2025-05-04

光で遠隔惑星自己複製ポリマーを生成可能か?

紫外線DNAが損傷するのならば、逆に任意の波長の光を何光年も離れた水が存在していそうな惑星へ送り、そこで自己複製する高分子化合物を生成できないか?」

まず物理的な制約を整理します。

1 光束希釈

たとえば可視光 λ = 500 nm、送信開口 D = 1 m のレーザービームでも、回折限界の角径は θ ≈ λ/D ≈ 5 × 10⁻⁷ rad(約0.1 ″)。

10 光年先(9.5 × 10¹⁶ m)では半径 r = θL ≈ 5 × 10⁻⁷ × 9.5 × 10¹⁶ ≈ 5 × 10¹⁰ m、地球太陽距離の 300 倍以上に拡散します。照度は 1/r² で落ちるため、到達エネルギー太陽光の十億分の一以下。実用的な光強度を得るには、開口を数十〜数百 km まで拡大し、出力を GWTW 級に上げる必要があります

2 惑星大気・表層の応答

任意波長を選んでも、

計算可能局所フルエンスを維持するには、星面固定のピンポイント照射長期間続ける技術必要です(惑星自転・公転補償を含む)。

3 自己複製高分子化学ハードル

実験室では、光増感剤・金属触媒・高モノマー濃度・温度制御・不揮発性溶媒などを組み合わせて、“光駆動オートカタリック”系を辛うじて作れますしか

となると、自己複製ポリマー勝手形成される例は知られていません。紫外線DNA を損傷するような単純光化学は、複雑な自己組織化とは逆方向に働くことが多いです。

4 倫理惑星防護

将来もし技術的に可能になっても、未知の生態系への干渉汚染は国際ガイドライン(COSPAR 等)で強く規制されるはずです。

まとめ



もし地球外に自己増殖システムを届けたいなら、

といった“物質込み”の戦略の方がまだ実現可能性が高いでしょう。

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