「悪夢は続くだろう」 記者の殺害事件、最多ペースのメキシコで何が
麻薬カルテルなどの犯罪組織が強い影響力を持つメキシコで、ジャーナリストの殺害が相次いでいる。今年に入ってから8人が死亡し、最多だった2017年の12人を上回るペースだ。国際社会は非難を強めているが、事態が改善する見込みはない。
ティフアナ市、わずか6日間で2人が犠牲に
メキシコ北西部のティフアナ市。高層ビルが立ち並ぶ中心部から車で30分ほど走ると、トタン屋根の家々が並ぶ。その一角で今年1月、フォトジャーナリストのマルガリート・マルティネスさん(当時49)が殺された。自宅を出て車に乗り込もうとしたところ犯人の襲撃に遭い、3発の銃弾を浴びたとみられる。
「私に取材のイロハを教えてくれた、面倒見のいいお兄さん的存在だった。本当に悲しい」
ティフアナのメディアで働く男性記者(27)は、そう語る。マルティネスさんは地元での犯罪や麻薬カルテル、警官の腐敗などについて取材をしていたという。
殺害されたきっかけは、ティフアナにある麻薬カルテルの大物幹部が過去に関わっていたとみられる犯罪や家族構成について記した雑誌の記事だった。地元メディアによると、幹部の部下はマルティネスさんが記事に関与していると思い、殺害を決意。掲載から3日後、マルティネスさんは部下が雇った殺し屋の凶弾に倒れた。だが実際、マルティネスさんは記事に関わっていなかった。
「ノタ・ロハ」と呼ばれる言葉があります。スペイン語で「赤いノート」の意味で、麻薬カルテルの関与が疑われる犯罪事件や警察の腐敗などを記した記事のことです。そんな「ノタ・ロハ」に関わる記者は、日々命の危険にさらされています。記事後半では、なぜ記者への暴力がやまないのか、ジャーナリストの保護団体などに話を聞いています。
ティフアナは米国境に近く、歴史的に麻薬取引や人身売買などの犯罪が横行。麻薬カルテルの勢力が特に活発で、警察や行政との癒着も常に指摘されている。マルティネスさんが殺害された6日後には、ロウルデス・マルドナドさん(当時67)が自宅前の車内で殺された。
男性記者はこう話す。「マル…
- 【視点】
遠い異国の出来事ですが、読みながら、朝日新聞阪神支局襲撃事件を思い起こさずにはいられませんでした。 「記事を書くことで少しでも社会が良くなるのであれば、その歩みを止めてはいけない。腐敗した社会のままで良いわけがない」 記事のなか
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