火災拡大の一因「竹製の足場」、建物密集する香港で伝統的に使用…安全性を疑問視する声は以前から
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【動画】目撃者撮影 香港の高層マンション火災の出火当時…地上近くの火がたちまち拡大
【北京=吉永亜希子】香港北部大埔区の高層マンション群で発生した火災から一夜明けた27日も、現場では懸命な消火や救助活動が続いた。

火災の拡大を巡っては、竹製の足場使用が批判にさらされている。香港紙・星島日報(電子版)によると、香港当局幹部は27日、業者に金属製の足場使用を徹底させるため、官民で対策を協議していたことを明らかにした。
竹製の足場の技術は清朝時代に中国南部・広東省から香港に伝わったとされ、伝統的に建築現場で使用されてきた。軽量で強度が高いことから、狭い土地に古い建物が密集している香港では、重量のある金属製の足場より組みやすく、重宝されてきた。中国メディアによると、足場を組める職人は香港に3000~4000人いるという。
防火や耐久性などの安全性を疑問視する声は既にあがっていた。中国大陸では2022年9月、安全管理の徹底のため、新築ビルの建設現場での竹製足場の使用を規制。香港政府も、今年3月以降に入札された公共の建築物を建築する際には、金属製の足場を使用するよう義務付けていた。
中国のビル火災を巡っては、10月に香港中心部の改修中のビルで4人が負傷した。23年3月には、40階を超える高層ビルの建設現場で発生し、2人が負傷した。香港紙・明報によると、いずれも竹製の足場や防護ネットが火の回りを早くさせたとみられている。
10年11月に日本人を含む50人以上が犠牲になった中国・上海の28階建て高層マンションの火災でも、竹製の足場が改装工事に使用されていたとされる。
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