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同じ「武士の政権」なのに、織田信長や豊臣秀吉、平清盛の政権を「幕府」と呼ばず、鎌倉・室町・江戸の政権のみを「幕府」と呼ぶのはなぜなのか? ――この素朴な問いにこそ、700年にわたって日本史の主役だった「武士の本質」と「近代日本の自画像」が投影されている、と、新刊『〈幕府〉の発見 武家政権の常識を問う』(講談社選書メチエ)の著者・関幸彦氏はいう。この「日本史の常識」はどのように生まれたのだろうか。 単なる「言葉の問題」ではない――新刊のタイトルにある「発見」とはどういう意味でしょうか? 関:NHKの大河ドラマを見ていると、ある時期から、劇中の人物は時の政権を「幕府」と呼ばなくなりましたよね。「ご公儀」とか「公方(くぼう)様」、あるいは「鎌倉殿」と言っている。当時の人は「幕府」と呼んでいなかったということは、現在ではかなりよく知られるようになっているわけです。 では、いつから、誰が、なぜ「幕府
通訳カテゴリで即1位を獲得「こんなに速くて正確な同時通訳ができるとは!」 9月12日にあるアプリが配信されて以降、ネットに驚きの声が溢れかえった。その名は「CoeFont通訳」。最新のAIを使って開発された翻訳ツールだ。 マイクに話しかければ、ボタンひとつで英語に翻訳してくれるアプリはいくつも生まれている。本記事を執筆している記者は、英会話教室に3年間通っており、勉強がてらいくつもの翻訳アプリを試してきたが、CoeFont通訳の速さ・正確性は頭一つ抜けている。 どんな音声でも聞き取り、瞬時に翻訳するこのアプリを使ってみて、正直、「もう教室に通う必要はないな……」と思ってしまったほどだ。評判が評判を呼び、配信直後にApp Storeの通訳カテゴリで1位を獲得した。
人間をしのぐほど強くなり、棋士にとっても研究をするうえで欠かせないツールとなったAI。一方で、AIがはじき出す「評価値」に、棋士たちが縛られている現状が問題となっている。そんな「評価値ディストピア」の時代において、どう光を見いだしていけばよいのだろうか? ※本稿は、村瀬信也(書き手)・木村一基(話し手)『50代、それでも戦い続ける』の一部を再編集したものです。 棋士にとって必須ツールになったAI将棋はアマチュアにとって、局面の優劣やどの手が最善手なのかを理解するのが難しいゲームだ。 しかし、近年はAIがそれらをわかりやすく示してくれるようになった。テレビやインターネットの中継で、着手の直後にAIが形勢逆転を示すと、視聴者の驚きのコメントが画面の中を駆け巡る。中継の進化はファンの増加にもつながった。 Photo by iStock 人間をしのぐほど強くなったAIは、棋士が普段研究する上でも欠
松本人志氏の単独生配信で華々しくスタートを切った有料配信サービス「DOWNTOWN+(ダウンタウンプラス)」。月額1,100円という価格設定のもと、黒字化を達成するためには、どれほどの有料会員が必要になるのだろうか。そして、この独自プラットフォームがビジネスとして成立するのか、有料動画配信サービスに関わっていた経験から独自に検証してみる。 ダウンタウン+公式Xより引用 黒字化ラインは最低25万人かサービスの収益構造を考察するには、まず「月間の総コスト」を把握する必要がある。最も大きな支出は、松本氏の出演料を含むコンテンツ制作費と、安定的な生配信と動画視聴を支えるプラットフォーム運営費(サーバー、システム維持、人件費、決済手数料など)だ。 業界トップクラスのタレントを起用し、テレビ番組と遜色のないクオリティの企画を継続的に制作する費用、さらに生配信にも耐えうる高負荷なインフラの維持費を考慮す
コンビニエンスストア全国チェーン「ローソン」の業績が好調だ。今年10月15日に発表した2025年3~8月期の連結決算は、純利益が前年同期比10%増の383億円と、過去最高を更新。主に国内コンビニ事業が堅調に伸長した形となった。 ただ、そんなローソングループの中で苦戦を強いられている業態がある。それが店舗の“大量閉店”に追い込まれているという「ローソンストア100」、通称100円ローソンだ。 100円ローソンといえば、従来のコンビニの機能に加えて、肉や野菜などの生鮮食品や生活用品を充実。さらに100円ショップの要素を融合させた業態として、展開当初はその独自性から大きな支持を受けていた。また、おかずを1種類だけに絞ったお弁当「だけ弁当」など、同チェーンならではのヒット商品にも恵まれていた。 ところが、直営店・フランチャイズ合わせて1200店舗以上あった最盛期から一転、年々その数を減らしていき、
もし自分が「日本人最高のIQ」を持っていたら、人生はどれほど順調なのだろう――。そう思う人は少なくない。だが、IQ188という記録で注目を浴びた太田三砂貴(おおた・みさき)さん(30)の歩みは、意外にも遠回りの連続だった。研究の最前線で何を見ているのか。どのようにして「居場所」を見出したのか。静かな口調で、しかし精確に語られた言葉をたどる。 日本人最高のIQ188という記録を持つ太田三砂貴さん 道で拾った服を着ていた「この秋、ポーランド・グロツワフの理論物理大学院を修了し、ひさしぶりに日本へ戻りました。量子コンピュータ企業のインターンや、経済的支援つきの海外博士課程からお声がけを頂いていて、いまは慎重に考えているところです」 9月放送のテレビ番組「超絶マンガ級ピーポー2」(FBS)は、幼少期から大学進学に至る回り道、絵画や作曲の素養、さらには「ポーランドでは拾った服を着ていた」という逸話ま
クマによる人的被害が全国で相次ぐ中、すでに、今年クマに襲われて死亡した人の数は過去最悪の12人にまで上っている(10月30日時点)。一連の深刻な被害を受けて、ついに政府も重い腰をあげ、関係閣僚会議を開催。11月中旬までに緊急のクマ対策パッケージをとりまとめることを決定した。 だが、日夜クマの駆除に追われている猟友会の人間に言わせれば、これまでの経緯も踏まえて「国の対応にはまったく期待できない」という。なぜ彼らはそこまでの不信感を抱くに至ったのか――。 データがすべてではない写真はイメージです/Photo by iStock 以下は、今回取材に応じてくれた、ある猟師の主張だ。その言葉の節々には、熊がどれだけ恐ろしい生き物か、にもかかわらず、これまで甘い対応しかしてこなかった国や自治体への怒りが込められていた。 * 環境省は長年、自然動物保護重視の政策をとり続けてきていました。我々狩猟者の権利
かつて「副業解禁」の動きが注目を集めたのは2018年。あれから7年、働き方をめぐる環境は大きく変わった。物価上昇や賃金の伸び悩み、安定雇用の終焉、AIの進化など、私たちを取り巻く現実はより厳しく、より柔軟な対応を求められるものになっている。 今、副業は“特別な選択肢”ではなく、“生き方の一部”として再び脚光を浴びている。収入補完という現実的な目的と、キャリア拡張・自己実現といった主体的な動きが交錯しながら、副業は個人の働き方を再定義している。──再燃する「副業ブーム」の裏側を探った。 企業と個人を動かした「副業ブーム」の始まり日本で企業の「副業解禁」が関心を集めたのは2017年から2018年にかけてであり、2018年は「副業元年」と呼ばれている。背景には、政府が推進した働き方改革の流れがある。 2017年3月、政府は「働き方改革実行計画」を策定し、その中で副業・兼業を推奨する方針が正式に示
弁護士、医学博士らが「山上被告は単独犯ではない」と指摘…!事件の瞬間、「安倍晋三元首相のマイク」に残されていた「重要証拠」 2022年7月8日、奈良市で街頭演説中の安倍晋三元首相(享年67)が銃撃され死亡した事件。殺人などの罪で起訴された山上徹也被告(45歳)の裁判員裁判の初公判が、10月28日に奈良地裁で開かれた。事件は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への恨みを募らせた山上被告による単独犯行とされ、裁判もその前提で進められていく。 だが、この「定説」に疑問を呈する人々がいる。初公判の前日となる10月27日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いたのは、『安倍元首相殺害事件の真相を究明する会』。彼らが指摘した、歴史的事件の“疑問点”とは――。 前編記事『山上徹也被告は「単独犯」ではない…!『安倍元首相殺害事件の真相を究明する会』の専門家集団が提示した「3つの根拠」』から続く。 【根拠③
「ヨーロッパは自由、人目を気にしない」一方で、「日本は同調圧力があり、不自由」というステレオタイプがある。しかし、ファッションの自由さにおいて見てみると、そのステレオタイプは少し異なることが分かる。 たしかに日本には年齢や社会的地位といった属性によって、その人がするべきファッションをカテゴライズしたがる傾向がある。「丸の内OLファッション」や「就活ファッション」などがその一例だ。これはメディアや、校則などの規則によって刷り込まれたものだ。 一方で、ヨーロッパの人々が本当に自由にファッションを楽しんでいるのか、というとそういうわけではない。属性によるカテゴライズはない代わりに、「この時期には、この状況では、この服装をするのが普通」という同調圧力のようなものが確実に存在する。これはメディアや規則によってつくられたものではなく、「みんながなんとなく同じ系統のファッションをするようになる」という自
1963年に創刊されて以来、「科学をあなたのポケットに」を合言葉に、これまで2000冊以上のラインナップを世に送り出してきたブルーバックス。本連載では、そんなブルーバックスをつくっている編集部メンバーによるコラムをお届けします。その名も「ブルーバックス通信」。どうぞお楽しみください! ©講談社 「圏論」とはなにか「現代数学の最重要理論」とも呼ばれる、「圏論」をご存じでしょうか? 圏論とは、対象(モノ)とそれらを結ぶ矢印(射)からなる「圏」の世界をあつかう数学分野です。その数式は、たとえば下のようになります。 自然変換の数式……何やら難解そうで、今すぐにでも逃げ出したくなりますね。しかし、次のように書いたらどうでしょう? 変換の自然性これなら、なんだか直感的にもわかるような気がしてこないでしょうか。上の図は、とある「ハンバーグ定食」を例に、圏論における自然変換という概念を解説した、立派な「数
日本での公開に先立って本作の試写会とトークイベントがおこなわれた。試写会で本作を見たある男性編集者(35歳・妻子あり)は、やや不適切な感想をもったという。その「不適切な感情」がもつ意味を考える。 ふたつの「不適切な感情」10月中旬にしてはやや暑いある日の夕方、私は東京・渋谷のラブホテル街を歩いていました。映画『女性の休日』の試写会場に向かうためです。 ちょっぴり迷いながら目的の建物にたどりつき、受付ブースで、参加者がもらえる化粧品の試供品をやや戸惑いつつ受け取ると、女性が98%を占める上映会場に入りました。 映画の上映時間は71分。映画を観たあとには、ジャーナリストの浜田敬子さんと、地方での女性のエンパワメントのために活動する小安美和さんによる40分ほどのトークを拝聴しました。 70席はぎっしり。その9割は女性だった。浜田敬子さん(写真右)と小安美和さん(同中央)はアイスランドに取材も行っ
古墳はなぜ造られたのか?巨大化した理由は? 講談社現代新書の新刊『古墳時代の歴史』では、古墳が現れてから古墳時代が終わるまでが編年体で描かれ、そうした謎が明かされている。 本記事では、〈日本の歴史が「大きく動いた」3世紀に「何」が起こったのか?…弥生時代の社会が「一変した」理由〉に引き続き、世界の墳墓と比較した日本の古墳の特徴などについて詳しくみていく。 ※本記事は松木武彦『古墳時代の歴史』(講談社現代新書)より抜粋・編集したものです。 箸墓古墳が築かれる(250年ごろ)ヤマトの巨大マチ纏向が建設されてからしばらく後、その一角に、墳丘の長さ280メートル、後円部の径150メートル・高さ30メートルという巨大前方後円墳・箸墓が現れたのは先述の通りである。それまでの纏向の前方後円墳群を、長さにして約3倍、体積にして10倍以上もしのぐ飛躍的な存在である。 この飛躍は、地元ヤマトの纏向のほか、東は
中国人が日本のモンベルで「爆買い」していると話題だ。 X(旧ツイッター)では「客の半数が中国人」などの書き込みが並び、実際、店舗ではスマホを片手に商品を漁り、“ユルい転売”にいそしむ中国人客の姿が目につく。 前編記事〈なぜモンベルはいつ行っても中国人客ばかりなのか…店舗で目撃した「ユルい転売の実態」〉では、中国経済に精通するジャーナリスト・高口康太氏が実際に現場を訪れ、詳細をリポートしている。 特定のブランド、特定の商品だけがバカ売れする、いわゆる爆買いが沈静化して久しい。 にもかかわらずなぜ、今、モンベルで爆買いが起きているのか? 引き続き、高口氏が解説する。 【2回目/全2回】 中国ではアウトドア系が人気「2024年上半期にモンベルはアークテリクスを倒し、上海中産層の新たなマストアイテムになった」(「“始祖鳥平替”在北上広火了?」『中国新聞週刊』2024年10月30日) 中国メディアの
波乱万丈、紆余曲折…80歳を目前に破天荒な天才数学者が振り返る「人生談」! 「内定取り消し」でお先真っ暗な社会人1年目から「数学」を広めに世界5大陸を駆け回るまで「山」と「谷」に満ちた半生を送ってきた筆者が実践する、身体は老けても全身全霊で余生に向き合う「こころのありかた」とは。 “数学の伝道師”秋山 仁が語る七転八倒の体験的アドバイスが詰まった一冊『数学者に「終活」という解はない』より一部抜粋・再編集してお届けする。 『数学者に「終活」という解はない』連載第1回
180分待ちの区民プール子育てをしている友人が、こんなことをこぼしていた。 「夏に都内某所の区民プールに行ったら、 『180分待ち』だと言われた。 そのプールはすごく安いにもかかわらず、広くて遊べるから人気が高いことは分かっていたけど、400人も待っていて、入場まで180分かかると言われてめまいがした(苦笑)。 区民プールなのに、ディズニーランドのアトラクションくらい待たないといけないって……休日なのに、なんでこんなに疲れるんだろう」 〔PHOTO〕iStock 東京はどんどん暮らしづらくなっている気がする――。 しばしば指摘されることではあるが、私自身も個人的な経験から強くそう思うようになってきた。数年前には、東京、厳密に言えば「都心」で暮らし続けることに閉塞感を覚え、生まれて初めて住民票を東京都から他県へと移し、二拠点生活をしている。 少し前、冒頭の友人の言葉に強く共感した私は、「東京
If you really look closely, most overnight successes took a long time. Steve Jobs (本気でじっくり見てみると、あっという間にできてしまったように見えることのほとんどが、実はすごく時間を掛けて成し遂げられたことだとわかるだろう) スティーブ・ジョブズ(米の起業家、アップルの共同創業者) 91年の2月の終わり頃(当時44歳)、「(その年の)夏にNHK教育テレビで放送する、高校生(受験生)向けの数学講座に出演してくれないか」と、出演依頼が舞い込んできた。 「従来、NHK教育テレビでは、教科書に準拠した数学講座を放送してきたのだが、今年は少し冒険して、今までとはまったく異なる数学講座を視聴者に提供したい」とのことだった。 駿台でやってきた授業を形にして残そうと、『発見的教授法による数学シリーズ』(全7巻)を出版したが
今田美桜、菅田将暉、小栗旬らが「韓国製作ドラマ」に次々出演…!日本の人気俳優が目指す「コリアンドリーム」とは何か 日本人の気俳優が次々と韓国ドラマに出演今田美桜、菅田将暉、坂口健太郎、福士蒼汰、小栗旬……。日本を代表する俳優陣に共通するのが“韓国コンテンツ”というワードだ。いま、日本の人気俳優たちが、挙って韓国ドラマに出演している。 「坂口はイ・セヨンと共演した『愛のあとにくるもの』(クーパンプレイ)で鮮烈な韓国デビューをし、福士はNetflixの新作『この恋、通訳できますか?』で人気俳優キム・ソンホ、コ・ユンジョンらと名を連ねた。小栗もハン・ヒョジュと共演する『ロマンチック・アノニマス』でグローバル配信を控えています。 そして、NHKの朝ドラ『あんぱん』で国民的女優となった今田もまた、“視聴率王子”の異名をとるチ・チャンウクとラブコメで共演します」(芸能プロ幹部) 今田美桜も韓国ドラマ出
10月13日、6ヵ月にわたり開催された「大阪・関西万博」が幕を閉じた。閉幕直前の9月中旬からは連日20万人超の来場者が殺到、総来場者数は2500万人を突破。吉村洋文大阪府知事も「大成功」をアピールした。 しかしその裏で、万博によって窮地に立たされている人たちがいる。海外パビリオンの工事を担当した下請け業者たちだ。なぜ、未払いは発生したのか。現場の悲痛な声を取材した。 前編記事『「大阪万博」の「工事代金未払い問題」はいまだ解決せず…!下請け業者が嘆く「大手ゼネコンはパビリオン建設から逃げ出した」』より続く。 「監督のいない野球チーム」状態アンゴラ館以上に複雑化しているのがセルビア館だ。セルビア館は、フランスに本社を置く「GLイベンツジャパン」から大阪の建設会社「レゴ」へと発注が下り、この「レゴ」が下請け業者に工事を振り分けた。GLとレゴは他にドイツ館も担当していた。 セルビア館の下請け業者・
誰もが知る「関ヶ原の戦い」。 しかし現在語られる「通説」の多くは間違いや創作だった! 講談社現代新書の新刊『シン・関ヶ原』では、「徳川家康は天下を取るために戦いを起こした」「西軍の首謀者は石田三成だった」「勝敗は小早川秀秋の寝返りで決まった」などのこれまでの通説を、170通余りの書状から覆します。 「新しい関ヶ原」が、この一冊から始まる! 本記事では、〈「関ヶ原の戦い」は「家康が天下取りのために仕掛けた戦」ではなかった、と言える「納得の理由」〉に引き続き、「会津攻め」の発端となった、上杉景勝の上洛命令拒否の経緯について詳しくみていきます。 ※本記事は高橋陽介『シン・関ヶ原』(講談社現代新書)より抜粋・編集したものです。 家康は上杉景勝に上洛を要請したこの章からは、当時の書状などの一次史料をもとに、おもに徳川家康の行動を追いながら、慶長5年9月15日までに何が起きたのかを明らかにしていく。
あなたが乗車している都営バスは、黒字?赤字?どれくらい稼げているのか? 2025年10月11日に、東京都交通局から公開された「令和6年度 バス路線別収支」から、営業係数(100円の営業収入を得るためにかかった営業費用がいくらになるかを示す指標)を読み解けば、「どのバス路線が効率的に儲けているか」がわかる。 都営バス・営業係数ランキングTOP10都営バスの車両 いま全国のバス会社は、いわゆる「2024年問題」による労働規制の強化に悩まされ、運転手の確保もままならなくなっている。人件費・燃料費ともに高騰するなかで、通勤ラッシュで賑わうからといって、収益が良いとは限らない。「バス路線の黒字化」という目標は、各社とも遠のくばかりだ。 そんな視点で経営情報を解析していくと・・・都内での「儲かりバス路線」の法則が見えてきた。「ピーク時の利用者の多さ」だけではなく「バス運行の効率の良さ」「朝晩以外の利用
人種差別、経済格差、ジェンダーの不平等、不適切な発言への社会的制裁…。 世界ではいま、モラルに関する論争が過熱している。「遠い国のかわいそうな人たち」には限りなく優しいのに、ちょっと目立つ身近な他者は徹底的に叩き、モラルに反する著名人を厳しく罰する私たち。 この分断が進む世界で、私たちはどのように「正しさ」と向き合うべきか? オランダ・ユトレヒト大学准教授であるハンノ・ザウアーが、歴史、進化生物学、統計学などのエビデンスを交えながら「善と悪」の本質をあぶりだす話題作『MORAL 善悪と道徳の人類史』(長谷川圭訳)が、日本でも刊行された。同書より、内容を一部抜粋・再編集してお届けする。 『MORAL 善悪と道徳の人類史』 連載第145回 『相反する主張が「進歩的な社会批判」を玉虫色に変える…知識人や社会批評家が対立する裏で隠蔽される支配エリートの「資本主義的搾取構造」』より続く 新しい言葉あ
紀伊國屋じんぶん大賞2023大賞『布団の中から蜂起せよ』著者で、アナーカ・フェミニスト、パブリック・ヒストリアンの高島鈴さんによるシリーズ「抵抗のための一人読書会」。 第1回(なぜ私たちは「対話」できなくなってしまったのだろう)から大きな反響をがありました。「イマジナリーフレンド」Qとの読書会、第2回目は「法律」をめぐる回です。どこに向かうのでしょうか? 法律に疲れているQ:今日もなんだか頭を抱えているね。どうしたの? ――なんか、法律って嫌だなあ、と思って。 Q:急にどうしたの……っていうわけでもないか。前回がまさに、死刑制度の話だったもんね。そこから引きずっているってこと? ――それもある。でも、やっぱ自民党総裁選で結局高市早苗が勝っちゃって、あれだけ問題になった裏金議員のことをスルーしている人が総裁って、と思ったら、もう気が重くて。 Q:まあ、あの人たち、まだ裁かれてないもんね。どう
国家級再開発プロジェクトで誕生した複合施設総事業費540億円、延床面積13万平方m——コンビニ650店舗分に相当する巨大複合施設「羽田イノベーションシティ」が、「ゴーストタウン」と化している。 2023年にグランドオープンした同施設は、旧羽田空港ターミナル跡地に整備された。「先端と文化の融合」を掲げる日本初のスマートエアポートシティという位置づけで、ビジネスとプライベート両方で利用できる新たな都市として誕生した。 空港から電車で一駅という好立地で、インバウンド効果も相変わらず続いているのにもかかわらず、なぜ過疎化しているのか?現地を訪れると、その理由が少しずつ見えてきた。 羽田イノベーションシティにある居酒屋。それなりに席数があったが、入っているのは数人だけだった。 まず、ざっくりとこの施設についておさらいしよう。 羽田イノベーションシティは、2010年に国・東京都・大田区・品川区が策定し
本なんてなくとも、必要な知識はAIに聞けばいい――昨今ではそう考える人も増えているだろう。しかしそのような風潮に対して、荒俣さんは警鐘を鳴らす。 現代社会は「即座に答えが出ること」に重きを置くきらいがあります。でも往々にして、すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる。そもそも僕が蒐集していた稀覯本に書かれている知識なんて、ネット上にはそうやすやすと転がっていないから、現在のAIではたどり着くことすら難しいでしょう。 世の流れはAI礼賛に傾きつつあるものの、まだ僕はなんとか抗っていますし、死ぬまでそうありたいと思っている。でも一方で、「大勢には逆らえないんじゃないか……」という不安もつねにある。だからこそ、西南戦争後に福沢諭吉が西郷隆盛を擁護するために書いた『丁丑公論』が、身にしみるんです。 福沢諭吉
しかし残ったもう1万冊は、古本屋に持って行っても買い手がつかないどころか、引き取りすら拒否される始末。最後は処分業者に頼んで、「産業廃棄物」として持って行ってもらうしかないんです。だいたい2万冊くらいを手放して、あとは紀田先生に倣い、マンションの書斎に500冊だけ置いています。 荒俣氏がアドバイザーを務める角川武蔵野ミュージアム[Photo by gettyimages] あくまでも個人的な趣味とはいえ、中には日本に1冊しかないかもしれない貴重な本もありました。ところが公共の図書館でも引き受けてもらえない。大して意味のないハコモノを建てるくらいなら、文化を遺すことに予算をつけてほしいですね。 思えば戦前の人のほうが、文化を大切にする気概はあったのかもしれません。戦時中に日比谷図書館の館長を務めた中田邦造は1944年、空襲から貴重な本を守るために、都内のコレクターから蔵書を買い上げて、約40
作家で妖怪学者の荒俣宏さん(78歳)は、日本有数の奇書の蒐集家としても知られる。『帝都物語』などのヒット作を世に出しながら、世界中の幻想文学の翻訳を手がけ、『トリビアの泉』『出没!アド街ック天国』などのテレビ番組では、博識な解説役として活躍してきた。 今年7月に2万冊もの蔵書の大半を処分して、戸建てからマンションへと引っ越した荒俣氏。半生をかけて蒐集してきたコレクションを手放したことで、肉体的、そして精神的な「死」を見つめているという。 前編記事『約2万冊の大半が「ゴミ」に…知の怪人・荒俣宏が蔵書を処分して感じたこと』より続く。 撮影:岡田康且 「本を持っていることがハンデになる」僕の幻想文学の師匠でもある作家・紀田順一郎先生はかつて、「本を持っていることがハンデになる」と言っていましたが、本というものは、重いし場所を取るし、とにかく厄介な財産なんです。19世紀の稀覯本なんてとんでもなく大
作家で妖怪学者の荒俣宏さん(78歳)は、日本有数の奇書の蒐集家としても知られる。『帝都物語』などのヒット作を世に出しながら、世界中の幻想文学の翻訳を手がけ、『トリビアの泉』『出没!アド街ック天国』などのテレビ番組では、博識な解説役として活躍してきた。 今年3月には『すぐ役に立つものは すぐ役に立たなくなる』を上梓した「知の怪人」がいま、肉体的、そして精神的な「死」を見つめているという。 撮影:岡田康且 2万冊の蔵書を整理する決意今年の7月、30年住んだ戸建てを手放して、妻と2人でマンションの一室に引っ越したんです。不動産の売買自体はうまくいったのですが、何より大変だったのは、2万冊の蔵書を処分しなければならないことでした。 手元に残したのは、本棚3つに収まる500冊だけ。僕が70年以上かけて蒐集した貴重な稀覯本ですら、「ゴミ」になってしまいました。トラックで運ばれていくのを見送りながら、心
「立川」ですべてが完結する東京都西部にある立川駅・八王子駅・多摩センター駅を結んだエリアを「多摩デルタ」と呼ぶ造語がある。 多摩デルタは23区外で都心から離れているにもかかわらず、たくさんの商業施設があり、交通の便もよく、それでいて都心に比べ自然豊かなことから、若者でも一度住むとそのまま長年定住するケースが多いという。 そんな多摩デルタのなかでも、特に近年、人気が高まっているのが立川だ。 JR中央線の主要駅である立川では、この10年ほどで大型商業施設の開業が相次いだ。2014年に『IKEA立川』がオープンし、翌2015年には『ららぽーと立川立飛』、2020年には複合商業施設『GREEN SPRINGS』が開業。街の姿は大きく様変わりした。 新しい施設が次々と誕生することで街の新陳代謝も早く、いまや週末には多摩地域だけでなく都心からも多くの人が訪れる人気の街へと成長している。ネット上では、
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