手間もコストもかかる、参加者のエンゲージメントが高まらない……

ウェビナー運営のバタバタを解消したい その悩みにZoomソリューションが応えます

文●大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ZVC JAPAN

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 近年、企業が開催するウェビナー(Webセミナー)やオンラインイベントは、すっかり世の中に定着した。だが、運営する担当者の側は、さまざまな「悩み」を持っているのではないだろうか。

 Zoom日本法人(ZVC JAPAN)でウェビナー/オンラインイベントソリューションを担当する大西慎二氏は、ウェビナーやイベントを頻繁に実施している企業の担当者ほど、難しさを感じているのではないかと語る。

 「すでにウェビナー開催には慣れていて、ノウハウも持っている。でも、開催するたびに労力もコストもかかり、参加者のエンゲージメントはなかなか高まらない、過去の膨大なコンテンツも活用できていない――。そんな悩みです」(大西氏)

 そうした悩みを1つのツールでコンパクトに解決するのが、「Zoom Webinars」や「Zoom Events」といったZoomのソリューションだ。今年8月にはここに、ウェビナーの運営効率化機能を強化した「Zoom Webinars Plus」も加わった。

 このソリューションを使うことで、ZVC JAPANでは、参加者2000名規模のウェビナーを1人の担当者で運営できているという。効率的で参加者の満足度も高いウェビナー/イベントを実現するZoomソリューションの特徴や機能を、大西氏に説明してもらったのでまとめてみよう。

ZVC JAPAN Zoom Eventsスペシャリストの大西慎二氏

3種類のウェビナー/イベントソリューションをラインアップ

 Zoomのウェビナー/イベントソリューションには、「Zoom Webinars」「Zoom Webinars Plus」「Zoom Events」の3つがラインアップされている(以下それぞれ、Webinars、Webinars Plus、Eventsと省略)。

3つのZoomウェビナー/イベントソリューション

 3つのソリューションはいずれも、Zoomのグローバルなクラウドプラットフォームを利用して、数万人規模 ※注の参加者に高いクオリティの音声/映像を配信することができる。

※注:Webinarsでは最大5万人、Webinars PlusとEventsでは最大10万人(イベント参加者数が10万人を超える場合も、事前にZoomとの調整を行えば対応可能)。

 それでは違いはどこにあるか。まずは「対応するウェビナー/イベントの開催形態」の部分だ。Webinars/Webinars Plusと、Eventsとの間には大きな違いがある。

 Webinars/Webinars Plusでは、単一セッションのウェビナー開催となる。イメージとしては、会議室などで行うセミナーのオンライン版だ。一方、Eventsを利用すれば、複数セッション(複数トラック)を同時進行したり、複数の日をまたいで開催したりすることができる。こちらは、コンベンションセンターなどで開催する大規模イベントのオンライン版というイメージだろう。

 さらにEventsでは、参加者体験についても大規模イベントに近いものが提供できる。まず、「登録ページ」と呼ばれる参加希望者向けのランディングページを用意することができる。この登録ページは、あらかじめ用意されたパーツをドラッグ&ドロップするだけで、ノーコードで作成できる。運営担当者自身で簡単に作成/修正ができるので、制作を外注する必要がなく、時間もコストも抑えられる。

登録受付のランディングページ(登録ページ)は、パーツをドラッグ&ドロップするだけでカスタマイズできる

 登録済みの参加者がログインすると、イベント会場のロビーにあたる「ロビーページ」が表示される。ここでは配信中の各セッションを視聴できるほか、「バーチャルEXPO」でイベントスポンサーの仮想ブースを訪問したり、「ネットワーキング」機能で他の参加者や登壇者と交流(チャット)したりすることが可能だ。

 なおイベント会期の終了後は、このロビーページを使って、登録者限定の見逃し配信(オンデマンド配信)も行える。ライブ配信時のビデオがZoomのクラウドに保存されており、これをそのまま配信できる仕組みなので、ほかの配信サービス(YouTube)などに再アップロードする必要はない。効率的かつ短期間で、見逃し配信をスタートできる。

Webinars Plus:「運営効率化」「エンゲージメント向上」の機能をプラス

 それでは残りの2つ、ウェビナー向けのWebinarsとWebinars Plusはどう違うのか。

 Webinarsは、ベーシックなウェビナー配信機能を提供するプランだ。参加登録ページを用意できるほか、ウェビナー開催中の「チャット」や「Q&A」、開催後の「簡易レポート(参加者分析)」といった機能を備える。初めての参加者でも迷わないシンプルなUIも特徴である。

 こうしたWebinarsの基本機能に「より効率的な運営」や「参加者のエンゲージメント向上」を支援する機能をプラス(追加)したのがWebinars Plusだ。追加機能でどんなことが実現するのか、ウェビナーの開催前/開催中/開催後のフェーズに分けて、具体的に見てみよう ※注。

※注:以下で紹介するWebinars Plusの追加機能は、上位プランのEventsでもすべて利用できる。

ウェビナー開催前:準備段階が1つのツールで完結する手軽さ

 Webinars Plusでは、ウェビナー参加登録者の管理機能が強化されている。たとえば「参加登録者への一斉メール配信機能」を内蔵しているので、「ウェビナー前日のリマインドメール」の送信作業を、ほかのツールを使わず簡単に行える。さらにこの機能は、「ウェビナー終了後のサンクスメール」「見逃し配信開始の案内メール」などにも使える。

 ウェビナー配信画面をデザインできる「プロダクションスタジオ」も用意されている。複数のカメラ映像やスライド映像を自由に配置した複数のレイアウトを準備しておき、配信中にリアルタイムで切り替える機能だ。ウェビナー中に単調な画面が続くと、退出者も増えがちであり、画面の切り替えは大切だ。

 なお、プロダクションスタジオはクラウド上で映像処理を行う仕組みであり、画面レイアウトの切り替え操作もクリックひとつで済む。そのため、ハイスペックな配信用PCや、映像ミキサーなどの特別な機材、さらには映像専門のスタッフなどを手配する必要がなく、コストが大幅に抑えられる。

「プロダクションスタジオ」を使えば、配信映像の自由なレイアウトやスイッチングができる

ウェビナー開催中:疑似ライブ機能で“運営のワンオペ化/無人化”も可能

 一般に、ウェビナー当日の運営には多くのスタッフが関わることになる。必要なスタッフの数をなるべく減らし、効率化する方法はないか。

 たとえば、同じ内容のウェビナーを繰り返し開催するような場合は、Webinars Plusの「疑似ライブ」機能を使うことで、運営スタッフ数を減らすことができる。この機能は、開催日時を指定したウェビナーの形式をとりながら、事前に収録したビデオをリアルタイムに配信する機能である。つまり2回目以降のウェビナーは、1回目に収録したビデオを配信するだけで済む。

「疑似ライブ」機能の設定画面

 ただ、収録済みビデオを流すだけならば、見逃し配信(オンデマンド配信)と変わらないとも言える。そこで、参加者に“ライブ感”を提供するために、疑似ライブとライブ配信とを組み合わせることもできる。たとえば、講演やプレゼンのパートは疑似ライブ(収録済みビデオ)で行い、Q&Aや討論のパートはライブで行う、といった工夫ができるだろう。

 ほかにも、時間厳守で持ち時間をオーバーできないケース、話す内容を絶対に間違えられないケースなどでも、事前収録ができる疑似ライブ機能が活用されているという。また、運営負担も大きく減らせるので“ワンオペ運営(1人での配信)”や“無人運営(ビデオの予約配信)”を行い、ウェビナーの開催頻度を増やすことも可能だ。

 参加者のエンゲージメントを高めるためには、Webinars Plusの「ブレイクアウトルーム」機能も役に立つ。ウェビナー本編の終了後、参加者がブレイクアウトルーム(小部屋)に移動して、より詳しい質疑応答や議論を行える仕組みだ。聴講するだけでなく、実際に登壇者と会話ができるウェビナー体験を通じて、エンゲージメントは自然に高まるはずだ。なお、同時に複数のブレイクアウトルームを用意することもでき、1つのブレイクアウトルームには最大5000人が参加できる。

ウェビナー開催後:生成AIで「サンクスメール」「レポート記事」を迅速に書く

 ウェビナー開催後には、参加者へのサンクスメールや、要点をまとめたレポート記事などを配信するだろう。そのアクションは早いほうが効果的だが、メール文面やレポートの作成はどうしても時間がかかりがちで悩ましい。ただし、Webinars Plusには「AIコンテンツ作成」機能が用意されている。生成AIに手伝ってもらえば簡単、迅速に、クオリティの高いコンテンツが準備できる。

 この機能では、ウェビナー内容のキーポイントを自動で要約したり、メールやSNSへの投稿文を作成したりすることができる。さらには「ブログ記事」「営業資料」「社内向け要約」などの形式でもまとめられる。文章量もワンクリックで調整可能だ。参加者に迅速なアクションを取ることで、エンゲージメントがさらに高まる。

「AIコンテンツ作成」機能で、収録済みのウェビナーからさまざまなタイプのコンテンツを自動生成できる

AIが手早く要約してくれれば、その後のアクションも迅速に実行できる

 Zoomのクラウド上に蓄積されたビデオコンテンツを、「ビデオチャンネル」というWebページにまとめ、そのURLを送付してオンデマンド配信で視聴してもらうことができる。たとえばシリーズ形式のウェビナーであれば、過去の回にさかのぼって視聴したい参加者もいるはずだ。

 Webinars Plusは、「ウェビナー参加登録者の分析」機能も備えている。たとえば「ウェビナーの最後まで参加し、アンケートにも回答した」「ライブ配信後、何度もオンデマンド配信を見返している」「過去の回にさかのぼって視聴し、配布資料もダウンロードしている」といった、エンゲージメントの高い参加者を抽出することもできる。こうしたデータは、その後のフォローアップ施策に活用できる。

 なお、Webinars Plusで収集した参加者データは、「Pardot」「Marketo」「HubSpot」などのマーケティングオートメーションツール(MAツール)とも連携できる。より効率的で高度なマーケティング活動が実現するだろう。

 ウェビナーのデータは、コンテンツ(ウェビナー内容)の改善にも役立つ。たとえば、ウェビナー中の退出者が増えたタイミングを可視化できるので、そこから原因を分析して、コンテンツを見直せばよい。

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 なお、Webinars Plusのリリースに合わせて、ウェビナー/イベント開催のサポートを行うパートナーも強化が図られたという。Webinars PlusやEventsの新規導入支援から、ウェビナー/イベント開催の人的サポートまで、日本語で対応できるという。大西氏は、「特に数万人規模のイベントを開催する場合は、ぜひこのサポートを活用していただければ」と語った。

 「今回ご紹介したとおり、Zoom Webinars PlusやZoom Eventsでは、運営者の皆さんの悩みを解決する機能を、Zoomプラットフォームにギュッと凝縮してご提供しています。ウェビナーの開催前から開催後まで、1つのプラットフォームで完結するようになっていますから、ぜひご活用いただきたいですね」(大西氏)

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