辛いことがあるたびに思う。
せっかく可愛く生まれてきたのに、って。
自分がアイドルや女優ほど可愛いわけじゃないのは、ちゃんとわかってる。
表舞台で輝きたいわけでもない。
それでも、どうしようもなく苦しいときにふと思う。
「こんなに可愛いのになんで泣いてるんだろう」
「なんでこんなに辛いんだろう」って。
見た目に価値を置いてるわけじゃないのに、そこに縋るようにして自分を慰めてる感じ。
「私はこれしかないのかもしれない」と思うのと同時に、「それでも報われないのか」と思ってしまう。
たぶん私は、どこかで“可愛い”という言葉に、人生が少し優しくなる魔法みたいなものを信じてた。
でもそんなものは、誰も保証してくれないし、実際には何も変えてくれない。
時代の流れで容姿は生まれ持った才能なのに、それとして褒められることは減った。
それでも、また辛いことがあると同じことを思う。
せっかく可愛く生まれてきたのに。って。