お知らせ
お知らせ
CLOSE

PROACTIVEで実現する半歩先の未来(全2記事)

2025.11.18

Brand Topics

PR

働き手の健康課題を放置→年間4.6兆円の損失に 経産省が「健康経営」を国家戦略に据える理由

提供:SCSK株式会社

少子高齢化の進行により、日本の生産年齢人口の減少や社会保障費の増大は深刻化しています。こうした状況の中、経産省は「健康経営」を国家戦略として推進。今や健康経営は中小企業や自治体にも広がり、国際規格化も進んでいます。後編では、経済産業省ヘルスケア産業課の河裾淳子氏が、その背景と広がり、そして企業価値向上への道筋を解説しました。

前編はこちら

経産省が進める「健康経営」と企業の生産性向上策

菊地真之氏(以下、菊地):さて、私たちは健康経営に積極的に取り組んでいるという話をお伝えしました。繰り返しになりますが、社員一人ひとりが安心して働ける環境は経営状況の大きな価値資産です。10年以上の健康経営銘柄である私たちが「Uwell(ユーウェル)」というサービスを提供し始めたのは、このような背景があります。

一方でこの点については、健康経営を推進するにあたっての社会的な背景や、どうしてこの取り組みが必要なのかということを理解していかなければなりません。

ここからは経産省から河裾さまにご登壇いただき、企業における健康経営の重要性、広がり、データ活用の重要性についてご紹介いただきたいと思います。それでは河裾さま、よろしくお願いします。

河裾淳子氏(以下、河裾):みなさま、こんにちは。経産省ヘルスケア産業課の河裾と申します。今日は、私からは健康経営ということで10分ほどお時間をいただいてご紹介をさせていただきたいと思います。

まず初めに経産省がなぜ健康経営を推進しているのか、その背景についてご説明したいと思います。みなさまもご承知のとおり、日本では少子高齢化が進んでおります。2020年から2050年にかけて我が国の総人口は約20パーセント減少、そして生産年齢人口は約30パーセント減少。さらに社会保障費の大幅な増加が見込まれています。

つまり一人ひとりの生活の質を高め、経済社会全体の活力を維持向上させるためには、ヘルスケア産業の創出と拡大がますます重要になってきております。

経産省では厚生労働省と役割分担し、我々は「予防・健康づくり」と呼んでおりますが、主に公的保険制度のお世話になる前の領域において、ヘルスケアサービス産業の振興を担っております。

具体的には、経産省では国民の健康増進、それから持続的な社会保障制度構築への貢献、経済成長。この3つを同時に実現するために、6つの施策に取り組んでおります。またご紹介する健康経営はその1つになります。

健康経営銘柄・健康経営優良法人が増加する背景と効果

河裾:次に健康経営の現在地についてお話しさせていただきます。健康経営は、従業員の健康保持や増進に向けた取り組みが、将来的な収益性、企業価値向上への投資であるという考えに基づき、健康管理を戦略的に実施することを示しております。

健康経営の推進に向けては、具体的に健康経営優良法人認定制度、それから健康経営銘柄という2つの施策を行っています。これは健康経営に積極的に取り組む法人を見える化することで、従業員その他関係者から社会的に評価されやすい環境を整備するものです。

おかげさまで、健康経営の優良法人制度に申請いただく企業数が年々増えてきております。大規模健康経営優良法人で働く従業員数は現在約1,000万人に達し、これは日本の被雇用者全体のおよそ16パーセントに相当します。先日、今年度の健康経営度調査も締め切ったところですが、引き続き増加をしております。

こちらは「健康経営銘柄2025」というものを取得された企業さまの一覧になります。本日、こちらの主催者でありますSCSKさんも昨年度選定されております。

経産省が健康経営度調査を開始してから2025年で11年目になります。今年度から、この健康経営度調査は、日本経済新聞社が運営することになりました。我々は、新たな官民連携により健康経営をますます普及促進することを期待しております。

女性の健康課題がもたらす年間3.4兆円もの経済損失

河裾:では、今後の方向性についてもう少しお話ししたいと思います。こちらのスライドは、健康経営の波及効果など、目指すべき姿を示したものになります。健康経営の浸透は従業員の健康、さらには組織の活性化、その先には地域や社会、そして国際社会があるかと思っております。
経産省としては、健康経営の推進を通じ日本経済の持続的な成長や国際社会における健康を軸とした日本ブランドの向上を期待しているところです。それでは、これらの健康経営の目指すべき姿の実現に向けて何をするのかを3つほどご紹介させていただきます。

まずは健康経営の可視化と質の向上です。経産省では、2024年2月に女性特有の健康課題を放置した場合に生じる労働損失の経済損失が、年間3.4兆円に上るという試算を公表しております。ますます女性が活躍する社会で、女性特有の健康課題は、業務の効率、そして就業継続に大きな影響を与えると考えております。

そこで経産省では今年度、女性特有の健康課題の取り組みとポジティブなインパクトを継続するために、女性健康に関する取り組み効果を可視化するプロジェクトを実施しております。

このプロジェクトでは、健康経営に関心のある企業の方々約150社の方に参加いただき、各社が女性の健康課題に関する取り組みを行わないことで、後にどのような影響があるのかを検証しています。本年度末には検証結果を報告書として公表させていただきますので、ぜひみなさまのご参考にしていただければと思っております。
また今、女性と申し上げましたけれども、この健康課題はもちろん男性にもございます。労働損失の経済損失は、女性に比べると額は小さいですけれども、やはり年間約1.2兆円の経済損失が生じていると試算されております。

女性も男性もそれぞれの性差に応じた健康課題に対応する、より質の高い健康経営の実現を我々も引き続きサポートしていきたいと思っております。

日本の「健康経営」がISO国際規格に

河裾:また近年は、従業員のヘルスケアが大きな問題になっております。2025年10月10日に、この心の健康に対応する企業の方々の取り組みを支援するために、メンタルヘルスのサービスを一覧にして、雇用主がWeb上で自社のニーズ・課題に対するサービスの選択ができるようなプラットフォームを整備したところです。

また、我々は新たなマーケットの創出も重要であると思っております。具体的には欧州そして東南アジアの2つの軸で、健康経営という概念を世界的に広めていきたいと思っております。
2024年8月に公開されたOECDのレポートでは、日本の健康経営が取り上げられたところです。

また、健康経営という要素を盛り込んだISO国際規格も発行されております。

国や地域や企業、あらゆる規模・性質の組織を対象に、組織と所属する一人ひとりのウェルビーイングを推進する取り組みを支援するためのガイドラインになっております。

中小企業・自治体にも広がる健康経営の導入モデル

河裾:また、健康経営の裾野の拡大も我々の重点の1つです。健康経営の社会への浸透・定着に関しては、健康経営に取り組む企業の担当者の方々に向けて、健康経営の効果、そしてメリットをわかりやすく解説したハンドブックを発行しました。

さらに健康経営の取り組みの裾野を広げていくためには、地方公共団体、中小企業の方々を中心にサポートしている地方公共団体の方々のサポートが重要になってきていると思っております。

そのため今年度は、地方公共団体自身の健康経営の認定をサポートするために、健康経営度調査に特例措置というものを設け、首長部局と指揮命令系統の異なる教育委員会など各種委員会単位でも申請できるようになっています。

2024年度は地方公共団体、18自治体が健康経営優良法人の認定を受けていただき、今年度はまたさらに増加が期待されております。

最後に政府の方針の中にも健康経営というものが多く入ってきております。我々が「骨太の方針」と呼んでいるもの。そして、「女性版骨太の方針」というものの中に、健康経営、さらには女性の健康に関する記載というものが増加しております。
その他、各省庁、政策分野の報告書にも、健康経営の記載が盛り込まれております。経産省といたしましては、今後もさらなる健康経営の浸透を図っていきたいと思っております。

メンタルヘルス支援に最大300万円の補助金

河裾:そして最後になりますけれども、今日は健康経営にご関心のある企業の方々いらっしゃるかと思いますので、経産省として今年度取り組んでおりますメンタルヘルスサービスの事業をご紹介いたします。

こちらは先ほどご紹介しました「ウェルココ」とはまた別の補助事業になりますが、これから従業員のメンタルヘルスの取り組みを何か進めたいと思っている企業の方々、ぜひご活用いただければと思います。

メンタルヘルス対策に関心があるけれど資金的に難しいという方々向けの補助金で、中小企業の方々、上限300万円まで、2分の1を補助する制度になっております。

例えばオンライン診療やe-learningなどのメンタルヘルスに関する最新のサービスが活用できますので、ぜひご利用ください。
健康経営はなかなか取り組みづらいとか、継続してやっていくのは難しいというお声も聞いておりますが、従業員の健康が最終的には日本国民全体の健康寿命の増進にもつながり、社会課題の解決にも資するものだと思っております。ぜひみなさま、健康経営を盛り上げていただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

財務×非財務データで企業価値を上げる経営DXへ

菊地:河裾さま、ありがとうございました。健康経営の全体像をご理解いただけるような話だったのではないかなと思います。単純に健康になりましょうというかたちだけではありません。やはり日本国全体の人口減少、それに資するような取り組みであるとご理解いただけたらと思います。

従業員のウェルビーイングを実現する。これにあたってはやっぱり健康という観点は切り離せないと思っていますので、私たちSCSKもこの領域をテクノロジーで支援していきたいと思います。あらためてご登壇いただいたみなさまに感謝申し上げます。

健康経営、環境問題、脱炭素、そして新しい時代、AI時代のDX戦略。いずれも企業にとっては待ったなしのテーマであり、未来の企業価値を左右するものであります。これらは財務だけでは解決できない非財務領域にも深く関わるようなものです。そして同時に、利益や成長へ直結する大きなチャンスでもあります。

私たちSCSKのPROACTIVEは、このようなテーマで、財務・非財務の両面をデータプロセスで結びつけ、みなさまとこうした社会課題を解決しながら、持続的に発展していく企業を作るプラットフォームとして進化していきます。

今日のセッションを通じて、一人ひとりが自社にとっての半歩先、企業経営の半歩先を描いていただけるのではないかと思います。私たちと共に着実な未来を叶えていきたい。そう思っていただけると幸いです。また、私たちとしてもテクノロジーでご支援していきたいと思っております。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!

      SCSK_332604,332605_オーバーレイPC
      SCSK_332604,332605_オーバーレイSP