例えば、太平洋において事態が起これば、フォースプロバイダー、練度管理責任者たる軍令部総長が南方軍という部隊を大元帥陛下に提供する。
南方軍司令官は大元帥陛下の指揮命令を受け、フォースプロバイダーである南方空軍司令官、南方陸軍司令官、南方艦隊司令官から提供された隷下部隊をフォースユーザーとして運用する。
ここで注意が必要なのが、南方軍司令官と南方艦隊司令官が同一人物であるからと言って、南方艦隊司令官がフォースユーザーとなるわけではないということ。
例え、その職に就く人物が同一であっても、あくまで南方艦隊司令官はフォースプロバイダーであり、南方軍司令官がフォースユーザーである。
複数の職を兼任する軍人の部下は書類作成時、常にこのことに気を配らねばならない。
例えば、北方軍司令官は北方陸軍司令官とはてな国統監を兼ねている。
はてな国統監ははてな軍、はてな国境警備隊のフォースユーザーである。
しかし、はてな統監は北方軍においてフォースユーザーでもフォースプロバイダーでもない。
あくまで、はてな国の利益、防衛のために北方軍司令官に対して武力行使を要請できるというだけである。
このような指揮命令体系の原則については、士官候補生学校、各士官学校、軍令部大学校で繰り返し扱われる科目であるが、高位の将官のもとで働くスタッフたちほど職務に忙殺されこのことを忘れがちである。