千葉県の野球観戦交流イベント、応募多数で抽選も…40代以上「除外」で物議

ZOZOマリンスタジアム=2025年7月、千葉市(撮影・田村亮介)
ZOZOマリンスタジアム=2025年7月、千葉市(撮影・田村亮介)

野球観戦、マラソン、音楽…。共通する趣味を通じて若者の出会いや仲間づくりを応援する千葉県の「ミラチバプロジェクト」が物議を醸している。応募多数となった9月の野球観戦イベントで、応募者のうち20、30代を優先し、40代以上を除いて参加者の抽選を実施したからだ。須永和良県議は28日の県議会代表質問で「恣意的(しいてき)に除外した時点で抽選とは呼ばない」と県の対応に苦言を呈した。

若者たちが交流する「ちば部」

県は「部活動のように気軽に参加しよう」との触れ込みで今秋から若者支援事業を開始した。その一環として実際に若者たちが交流する場を「ちば部」と名付け、さまざまなイベントを企画した。

一方で、幅広い世代に参加、交流してほしいという趣旨も込めた。実際、参加年齢(18歳以上)に上限を設けず〝門戸〟を広げたことが40代以上の応募殺到につながったようだ。

応募の4割超が40代以上

県によると、野球観戦イベントは9月27日、千葉ロッテマリーンズの本拠地、ZOZOマリンスタジアム(千葉市美浜区)で実施した。参加者募集の段階で定員100人に369人が応募し、うち40代以上が4割超を占めた。

県は応募者多数のために抽選としたが、初回のキックオフイベントだけに「若者の代表的な年代である20、30代を優先して当選者を決めた」(高梨みちえ副知事)といい、40代以上は抽選に参加できなかった。

高梨氏は28日の県議会答弁で「事前説明が十分ではなかった」と釈明したものの、応募した40代以上への通知には「厳選なる抽選の結果、残念ながら『落選』となりました」と記されていた。

制度設計に詰めの甘さ

これに対し、須永氏は「『厳選なる抽選』は事実と異なる」と県に猛省を求めた。若者出会い支援事業とアピールしつつ、年齢制限を設けない制度設計の詰めの甘さにも「誰のために、何のための事業かを明確にすべきだ」と指摘した。

県によると、ちば部の活動は野球観戦を皮切りに、第7弾まで企画(実施済み含む)した。一部の年代を除外した抽選は野球観戦イベントだけだという。

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