GoogleとNVIDIAは、「Chromebook」ユーザー向けの新たなクラウドゲーミング体験を提供するための提携を発表した。これにより、米国時間11月20日から新しいChromebookを購入したユーザーには、「GeForce NOW」の新しい会員プラン「Fast Pass」が1年間無料で提供される。このプランはChromebookユーザー専用に設計されており、クラウドゲーミングへのアクセスをより手軽にすることを目的としている。
この発表は、NVIDIAがGeForce NOWに導入した最新の「Blackwell RTX」アーキテクチャーのアップグレードと同時に行われた。新技術により、フルレイトレーシング、「DLSS 4」によるマルチフレーム生成、そして画質を損なうことなく15%の帯域幅削減が実現されている。
Fast Passでは、月に最大10時間のゲームプレーが可能で、待機列をスキップしてすぐにゲームを開始できる。また、無料ユーザーと比較して、より高いパフォーマンス設定が利用可能となり、解像度やフレームレートの向上、仮想RAMの増加が実現されている。さらに、未使用のプレー時間のうち最大5時間が翌月に繰り越される仕組みも導入されており、「Chromebook Plus」の最新モデルがクラウドゲームに対応するハードウェアを備えていることから、導入のハードルは大きく下がっている。
GeForce NOWの「Ultimate」プランでは、Blackwell RTX技術によるインフラの強化により、DLSS 4、フルレイトレーシング、レイ再構成、DLSSマルチフレーム生成、DLSSスーパー解像度による最大5K・120FPSのストリーミングが可能となっている。
さらに、「Cinematic Quality」と呼ばれる新機能が追加され、映像の品質が全体的に向上。ニューヨークで行われたデモでは、筆者が実際にこの映像品質を体験し、葉や水、岩、風景などの複雑なテクスチャーにおいて、視覚的な改善が即座に確認できた。
色彩やテクスチャーのモデリングを向上させるための高帯域幅の活用により、サンプリングの滑らかさ、フレームレートの向上、そしてシステム全体のレイテンシーが30ms未満に抑えられている。これは、NVIDIAによれば「PlayStation 5 Pro」よりも低い数値であるという。
また、画面最適化技術も新たに導入されており、プラットフォームが自動的にディスプレーの解像度を検出し、ユーザーが設定を調整することなく最適なストリーミング品質を提供することが期待されている。
さらに、GeForce NOWでは「Install to Play」という新機能が導入され、公式ライブラリーに含まれていないゲームも一部プレー可能となった。この機能では、開発者がオプトインしたタイトルに限り、ユーザーが一時的にクラウドストレージにゲームをアップロードし、プレーできる。セッションごとに最大100GBのクラウドストレージが提供され、Ultimateと「Performance」プランでは無料で利用可能となっている。ただし、このストレージは一時的なものであり、ログアウト後には再度クラウドにインストールする必要がある。
永続的なクラウドストレージを希望するユーザーには、追加プランも用意されている。200GBが月額3ドル、500GBが5ドル、1TBが8ドルで提供され、ゲームの保存環境を柔軟に拡張できる。
GeForce NOWのサービスは、無料(広告付き)、Performance(年間99ドル)、Ultimate(年間200ドル)の3つのプランで構成されている。有料プランでは、待機時間が1分未満に短縮され、56GBのDRAM、最大4K解像度・240FPSのストリーミング、ウルトラワイドゲーミングモニターへの対応など、パフォーマンス面で大幅な強化が図られている。
提供:Kyle Kucharski/ZDNET
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。


