減税+現金給付の「給付付き税額控除」導入へ再始動…与野党4党が前向き・各論では対立の恐れも

スクラップ機能は読者会員限定です
(記事を保存)

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 自民、日本維新の会、立憲民主、公明4党の政調会長は27日、国会内で会談し、減税と現金給付を組み合わせた「給付付き税額控除」の導入に向けて協議した。政府・与党は、喫緊の課題である物価高対策に続き、格差是正にも本腰を入れる構えだ。主要各党は導入に前向きな姿勢は共通するが、議論の進め方や制度設計では曲折も予想される。(鶴田瑛子、林航)

給付付き税額控除を巡る協議に臨む自民、日本維新の会、立憲民主、公明4党の政調会長ら(27日、国会内で)=米山要撮影
給付付き税額控除を巡る協議に臨む自民、日本維新の会、立憲民主、公明4党の政調会長ら(27日、国会内で)=米山要撮影

 「当面4党の実務者で制度設計を協議していくことは、おおむね合意した」

 自民の小林政調会長は27日の記者会見でこう述べ、4党の枠組みで制度の具体化を進める方針を示した。会談では、4党からそれぞれ2人程度の実務者を出し、年内に次回の協議を行うことを確認した。

 立民の本庄政調会長は「制度設計は遅くとも1年以内に結論を出すべきだ」と提案した。公明党の岡本政調会長は痛税感を緩和する効果がある消費税の軽減税率を維持した上で、給付付き税額控除の導入を検討すべきだと訴えた。

「給付付き税額控除」を巡る主要各党の状況
「給付付き税額控除」を巡る主要各党の状況

 意見が割れたのは、来年1月以降の協議の進め方だ。自民、維新両党は、政府が税と社会保障の一体改革を超党派で議論する場として新設する「国民会議」で協議を進めることを主張した。これに対し、本庄氏は「政府が設置する会議に野党の議員が入るのは相当まれだ」と慎重論を唱え、岡本氏も同調した。

 給付付き税額控除は、低所得で課税額が少ない人には、減税で控除しきれない分を現金給付する仕組みで、7月の参院選で立民や維新などが低・中所得者対策として導入を訴えた。自民、公明、立民の3党が9月に協議を始め、10月の高市内閣発足後に与党となった維新が加わり、再始動した。

 4党はいずれも制度の導入には前向きだ。ただ、収入・資産の把握方法や控除対象の線引きなど課題は多く、具体的な制度設計には困難が伴う。各論に入れば、各党間の意見対立が制度面でも表面化する恐れがある。

 自民は「国民生活に直接関わる制度で幅広い合意形成が必要だ」(小林氏)とし、国民民主党の参画を視野に入れる。同党は制度の必要性を認めつつ、「当面の物価高対策として年内に間に合わない」(玉木代表)として所得税減税などの主張を優先してきた。党幹部は「声掛けがあれば対応する」と述べ、協議に加わる可能性を示唆した。

「政治」の最新ニュース
スクラップ機能は読者会員限定です
(記事を保存)

使い方
速報ニュースを読む 「政治」の最新記事一覧
注目ニュースランキングをみる
記事に関する報告
7382674 0 政治 2025/11/28 05:00:00 2025/11/28 07:06:52 2025/11/28 07:06:52 /media/2025/11/20251127-OYT1I50192-T.jpg?type=thumbnail

主要ニュース

おすすめ特集・連載

読売新聞購読申し込みバナー

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)