「保税倉庫」を含む日記

■トランプ書簡で日本車に追撃関税──完成車27.5％＋部品25％、最大35％

ニュースソース

• https://www.reuters.com/world/asia-pacific/trump-says-will-impose-25-tariffs-japan-south-korea-2025-07-07/
• https://www.federalregister.gov/documents/2025/04/03/2025-05930/adjusting-imports-of-automobiles-and-automobile-parts-into-the-united-states

書簡のポイント

• 2025年7月7日未明、トランプ大統領が日本の首相宛て書簡を Truth Social に公開。
• 書簡は「8月1日から一律25％を課す」「日本が報復関税を行えば追加で5〜10ポイント上積みし最大35％へ引き上げる」と通告。
• すでに発動中のセクション232追加関税（完成車・主要部品25％）とは“別枠”であると明記。

関税スキーム（日本向け自動車関連）

• 完成車（乗用車・ライトトラック）：MFN2.5％＋追加25％＝実効27.5％（2025年4月3日適用済み）
• 主要部品（エンジン、シャシー、ADAS等）：MFN＋25％（2025年5月3日適用済み）
• 非指定部品・周辺品目：書簡により8月1日から新たに25％
• 上乗せ条項：交渉決裂・報復時は完成車・部品とも最大35％へ引き上げ可

日本メーカーへの影響

• トヨタ／レクサス：年約130万台輸出、追加25％で約91億ドルコスト増。値上げとケンタッキー・テキサス拡張投資を並行。
• 日産：米輸入比率42％、年間38億ドル吸収が必要。アラバマEVラインの前倒し検討。
• マツダ・スバル：輸入依存度80〜100％。関税上昇分を価格転嫁しにくく、利益率急降下。
• 全社共通：北米現地生産比率70％超を2027年KPIに設定し直し。

サプライヤーへの波及

• Tier1（電池・電子）：関税分の負担帰属を巡りOEMと再交渉。デンソーはテネシー新工場を前倒し。
• Tier2/3（金属加工・ハーネス）：為替ヘッジと短期資金調達コストが跳ね上がり、連鎖倒産リスク。
• 物流：8月1日前の“駆け込み”で港湾混雑、保税倉庫費用が上昇。その後は急減で稼働率低下。

まとめ

トランプ書簡は「25％は最低ライン、交渉が不調なら35％へ」という恫喝であり、1980年代の輸出自主規制を彷彿とさせる。日本企業は（1）米国内生産・調達率の加速、（2）価格シナリオの複数立て、（3）農産物・防衛装備を含む包括パッケージ交渉──の三正面で対処しなければならない。サプライチェーン全体が関税と資金コストのサンドイッチを受ける構図であり、迅速な現地化と資金繰り対策が生存条件となる。

追加情報

• ホワイトハウスは「今回の一律25％は自動車・自動車部品の232追加関税（27.5％／25％）と鉄鋼・アルミ50％に上乗せされない」と説明。
• 相互関税の一時停止期限は7月9日から8月1日に延長され、交渉猶予が約3週間伸びた。
• ただし交渉が不調に終わった場合、上限35％への引き上げや輸入数量枠導入の脅しは残存しており、現地化投資の前倒し圧力は継続。

ソース

https://www.asahi.com/articles/AST775J7BT77UHBI00BM.html

Permalink | 記事への反応(2) | 06:00

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