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「炎上は宝ですよ。」プロジェクトが燃えた先で得られるものとは

2025年11月27日 15時00分更新

文● 渥美洋行/FIXER

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 本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「炎上は「宝」なのか──プロジェクトが燃えた先に見えた構造の綻び」を再編集したものです。

誰も望まない「炎上」。けれど、その混乱の中には、組織が成長するための構造のヒントが隠れています。

 プロジェクトを進めていると、スケジュールの遅れや要件変更など、思いどおりにいかない場面が必ずあります。

 炎上は誰も望みません。
 しかし、避けて通ることもできません。

 僕もこれまで、いくつかの炎上案件を経験してきました。

 その最中はとても「宝」なんて思えません。けれども振り返ると──あの混乱の中でしか見えなかったことが確かにありました。

 最近、エンジニアの友人が言った言葉が印象に残っています。

「炎上は宝ですよ。」

 その一言をきっかけに、“炎上をどう扱えば組織は前に進めるのか”をあらためて考えてみました。

仕組みの綻びが表に出る瞬間

 炎上の瞬間、普段は見えなかった仕組みの綻びが一気に表に出ます。

 意思決定の遅さ、情報共有の滞り、役割の偏り。こうした問題は、平常時にはなかなか気づけません。

 私たちが業務を進める中でも、問題が起きて初めて、どこが詰まっていたのかが見える。

 炎上は、構造を可視化する“組織の健康診断”のようなものだと感じます。

炎上が示すのは「人」の本質

 現場が燃えると、人の動き方が変わります。

 タスクが崩れた瞬間に黙って拾う人。
 冷静に優先順位を整理して全体を見直す人。
 あるいは、プレッシャーに耐えきれず距離を置く人。

 こうした行動の差が、チームの信頼関係や実際の役割分担を映し出します。

 炎上対応の中で得られるこの“人のデータ”は、チーム設計を見直すうえで貴重な材料になります。

炎上は、再設計のチャンス

 ほとんどの炎上は「誰かの失敗」ではなく、「想定していたけれど、対応が追いつかなかった」ことから起きます。

 だからこそ、炎上のあとには再設計のプロセスが必要です。

・どの情報が遅れたのか
・どの判断が迷ったのか
・どの工程で摩擦が生まれたのか

 これらを丁寧に振り返り、仕組みに還元すれば、同じ炎上は繰り返しません。

炎上を恐れず、早く発見できる文化へ

 炎上をゼロにするのは理想ですが、挑戦がある限り、リスクはゼロになりません。

 大切なのは、「炎上を防ぐ文化」ではなく、「炎上を早く見つけ、立て直せる文化」を育てることです。

 プロジェクトの進行状況を見える化し、小さな異常を早期に共有する。

 その積み重ねが、次の炎を大きくしない一番の方法です。

「炎上は宝」──起きた火を次に使える組織が強い

 炎上は良いことではありません。

 しかし、その中には次の成長につながる素材があります。

 火を完全に避けることよりも、燃えた跡をどう使うかが組織の成熟を決めます。

 炎上を宝に変えられるチームは、挑戦を止めずに前に進めるチームだと思います。

渥美洋行/FIXER
2025年9月 株式会社FIXERに入社。入社のきっかけはデッカイギとデッカイジャーです。元国家公務員、国や自治体のみなさまのAI活用を支援しています。

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