私たちは日々、「選ぶ」と「選ばれる」を繰り返しています。しかし現代は、選ばれる意味や基準が複雑化し、表面的なテクニックがもはや通用しません。重要なのは、「信頼できる人間力」であり、成長しながら「選ばれる力」を高めることです。本書『選ばれる人の100の習慣』(井上裕之著/日経BP)では、その具体的な方法を紹介します。今回は「選ばれるために自分の土台を整える」をテーマに、本書から一部を抜粋し、お届けします。
人の発言に振り回されそうなときに自問したい「魔法の言葉」

世の中には、気軽に誰かを否定する人がいます。言った本人に悪気はないのかもしれませんが、否定された人は、そのひと言で傷ついたり悩んだりしています。
多くの場合、否定的な意見は、ひとつの見方にしか過ぎず、正しいとも限りません。
もし、思わぬ否定が飛んできて、長く引きずっているときは、自分にこう問いかけてみてください。
「私は多くの人に否定されているのだろうか?」
答えはNOです。
実際に否定していたのは、目の前のひとりで、本当にあなたを否定的に思っているかどうかもわかりません。次にこうも考えてみてください。
「私を否定するこの人は、私のことを理解している人だろうか?」
これも答えは、ほぼNO。
あなたを理解している人、あなたが信頼している人の指摘は真摯に受け入れるべきです。しかし、そういう人たちは、あなたを頭ごなしに否定することはないでしょう。
否定的な言葉を使いがちな人の多くは、自分自身に不満や焦りがあり、他人に優しくなれない状態の人です。
そんな人の言葉は、思いきって「どうでもいい!」と思ってみてください。
否定されたとき、そのまま受け取って落ち込むのではなく、「自分の価値はまだこの人には伝わっていないだけかもしれない」、こう考えることもできます。
究極的には「本当に大切な人にだけ理解されていればそれで十分」と割りきることもできます。1000人の人がいたとして、そのうちたったひとりの「大好きな人」に肯定されていれば、それだけで幸せではないでしょうか。
あとの999人には、否定されても気にする必要はないのです。
もし誰かに否定されたら、その人が自分の人生にとって本当に大切な人かどうかを考えてみてください。
たいていは、人生全体に関わるような存在ではないはずです。
そう考えて、淡々とやるべきことをやって、自分の人生を充実させる、楽しむ。
それでいいのです。
毎日の身支度が「心を整える習慣」になる4つのポイント

身だしなみを整える目的は何でしょう。
「相手に好印象を与えるため」「社会人としてのマナーだから」と答える人が多いかもしれません。もちろん、正解です。
けれども、選ばれる人は、それ以上に大切にしていることがあります。
それは「自分のために身だしなみを整える」という意識です。
選ばれる人は、「誰かと会うから整える」のではなく、「自分を律するために整える」習慣を持っています。
朝、鏡の前で髪や服装を整えると、不思議と気持ちも整ってきます。アイロンのかかったシャツに袖を通して、磨かれた靴を履いていると、心なしか自分の姿勢や言葉づかいが丁寧になるのを感じます。
仕事が休みの日、長年愛用しているTシャツやスウェットで過ごしたり、一日中パジャマのままでいたりするときもあるでしょう。それが悪いわけではありません。自分をゆるめる時間も心身のリセットには必要です。
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