2025-10-14

映画リアリティを見た

まぁ40点くらい。

試みとして面白いもの映画として面白いとは限らない。という当たり前の知見を得た。

 

この作品一言で表してしまうなら「超厳密再現VTR映画」。

というのも脚本づくりが非常に特殊で、実際にFBI国家機密漏洩犯を逮捕する際に録音したもの文字起こしをそのまま脚本として採用している。もろちん、捜査機密の部分は政府お得意ののり弁でお出しされているが、その部分も忠実に再現されている。具体的にはその部分だけ登場人物が消えるという表現がなされている。この表現は割と面白い

ただ、いかんせん非常に地味である

家に帰ってきた女性FBIに囲まれ家宅捜索されながらその場で事情聴取を受け、最終的に自供して逮捕される。

もうこんだけ。その中で実際の録音音声が流れたり、実際の写真がインサートされたり。うむ、再現VTRである

特別トリックがあったりするわけでもなく、単に捜査官が捜査資料に基づき女性を延々と堅実に詰めていくさまが描かれるだけである。ただ「家宅捜索中にペットをどうするのか」みたいなところまで再現されていて、そういうところを描く作品は珍しいかもしれない。

女性犯行動機も非常に「あー、ありそう」って感じで驚きもないし、方法めっちゃ原始的機密文書シャツの中に隠して持ち出した)だし。なんていうか、見ていてキラキラがないよね。

 

脚本がほぼ全部事実――政府が公開しているもの事実だとすれば(唐突陰謀論)――であるがゆえに「リアリティ」は非常に高いのだろうけど「リアル現実的)」であることは面白さを担保しないし、映画でいうところの「リアル」とはまた違うのだなということを教えてくれたという点では非常に興味深い映画体験ではあった。

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