『エクリヲ』という批評雑誌で、「〈三体〉から見る現代中国の想像力」という連載をしています。 先日出た十三号で第三回が掲載されています。 〈三体〉は三部作となっているので、この連載の第一回で『三体』を、第二回『三体Ⅱ:黒暗森林』を、そして第三回で『三体Ⅲ:死神永生』を取り上げて分析しました。単なる紹介的な書評ではなく、その内部にある想像力の構造を析出しようと考えました。連載の企画自体も<三体>の邦訳刊行とは関係なしに立てられたものです。 しかしながら、「現代中国の想像力を見る」と言いながら、現代中国に関する事実的な背景に関する論述はほとんどなく、作品に内在する論理の抽象的な分析に終始しています。なぜこのような批評のスタイルを取っているのかについて少し説明したいと思います。 日本における中国SFの翻訳出版のペースが凄まじく、さまざまな作品とアンソロジーが編集され翻訳されて、人気となっています。