2025-10-28

anond:20251027190024

防衛大学校というのは、つくづく奇妙な温室である

国家若者をそこに閉じ込め、汗のひと滴まで規律に換え、忠誠と理屈を教えこむ。

だが、そこで育った者が社会という現実荒野に放たれたとき

その多くは途端に風に晒された絹糸のようにほどけてゆく。

はてなの人々が軽々しく「元自衛官」と呼ぶ者たちは、たいてい曹士である

任期を終えて静かに去った「満期退職組」――彼らは敗者ではない。

戦後民主国家における、もっと健全兵士である

短期兵役を己に課し、静かに去る。

それは古代ローマにおける市民兵の矜持にも似ている。

「お勤めご苦労さまでした」と一礼し、

「戦が起これば、また呼んでくだされ」と笑う、その明朗さ。

これこそ“日本的健全”の一種である

――ところが、である

その一方で、元防大卒の「増田」氏とやら。

この男は、幹部候補として国費を投じて育てられながら、職場という小さな戦場で立ちすくみ、やがて退却した。

国費によってこれでもかと手厚く育てられ、

幹部候補として飾られた若者である

それが、社会という小戦場に出て三日と持たず、敗走した。

いかにもまずい。これは、かなりいただけない。

教育隊とはわけが違う。

彼らには、徹底的な庇護と手厚い育成が施されている。

実地でも教育が主、失敗しても大目に見てもらえる立場である

現場の老曹らは、陰に陽に彼らの尻拭いをしながら、「まあそのうち慣れるやろ」と呟く。

それを、この男は「部下が嫌味を言ってくる」と嘆いたらしい。

――ああ、これを俗に「空気が読めぬ」と言う。

武士世界でいえば、戦場に出て槍を持たぬ侍である

言葉けが勇ましく、背後には誰もついてこない。

――はてなの皆さん。

この男は、諸君らが想像する「誠実で勤勉な元自衛官」ではない。

税金で温室栽培されたのち、自ら花を枯らした哀れなドロップアウトである

それを自嘲気味に「禊ぎ」などと言っておるが、要するに甘えである

国家に保育され、ぬくもりの中で自己を信じすぎた、

ある種の“近代の徒花”である

彼の失敗は、個人怠惰ではない。

戦後日本という“やさしすぎる文明”が生んだ病理なのだ

彼は、おそらく叱られたかったのだろう。

甘えるな」と誰かに言われ、

それを禊ぎとして再出発する――そんな芝居を待っていた。

だが、現代はもう、そんな舞台を用意してはくれぬ。

ならば、明日から励め。

地頭がよいというのなら、せめてその才で汗を流せ。

さもなくば、君はこの国のどこにも居場所を得ぬだろう。

歴史とは、こうした小さな“敗北者”たちの山に、

やがてひとつ文明を築いてゆく。

そして、その文明の片隅に、彼の名もまた、

しずかに風化していくのである

地頭は悪くないらしい。

ならば、明日からせいぜい励むがよい。

この国は、そういう「やり直し」に対しては、まだいくらか優しいのだから

記事への反応 -
  • 私は中学を卒業して陸自の生徒となり、防衛大学校、航空自衛隊幹部候補生学校を経て航空自衛官となりました。 長年憧れていた職に就くため、任官後もほぼ全ての期間を教育に費やし...

    • 防大卒の奴は使えないよ。 はてなの連中が言う「元自衛官」は曹士のことでしょ? んで大部分は満期退職組。 満期退職は別にドロップアウトではないんだよね。 短期雇用の雑用係とし...

      • 防衛大学校というのは、つくづく奇妙な温室である。 国家は若者をそこに閉じ込め、汗のひと滴まで規律に換え、忠誠と理屈を教えこむ。 だが、そこで育った者が社会という現実の荒野...

    • P免か 税金も人生も無駄になったな お疲れ様やで

    • おつとめ、ご苦労さまでした

    • 元自衛官で再就職してる奴なんかいっぱいいるんだからそんな気にすんな 体力は自信あります(ドヤッ)って顔してればいいって

    • 氷河期世代が聞いたら「嫌味かキサマ」と思われるよ。

    • 元自衛隊って割と前科者、犯罪者、ホームレス、生活保護受給者が多い 元増田がそうならないよう祈る

      • それは衣食住タダに惹かれて入隊した任期付の士では?

        • そんなことないよ 曹士のほうが力仕事とかに従事して生活できてる 西成区のホームレスの99%は防大卒なの知らないの? 途中で辞めた尉官・3佐止まりの若手元自はホームレスになる 一佐...

    • 「かつての仲間」には会った方がいい 絶対後悔するぞ

      • これ。 気負うのは会う前だけ。会ったらなんてことない。脱獄した訳じゃないからちゃんと会っておけ。

    • 心配してくれたり連絡をくれるかつての仲間というのは、会わないとそれはそれで不定期的に想いを伝えるべきだったなとふと思って後悔するので人生の軽い枷になる コメダでもいいの...

    • 第一空挺でレンジャーまでいった人が自衛隊やめて就職したあと、鬱で退職くり返しててショックだったな。なんかこういい就職先ないんかな?結局営業ソルジャーみたいなのしかない...

    • 増田にはなるべく早めに死んでほしい AIならなおのこと

      • 人間って自分が言われたことある悪口を人に言うらしいな

    • 自衛官時代に免許とってないの?

    • それが無駄かどうかは今後の生き方次第でしょ そもそも例として言ってる 「10代で重大犯罪を犯して10年間刑に服した」こういう人は贖罪をしてたわけで10年無駄にしたわけではない 無...

    • 大半の10代20代は無意味な人生を送ってる 必要性を感じない仕事に寿命を削って、面白くもないショート動画に時間を浪費してる 何かやろうったって金も時間も、何なら体力すらないん...

    • ところが30代まではギリギリ人生回復できるんだよなぁ 40半ばも超えて10代20代30代のころと境遇がなーんにも変わってなかったら、、、そこからあとは死ぬまで消化試合です

    • 28歳でようやく博士号を取得した僕も同じような心境です

    • 10代20代をYouTubeやTikTokの情報に右往左往される人生よりはいいと思うよ

    • >辞めた手前、心配してくれたり連絡をくれるかつての仲間には会いづらく これが感じる原因だろ嫌じゃないなら普通に会えよ

    • 大学中退後14年ほぼ無職して1年働いてまた無職に戻ったワイに比べればヘーキヘーキ 元増田はんの未来は明るいでガハハ

    • 自衛隊でやれてたなら、民間企業なんてどこいってもやってけるよ

    • かつての仲間と疎遠になるとマジで10代20代が無駄だったことになるぞ。人脈も遺産や

    • こっちの世界では弱みをうまく見せて人に頼るのが生き残るための術だからな。 完璧でなくてもルールから多少逸脱しても別にいい、みたいな場面も多々ある。そんなことよりコミュニ...

    • はてなーのカス共ごときに「大丈夫だよ。P免くんにも立派な経歴があるからね」とヨシヨシされてるの地獄すぎるね。 同期は40の頃には確実に年収10000万円だけど、こっから元...

      • 言葉のナイフ研ぎ澄まし過ぎィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーー!!!!!

      • つるぎのまいを3詰みかな?

    • 親御さんには、高校へ行かずそっちに進むとき何か言われなかったのかな

    • 防衛大学校を出た以上は3尉以上と思われる 当然曹長よりも上 直属の部下とあるので立場も上だろう 階級も立場も下の人間から嫌味を言われるたり、退職まで追い詰められるってのは相...

      • 軍隊ですべてを超越して白眼視される理由第1位「地図が読めない」 愛嬌があってもフィジカルエリートがあってもそれだけで終わり 適性検査で弾かれるはずだけど時々混入する。全て...

    • 退職したとはいえめちゃくちゃ体力と根性がありそうだし、そういう人は社会で重宝されるよ

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