日立ソリューションズは11月21日、文書管理システム「活文 Contents Lifecycle Manager」を生成AIで拡充し、ファイルごとの管理情報を自動抽出できる「生成AI連携属性抽出オプション」を提供すると発表した。
文書管理システムは、「保存」「検索」に加えて、蓄積された文書を「活用」するニーズが高まっている。生成AIで、さまざまな文書のデータや事例、ナレッジを検索しやすくすることで、それらの再利用による生産性向上・業務効率化が期待できる。ただ、検索性を高めるために必要な管理項目の入力は、AI-OCR(人工知能を活用した光学文字認識)を活用するとしても主として人が担い、誤入力や運用負担が障壁となっていた。
今回の「生成AI連携属性抽出オプション」により、従来のAI-OCRで必要だった抽出場所の設定やチューニングなどの煩雑な事前準備が不要になる。生成AIが文書内容を解析し、管理項目に必要な情報を自動的に抽出するため、担当者は抽出情報の正誤確認だけで登録作業を完了できる。

「生成AI連携属性抽出オプション」による、文書情報の自動抽出から、登録、活用までのイメージ
また、文書の分類など従来の管理項目に加え、文書の活用促進に必要な情報を、生成AIが文書の記載内容を基に作成して、管理項目に登録することができる。例えば、顧客向けの店舗アンケートでは、あらかじめ定義しておくことで、店舗に対する評価や店舗への要望事項の有無、自由記述の主な内容などを生成AIが管理項目向けに作成可能だ。
さらに、生成AIで追加可能になる管理項目により、文書の管理効率向上とナレッジ活用が期待できる。例えば、顧客向けの店舗アンケートでは、個々のアンケートに記載された店舗に対する評価について、ファイルを開くことなく文書一覧の画面から把握できるようになり、ナレッジ活用や業務改善、意思決定の質の向上につなげられる。
「活文 Contents Lifecycle Manager」は、生成AIによる属性抽出機能に加え、「活文 企業内検索基盤」との連携により、文書活用の可能性を広げられる。検索拡張生成(RAG)を活用した対話型AI検索により、蓄積された文書から必要な情報を瞬時に引き出すことが可能になる。今後も同社では、企業内の文書資産を「使えるナレッジ」として活用できる環境づくりを支援していく。


