嚢が、そして浮袋と腎臓もついているが、肝臓と胃と腸以外は取り除くのが普通だと思う。下処理がとても面倒だ。

元より苦みがあり、それが特徴あるウマさとなっているタイプの、クセの強い食材である。どう考えても万人ウケしないが、好きな人にはたまらない。

そして人間もそうだが、肝臓の状態は餌の影響がよく出る。丁寧に育てていないと、肝はクドくて不味くなる。よく回転寿司チェーンで出そうと思ったものだ。私のような客しか来ないぞ。

食べてみたが、いい感じじゃないですか。これはビールが飲みたくなる。いい苦みをしている。山椒をかけて食べたい。無いのが残念だ。

こちらも、もう1皿オーダー。味変で塩と七味をかけて食べたが、やはりよく合っていた。うな肝には塩と七味だ

ということで、没個性気味な気配を感じていた「とろと鮪フェア」。いやほら、寿司チェーンなんて四六時中トロと鮪のフェアをしているじゃないですか。

しかし、まさかの「ふぐ皮ポン酢」と「うな肝」の参戦によって、本フェアは非常に興味深いものになっていると感じた。何皿かのフグ皮とうな肝をパッと食べつつ、ビールを煽って素早くキメる。そういう感じでいかがでしょう。

参考リンク:くら寿司
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼他も試してみた。ふつうの寿司を楽しみたいんですよという方は、「アセロラブリヒラ」がお勧め。安定と信頼の人工養殖魚。近畿大とニチレイの開発したブリとヒラマサのハイブリッドフィッシュだ。美味しくなるように生み出された魚なので、美味しいのです。


▼そんなに期待していなかったが、予想を超えたトロ具合だった「とろかつお」。なかなかうまかった。しかし個体差はあると思う。アセロラブリヒラほどの精度は出ない気がする。


▼「かつおハラミカツ」。カツオサクサク。