harha
2nd ONEMAN LIVE オトナタイコウ
2025年8月29日(金) Spotify O-WEST
幻想的なSEに乗せて、開演直前からステージのみならずフロアをもスモークが包み込む。霧の中に迷い込んだような真っ白な視界が広がったところで会場は暗転。群青色のライトに照らされる煙からぼんやりと、サポートメンバーに続きハルハの影が見えた。神聖なムードを醸すSEにバンドメンバーが迫力ある音を重ねてあたりが白い光に包まれる。するとステージセンターに立ったヨナベが「harhaです、よろしくお願いします!」と高らかに呼び掛けて、エネルギッシュなポップナンバー「おはよう人類」でライブをスタートさせた。
佐々木侑太(Gt)、マツモトタクロウ(Ba)、エノマサフミ(Dr)、やまもとゆきこ(Key)を招いたフルバンド編成は今年3月に開催された初ワンマンと同様だが、前回と決定的な違いは映像を用いずに照明演出を効果的に使用していることだ。つまりharhaのパフォーマンスと存在感こそが、ライブの大きな主体となっている。ギターリフから「made in 君」へつなぐとハルハが積極的にフロアへ掛け声を求め、ヨナベもレースの仮面越しに観客と目を合わせるように歌唱するなど、観客をharhaの音楽世界へスマートかつ溌溂と連れ出した。
冒頭のスモークがじょじょに薄くなりだいぶ視界が開けてきたころ、インタールードに乗せてヨナベが「今日はここにいるみんなのために全力で音楽を頑張るので、みんなも最後まで全力で楽しんでいってください!」とクラップやジャンプを求め、ダンサブルな「争奪最前戦」へ。煌びやかなレーザーと、ハルハとヨナベのオクターブのユニゾンがエモーショナルに交わり、そのままインタールードを挟んで「浪漫人」「ラブハイプマン」と心地よく身体を揺らせるラブソングでつなぐ。ライブならではの高揚感を煽るアレンジを随所に施し、ほぼノンストップでライブが展開することで、ドラマチックな楽曲たちの真価を発揮させ、さらなる没入感と幸福感を作り出していた。
バンドメンバーのセッションパートから入った「神様のねぐせ」は間奏でバンドメンバー紹介を兼ねたソロ回しを取り入れるだけでなく、最後にヨナベが「クラップ、(観客の)みんな!」と告げ、間接的に「観客もharhaのライブを作る大切なメンバーの一員である」と伝える小粋な手腕も光る。ヨナベのキュートな振り付けも目を引く「恋はずみ」のあとは、じょじょに内観的なムードへと移行した。
ピアノソロからスケールの大きなポップバラード「雨漏り」に入り、アウトロにホワイトノイズが重なるとヨナベとハルハがアカペラで「ふうらい」を歌い出し、パワフルなギターロックを爽やかに届ける。ギターソロでさらにエッジーかつシリアスなムードが立ち込めると、「ステレオタイプライター」「アンデルセン」「すてきなぼくら」と苦しみや切なさ、痛み、切実な願いが込められた楽曲を立て続けに披露した。暗闇の向こうで微かにくすぶる光をまっすぐに愛でて信じるようなヨナベの歌声は、晴れやかで透き通っている。最新曲の「えくぼ」はそれがとても健やかに、すがすがしく響いていた。
すると一転、「ここから怒涛の後半戦です!」と呼び掛けるとヒットソング「人生オーバー」、バンドの演奏が活きるアッパーなロックナンバー「ベイカーベイカー」、大きなアクセントとなったハルハのラップに、佐々木とマツモトのダイナミックなプレイなどライブならではの興奮を凝縮した「ハイホーホー」と観客へ積極的にコール&レスポンスやクラップ、シンガロングを求めて一体感を高める。その景色は不条理に抵抗する人々の痛快な逆襲や一念発起のようで、ノンストップのラストを飾った「マスカレード」のハッピーエンドぶりも非常に眩しかった。
観客とサポートメンバーとともに17曲を走り抜けると、ハルハは「同じ空間ですごく楽しい音楽を一緒にできて、本当にありがとうございます」と笑顔を浮かべる。ヨナベは「みんなが日々harhaを応援してくれるからこういう場が叶って、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからもみんなの日々にじんわり寄り添うような曲をいっぱい出していきます」と告げ、名残惜しそうにフロアを隅々まで見渡して観客に手を振った。「アルテルテ」のアウトロでヨナベが「絶対にまたどこかで会いましょう!またねー!」と呼びかけると、ドラムカウントからラストの「草縁」へ。真夏の太陽のように瑞々しいパワーを放出し、会場の全員で華々しいエンドロールを飾った。
サポートメンバーに続いてヨナベが去ると、最後にハルハがステージ中央で頭を深々と下げてステージを後にした。するとゆっくりとプロジェクターが下がり、1本のムービーが放映される。そのムービー内で2026年3月6日にZepp Shinjuku(TOKYO)にてワンマンライブ「キボウカクメイ」の開催が発表されると、フロアからは大きな歓声と拍手が沸いた。
新たな演出とパフォーマンスに挑戦しながら、これまでリリースした楽曲から選りすぐりの19曲で観客とともに音楽を楽しみ、壮大でピュアリティに富んだ物語を描いたharha。バンドならではのグルーヴと、エンターテインメント性の高い観客参加型の要素をブレンドさせたパフォーマンスはフェスやイベントといった場でも多くの観客を巻き込む力に溢れており、次回は彼らがZeppという会場を活用してどんな空間を作るのだろうかと興味をかきたてられた。映画と称するには生々しさや躍動感を持ち合わせ、現実というにはあまりにも鮮やかな輝きを放ち、諦めてしまいそうになる夢をもう一度信じてみようと思わせてくれるロマンが詰まったharhaの音楽。約半年後の彼らが描く希望と革命とは、どのような景色なのだろうか。この物語の続編を楽しみに待ちたい。
SET LIST
01. おはよう⼈類
02. made in 君
03. 争奪最前戦
04. 浪漫⼈
05. ラブハイプマン
06. 神様のねぐせ
07. 恋はずみ
08. ⾬漏り
09. ふうらい
10. ステレオタイプライター
11. アンデルセン
12. すてきなぼくら
13. えくぼ
14. ⼈⽣オーバー
15. ベイカーベイカー
16. ハイホーホー
17. マスカレード
18. アルテルテ
19. 草縁





















