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新聞を読む。正確には、めくる。読むのは一部だ。見出しに目をとめる。文章の全体を視界に入れる。二秒... 新聞を読む。正確には、めくる。読むのは一部だ。見出しに目をとめる。文章の全体を視界に入れる。二秒あれば自分に必要な記事かそうでないかがわかる。この作業をはじめて二年目、われながら手慣れたものだ。わたしはそれを読む。わたしははさみを手に取る。わたしはそれを切り取る。「十二歳も十四歳も信じよう」。作家のコラム。子どもによる殺人事件を受けて、年齢で区切った名付けをするべきではないという内容。わたしも十四歳だ。何冊目かのファイルはすでに厚くふくれあがってごわごわしている。わたしは新聞のインクのついた指をぬぐい、それからベッドに横たわる。ファイルを胸の上に置く。新聞記事、ときどき雑誌の記事、たくさんあってうれしい。 わたしはやさしさについて考えていた。ずっと考えていた。いつからか覚えていない。やさしいというのはごはんを作ってくれることではない、とわたしは思った。十歳くらいだったと思う。やさしいという
2017/12/31 リンク