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「INDIE Live Expo Awards 2025」は「スルタンのゲーム」が受賞!吉田修平氏の推薦は「文字遊戯」【INDIE Live Expo】

【INDIE Live Expo 2025.11.29】
11月29日 開催

 11月29日に開催されたインディーゲーム紹介番組「INDIE Live Expo 2025.11.29」において、「INDIE Live Expo Awards」各賞が発表された。

 「INDIE Live Expo Awards」は2025年の優れたインディーゲームを表彰するもの。今回は部門が一新され、8名の審査員によって選ばれた計8本と、「INDIE Live Expo Awards 2025」として1作品が表彰された。

 栄えある「INDIE Live Expo Awards 2025」を受賞したのは「スルタンのゲーム」。そのほか吉田修平氏推薦の「文字遊戯」をはじめ、「No, I'm not a Human」、「BALL x PIT」などが推薦された。

【インディーライブエキスポ 2025.11.29】

INDIE Live Expo Award 2025:「スルタンのゲーム」

選評:INDIE Live Expo実行委員会

ゲームは現実では体験できないことを体験することができます。その中でも、「権力」を持つ体験はデジタルゲームの快楽の最も大きなものの一つでしょう。
このゲームでは権力の「甘美さ」を鮮烈に体験することができる美しいゲームです。
敵でありあなたが行ってしまうことの先達でもある独裁者は強く、恐ろしく、美しい。
その他の登場人物も個性と美点と動機に富み、非常にすばらしい人間です。
そんな彼らを、意のままにすることができる、そしてその結果を受け止めることができる。
あなたも魔術的なキービジュアルに誘い込まれるようにプレイをし、カードの命じるままに殺戮、色欲、散財、征服にどっぷりと浸かり、スルタンに革命という名の愛をささやきましょう。

優秀賞:「存在/しないあなた、と私」

ベ・サンヒョン氏推薦

プレイヤーがキャラクター、世界を「造形する」という行為は、彼らが自分の前に置かれたものをどう受け止めてほしいかという問題でもあります。
「あなたは私を、そして私たちを取り巻くこの世界を何だと思うのか?」という問いに対して、人間は単に選択肢の結果として与えられた風景にとどまらず、そこから無限の物語を生み出すことができます。
この作品自らが提供しているものを超える物語が誕生する喜びに、私は純粋に楽しさを感じました。
機械の向こう側を見つめるその瞬間。その成就は、いつの時代も人間にとってかけがえのないものです。

「No, I'm not a Human」

サイモン・ズゥ氏推薦

今年の最も印象的で、その年を代表するインディーゲームを思い浮かべると、さまざまな強みを持つ多くのタイトルが頭に浮かぶ。
だが、もし一つだけ選ぶとしたら、「No, I’m not a human」になる。
毎年、ゲームプレイに新たな潮流を生み出す作品が登場する。たとえば「Vampire Survivors」や「Luck be a Landlord」のように、その後すぐ数多くの“〜ライク”作品が生まれるタイトルだ。
「No, I’m not a human」も、まさにそうした流行りを作り出すゲームだと感じている。"限られた開発リソース、簡易的なループシステム、短い体験とフィードバックの循環。
シンプルにもかかわらず、このゲームは驚くほど多様なプレイ体験をもたらしてくれる。
これは非常に巧みなデザイン手法だ。
今日の飽和しつつあるゲーム市場では、プレイヤー層が絶えず変化し続けている中で、
「強烈な個性を保ちつつ、より多くの人にゲームの本質を楽しんでもらうにはどうすればいいのか?」
という課題がある。
「No, I’m not a human」は、ゲーム体験の設計を改めて考えるときの、新たな方向性を示している。

「プロミス・マスコットエージェンシー(Promise Mascot Agency)」

ブランドン・シェフィールド氏推薦

私はいつだって、「完璧」なゲームより「面白い」ゲームを選びたいと思っている。
「Promise Mascot Agency」は、まさにもっと世に増えてほしいと思うタイプの野心的なゲームだ。
この作品は、PS2時代の実験的でどこか奇妙なゲームが持っていた「面白さ」と、現代的なゲームデザインやビジュアルをうまく融合させている。
「マスコットがこの世界では知性を持つ種族であり、人間と交配することもできる」というユニークな前提を掲げつつ、ゲームを終えるころにはそれを当たり前のものとして受け止めさせてしまうのだ。
社会の端で生きるマスコットたちの物語を通じて、このゲームは「違い」を肯定し、祝福しようと試みている。
同時に、地方の活性化というテーマを含んだ、日本へのラブレターにもなっている。
自分は、過去の作品への敬意を払いつつも野心的であろうとするアートを尊敬しているが、「Promise Mascot Agency」はまさにそのど真ん中に刺さる作品だ。
私としては、この小規模なチームは、ほとんどのトリプルAスタジオよりも、よほど興味深いゲームを作っていると思う。

文字遊戯(日本語版)

吉田 修平氏推薦

台湾のディベロッパーTeam 9が開発した「文字遊戯」というゲームがオリジナルで、それは中国語の漢字だけで画面が構成され、「我」という漢字が自キャラクターで我を操作して「門」の字のところに行くと門が開いて進めるようになったり、未完成の文章の頭に我を移動して完成するとその文章の内容がおこったりという、画期的なゲームでした。
日本語にも漢字がありますが、文章の長さや文法が違うのでローカライズはほぼ不可能と言われていたのですが、日本のフライハイワークスの黄(こう)さんが沢山のパズルを作り直してほぼ新作の形で完成させました。是非体験して欲しいです。

「Escape From Duckov」

わいわい氏推薦

単純に面白いの一言。
人気の探索型シューターを見下ろし型にし
コツコツと積み上げる成長要素とカジュアルなデザインにすることで、従来のFPS型よりも多くの人に親しまれやすい作品に仕上がっている。
既にあるゲームシステムを融合していながらも見事に昇華し、非常にバランスがよく随所にみられる中国の文化的な彩りや多様な発想の攻撃を持った敵キャラ、面白い武器、かわいい装飾などがゲームをより豊かなものにし飽きさせない。

「黄泉に落ちても麻雀(Demonic Mahjong)」

のばまん氏推薦

人間は他人を出し抜いて自分が得する事により生存してきたので、してやったりと感じると快感を感じるようになってしまいました。
でも現代では他人を出し抜きまくる事は出来ませんし、仮にそんな奴がいたら…異常者ですよね。
でもローグライクでは俺だけが考えた最強の組み合わせを自分で発見し、ゲームシステムを出し抜いてそれによって楽しむことができます。
そしてその出し抜き具合が一番楽しかったのが「黄泉に落ちても麻雀」でした。

「BALL x PIT」

やみえん氏推薦

昔ながらのブロック崩しに、ローグライトのビルド要素を掛け合わせた意欲作。 メインとなるブロック崩しのパートだけでなく、拠点を強化し発展させる要素もあり、
拠点の発展やアップグレードが進むにつれて、戦略性 X 中毒性が一気に増していく。
遊ぶたびに新しい発見があり、次はこの組み合わせを試してみようと考えるうちに、
気づけば時間を忘れてプレイしてしまう。
ぜひまずは砂漠ステージまで遊んでみてほしい。

「Öoo」

外山 圭一郎氏推薦

プレイヤーの理解とひらめきとを全面的に信頼した、一切余計なものが無いパズルアクション。
80年代ナムコ黄金期や、コナミMSXを彷彿とさせる孤高の美学が感動的でした。
タイトルの読み方が分からず、いちいちコピペが面倒なタイトルも、通常はマーケティング的に却下されるところを貫いていて最高です。