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【独自】星野リゾートが語った「アゴダ悪質転売」の生々しい実態…星野代表、異例投稿の裏で起こっていた「被害」

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オンライン宿泊予約サイト「Agoda(アゴダ)」経由の予約トラブルについて、星野リゾートは「不正な転売」の横行が原因だと指摘した。
オンライン宿泊予約サイト「Agoda(アゴダ)」経由の予約トラブルについて、星野リゾートは「不正な転売」の横行が原因だと指摘した。右は星野リゾート代表の星野佳路氏(2023年撮影)。
撮影:Business Insider Japan、伊藤圭

ネット上でこれまでさまざまなトラブルが報告されてきた、オンライン宿泊予約「Agoda(アゴダ)」に対し、星野リゾートの星野佳路代表が異例の「名指しの苦情」を連続投稿している。

6月16日に大手ホテルチェーンの東横インが公式サイト上で注意喚起を行ったのに続き、同24日には星野リゾート代表の星野佳路氏がXで、観光庁がアゴダに改善要請を行ったという共同通信の報道を引用し、以下のコメントを投稿した。

「星野リゾートは、オンラインの旅行エージェントであるAGODAとは契約していないが、AGODAで予約した方が到着し、お部屋を確保できないケースが頻発している。先日もメンテナンス休館していたホテルにAGODA経由の予約者がいらした。AGODAのシステムには何らかの問題がある」(星野代表のX投稿より)

翌25日に英語で同様の投稿したことからも、“アゴダ問題”が星野リゾートにとっていかに深刻かを表している。

星野リゾートによると、2025年に入ってから公式サイト上で注意喚起を行っているが改善の兆しが見えず、それどころか被害が拡大する可能性も出ているという。

「最近は、日本国内からアゴダ経由で予約する方が増えている。今後国内のお客さまの間にも同様のトラブルが拡大するのではないかと懸念しています

星野リゾートのグループマーケティング統括グループディレクター、櫻井潤氏はそう語る。

アゴダ絡みで「1日に5件から10件超の問題が発生している」(櫻井氏)という星野リゾートに、トラブルの実際とその原因について聞いた。

アゴダには「改善の様子が全く見られない」

アゴダの公式サイトにはブッキング・ドットコムと同じグループ企業であることが明記されている(写真は英文の公式サイトをGoogle翻訳で和訳したもの)。
アゴダの公式サイトにはブッキング・ドットコムと同じグループ企業であることが明記されている(写真は英文の公式サイトをGoogle翻訳で和訳したもの)。
Agoda公式サイトをキャプチャ

シンガポールに本社を置くアゴダは、2005年にサービスを開始。2007年にブッキング・ドットコムの親会社ブッキング・ホールディングス(当時はPriceline Group)に買収されたことで、アゴダとブッキング・ドットコムは現在、同じ親会社を持つグループ企業となっている。

アゴダ経由の予約トラブルについて、櫻井氏は「コロナ禍前から多々発生していた」と指摘する。

同じ問題はアゴダ以外の外資系オンライン宿泊予約サイト経由でも起きていたが、その後改善された例もある。しかし、アゴダに関しては「改善の様子が全く見られない」(櫻井氏)という。

星野リゾートは自社サイトでの予約を重視しており、「提携・契約する旅行代理店を絞っている」(櫻井氏)ことでも知られる。

契約しているOTA(Online Travel Agent、オンライン旅行代理店)もあるが、アゴダについては同社の国内宿泊施設について契約は結んでいない。

「提携しているOTAの場合、星野リゾートのホテルシステムと連携させているので、予約が入るとこちらのシステムにすぐ反映されます。でも、アゴダとは契約していないので、私たちのシステムとはつながっていません」(櫻井氏)

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