2025年11月24日号
誌面ビューアーで読むINDEX

PART1
ROICや「社内アクティビスト」が企業を変える 味の素を救った会計改革 規模追求から効率重視に
想定外の事態やアクティビストからの攻勢などの危機の際、会計改革は武器になる。味の素や電線大手のフジクラは膨らんだ資産の減損計上から効率追求にシフトした。聖域なき改革に向け、社内にアクティビスト視点を持ち込む企業も増えている。

DATA
成長企業を独自調査 最重視する会計指標 ROIC派が最多の12社
成長企業50社が最重視する会計指標を独自に調査した。最多の回答は12社が選んだ投下資本利益率(ROIC)だった。投資家への結果を意識し自己資本利益率(ROE)も9社が選んだ。

PART2
経営を揺さぶる会計基準改訂 次はリース、のれんの波 M&A重視でIFRS移行も
米国・国際会計基準に寄せるような日本基準の相次ぐ改訂は経営を揺さぶってきた。過去には減損損失が出るケースもあった。次の波は2027年のリース会計変更だ。のれん償却の見直し議論も浮上、M&A重視で国際基準に変える新興企業もある。

PART3
「右腕」になる財務人材、脱エクセル 進化する「経理部」 人事・デジタルの中核に
デジタル化や脱炭素など、企業は課題への対応が常に求められている。それを受け、経費精算や決算を担ってきた経理部にも変革の波が押し寄せる。経営判断を支えるパートナーとしての役割が求められるようになってきている。

EPILOGUE
レゾナックを変えた髙橋社長の先見 会計が向かう「過去から未来」
日本の会計は過去実績だけでなく将来を予測する「見積もり会計化」してきた。リスクを見据え、企業の実力・健全性の開示を求める会計は経営者の役割をも問う。
![[特集解説]味の素を救った会計改革 「ROIC」経営とは?](https://cdn-business.nikkei.com/atcl/gen/19/00419/112500215/s800.jpg?__scale=w:240,h:180&_sh=0d0f804e03)
特集インサイド
[特集解説]味の素を救った会計改革 「ROIC」経営とは?
11月24日号特集「会計で強くなる」の読みどころを、担当した八巻高之記者が解説する。
PROLOGUE
AIリーダーズ100 特別編集版
第2特集
人

経営者リレー対談
東宝 松岡社長 VS 高島屋 村田社長「常識超えた『国宝』リアルが生む体験価値」
「東宝にとっては通常の判断として制作を断念しました。つまり通常の判断基準を超え、本来だったらやってはいけないことを突き詰めると、これまでに見たことがない素晴らしいものが出来上がる。そこにお客様が反応したと思っています」。東宝の松岡宏泰社長は、「兄貴」と慕う高島屋の村田善郎社長との対談で、大ヒットしている映画「国宝」が誕生したいきさつを語った。

経営教室
サイボウズ青野社長の経営教室「100人100通りの働き方を考えよ」
「100人100通り」の対応で働きやすい会社の代表格となったサイボウズ。だが、約20年前には離職率が27%を超えるブラック企業だった時期もあった。社員の働きやすさを保ちながら、組織の効率性も高めるその手法とは。
連載

連載小説「二宮損得」
長年のぬるま湯で人は努力を忘れる。だが食うためには働かねばならぬ
金次郎が治める下野国芳賀郡桜町領は、3つの村から成る。東沼村、物井村、横田村である。あわせて村高4000石。村高とは、生産高を示す公定の数字である。あくまでも公定なので実際の取れ高とおなじではないが、とにかく村人たちは、この数字をもとにして年貢を賦課される。

悪人の言い分
吉良上野介が受けた「風評被害」は日本史上最大ではないか
江戸時代の幕府旗本で、「赤穂事件」に巻き込まれた吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしひさ)。江戸城内松之廊下で播磨・赤穂藩藩主の浅野内匠頭長矩(あさのたくみのかみながのり)に突然、斬りつけられ、その1年後には赤穂の浪士たちに屋敷へ乗り込まれて討たれ、お家も取り潰されてしまいます。彼は本当に、悪人だったのでしょうか。

BOOK
江上剛氏が読む『90歳、男のひとり暮らし』 長寿を生きるには教養が必要だ
先生が、介護の末、奥様を亡くされ、一人暮らしをされていると週刊誌で知り、さっそく本書を購入した。大作家の先生がリュックを背負い杖をつきつきスーパーに食材を買いに行く。店員に褒められる。ほかにやってくれる人がいなければ「仕方がない」。本の随所に、この「仕方がない」という諦念のつぶやきが登場する。長い人生の間に変なプライドが瘡蓋(かさぶた)のようにこびりついている。先生は「仕方がない」と思うことであっさりと瘡蓋を剝がす。何か大きな力に自らを投げ出した達人の域である。
世界鳥瞰
時事深層

プロの洞察(経済安保)
日本の宇宙予算「10年で3倍に増加」 政府依存から脱し世界市場に挑め
衛星通信などを含む宇宙関連産業は、防衛や安全保障の観点から各国で重要度が増している。世界的に市場が拡大しつつあり、日本政府も関連予算を増やしている。だが、国際関係に詳しい地経学研究所所長の鈴木一人氏は「グローバル競争を見据えれば、政府予算に依存する構造には課題がある」と警鐘を鳴らす。

HUMAN CAPITAL
売り手市場の新卒採用、囲い込みに妙手 福利厚生、内定者も対象に
内定者に対し社員と同等の福利厚生を提供するサービスがじわり普及している。サービスを導入したイトーキや大成建設は「内定者との関係づくりに役立つ」と手応えを感じている。人的資本投資の一環として定着するかもしれない。

RISK MANAGEMENT
積水化学はSPR工法や無人化で活路 八潮型陥没、1年以内対策に危機
八潮市の道路陥没でインフラ危機が露呈した。周辺住民の日常はいまだ戻っておらず、賠償リスクも浮上している。高リスク区間の75kmは「1年以内」の対策は困難と見られ、劣化リスクが残る可能性がある。積水化学は無人化技術の研究加速で、高水位下での長時間施工の実現を目指す。

POLICY&RULES
人口減少問題に警鐘を鳴らす増田寛也氏 政府は今度こそ司令塔の設置を
少子化に歯止めがかからず、日本の人口減少が加速している。2024年の日本人の出生数(確定数)は68万6173人で、国の想定より15年早く少子化が進む。人口減少対策に取り組む民間組織を新たに立ち上げ、共同代表に就いた増田寛也元総務相に今後の活動方針などを聞いた。

COMPANY
名物「299円かつ重」は343円に値上げ トライアル、小型店を都内初出店
ディスカウント店大手のトライアルホールディングス(HD)系の小型店が東京都内に初出店した。イオン系の小型スーパーやセブンイレブンなどとの激戦も予想される中、「低価格」や「出来たて」の商品で勝機を探る。ただ都内は人件費も賃料も高く、難路が待ち受ける。
EPILOGUE

ニュースを突く
高市早苗政権の誕生 「初の女性首相」過渡期ゆえの批判
日本で初めて女性首相が誕生した。画期的な出来事だが、一部で批判の声が上がるのは、我が国の女性参画が過渡期にあるからだろう。

編集長の視点/取材の現場から
会計も野球も「かち」で評価
企業会計は収支や財務の状況を客観的に示すモノサシですが、実際は時代やルールによって解釈や重み付けはころころ変わってきた歴史があります。単独から連結へ、簿価から時価へ、規模から効率へ。評価軸が変われば経営の在り方も変わり、適合できた企業とそうでない企業の市場価値の差が広がっていく。

賢人の警鐘
イアン・ブレマー氏「ニューヨーク市長選でマムダニ氏が勝利。米国で左派ポピュリズムが台頭へ」
11月4日、米ニューヨーク(NY)市長選で「民主社会主義者」を自称するゾーラン・マムダニ氏が勝利した。超若手であり、左派であり、草の根のポピュリストだ。従来の米国の政治風景からすると相当異質な存在であることは間違いない。右派のポピュリズム、つまり「トランプ現象」への反動として出てきた面もある。























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