JJUG CCC 2025 Fallに参加してきました!!

こんにちは。出前館でバックエンド開発を担当している廣田です。 先日、日本最大級の Java のイベント「JJUG CCC 2025 Fall」に参加してきましたので、そのレポートをお届けします。

JJUG CCCとは?

JJUG CCC とは日本 Java ユーザーグループ(JJUG)が主催する、国内最大級の Java コミュニティカンファレンスです。Java/JVM の最新トピックから、Spring Boot などのフレームワーク、テスト、アーキテクチャ、オブザーバビリティなど幅広いテーマのセッションが用意されています。

それに加えて、スポンサーブースも用意されており、Java や JVM 系言語を利用している各社のプロダクト紹介や技術相談、ノベルティ配布などの交流が行われています。弊社出前館も過去に何度かスポンサーとしてブースを出展したり、スポンサーセッションを開催させていただきましたが、今回は諸事情によりロゴスポンサーのみの参加です。

参加したセッションの感想

膨大なデータをどうさばく?Java × MQ で作る Pub/Sub アーキテクチャ

ちょうど Kafka を用いたアプリケーションの実装を進めているため、参考になりそうだと感じて参加しました。Consumer 数の適正値を求める難しさや、プリフェッチを有効にすると重い処理をトリガーするメッセージが重なって Consumer 側が詰まり得る、といった実践に基づく知見をシェアいただけた有益なセッションでした。

小さく始めるための Property-Based Testing

Property-Based Testing が流行し始めているという話を耳にしており、キャッチアップのために参加しました。開発者は仕様など定着した知識に対してテストを書きがちですが、理解の浅い部分にこそバグが入り込みやすい――だからこそ性質(プロパティ)を探索的にテストするべき、という主張が腹落ちしました。例として挙げられていた「税込価格から税抜価格を計算すると誤差が 1 以下になるはず」といった性質を機械的に検証していく話がとても分かりやすかったです。

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ZOZOTOWN カート決済リプレイス ── モジュラモノリスという過渡期戦略

VBScript で 11 万行のレガシーコードをマイクロサービス化するミッションにおける「過渡期戦略」としてモジュラモノリスを採用した経緯に関するセッションでした。出前館のモダナイズへの取り組みとも共通点が多く、勝手にシンパシーを感じました。 理想だけを追って分散の複雑性やコストを見誤らないこと、状況に応じて一旦マイクロサービス化の選択を捨てる意思決定、モジュラモノリスのテスト容易性や設計変更の柔軟性といったメリットだけでなく、CI の実行時間が延びやすい、スケールの上限などのトレードオフまで語られており、とても実践的でした。

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Axon Framework のイベントストアを独自拡張した話

前回に続いて ZOZOTOWN の方の発表でした。個人的に CQRS とイベントソーシングに関心があり、その代表的なフレームワークの一つである Axon の話題に惹かれて参加しました。Axon は(私の理解では)標準の実装として JPA/JDBC による RDB ベースの Event Store が用意されており、イベントを扱うためのインターフェースが提供されています。一方で Axon Server という専用イベントストアも選択肢として存在します。発表では DynamoDB + Kinesis の構成にすることで、少人数でも運用・保守しやすくした工夫が紹介されており、とても勉強になりました。

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アーキテクチャと考える迷子にならない開発者テスト

アプリケーションアーキテクチャに絡めた、テスト設計の指針となるセッションでした。なんとなく頭にあった「テストすべき事柄」を、Controller 層・UseCase 層・永続化層・外部通信といったコンポーネントごとに「何を検証すべきか」へ丁寧に分解して説明されており、ちょうど新卒時代に「テストで何を検証すればいいのか」で迷走していた自分に読ませたい内容でした。同じ悩みを抱えている人がいたらぜひ資料をシェアしたいです。

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ニューレガシー徹底抗戦ガイド

以前からアーキ部などで川島さんのオンラインセッションを拝聴していましたが、オフライン参加は初でとても楽しみにしていました。「レガシーの再生産」など強めのワードに思わず笑ってしまいつつ、示されたサンプルコードを読むと一見きれいに見えても“ニューレガシー”になり得ることが分かり、冷や汗をかきました。特に「仕様隠し」の項目は思い当たる節があり、同じように感じた方も多いのではないかと思います。 まだ人類に期待したいので、Functional Domain Modeling の考え方のように、仕様モデルと実装モデルをなるべく一致させることを意識していきたいと思えるセッションでした。

資料: ニューレガシー徹底抗戦ガイド
参考資料一覧: ニューレガシー徹底抗戦ガイド参考資料

終わりに

発表者の方に直接質問できるなど、オフラインイベントの良さを再確認した 1 日でした。どの発表も学びが多く、また次回も参加したいと思います。

なお、弊社出前館も11/25 19:00から開催されるAfter JJUG CCC 2025 Fall で登壇させていただく予定です!LINEヤフー株式会社、株式会社ZOZOの方々も登壇・参加予定です。興味がある方、JJUGの余韻をまだ味わいたい方はぜひ下記をチェックして遊びに来てください!

After JJUG CCC 2025 Fall - connpass