F1レーシングブルズの角田裕毅(24)が親チーム・レッドブルに緊急昇格する可能性が高まる中で、更迭の危機に瀕しているリアム・ローソン(23)が角田の発言に怒りをあらわにして波紋を広げている。

 今季から昇格したローソンだが、開幕戦オーストラリア・グランプリ(GP)から大不振が続いており、23日の中国GP決勝後に英モータースポーツ専門誌「オートスポーツ」が次戦の日本GPで角田とローソンの交代が検討されていると報道。欧米各国メディアが一斉に報じ、角田の緊急昇格とローソンの更迭が秒読み段階に入っている。

 そうした中で、渦中のローソンのイライラもピークに達している。

 英紙「エキスプレス」は「リアム・ローソン、レッドブルの主張をめぐり角田裕毅を激しく非難。中国GPを弁解」と題して、その様子を伝えている。

 騒動の発端となっているのは中国GP期間における角田の発言だ。すでにドライバー交代問題がくすぶっていたこともあり、報道陣への対応の中でレッドブルのエースであるマックス・フェルスタッペンの「隣で走る気があるか」と問われた。すると角田は「もちろん、なぜダメなの? (レッドブルのために)日本でレースをすることは、もちろん100%あり得る。レッドブルの車の方が速いのは確かだ」と発言した。角田にしてみればジョーク交じりのリップサービスだったが、この発言を伝え聞いたローソンは不快感をあらわにした。

 ローソンは角田の発言について「正直に言って、彼は言いたいことを言える。私はジュニアカテゴリーで何年も彼と競い合い、彼に勝ったことがある。F1でも同じことをした。彼は言いたいことを言えるが、それは明らかに非常に厳しいことだね。私はそれを楽しむつもりはない、できる限り一生懸命に取り組んでいる」と反論を展開した。

 その言葉には怒りが増していき「すでにシーズンが始まっていて、レースごとにポイントを失っているため、マシンをテストして慣れる時間はない。時間がないと言ったのはそういう意味だ。しかし、私はバカではない。パフォーマンスを発揮するためにここにいるのだとわかっているし、それができなければ私はいなくなる。私たちは幸せではないし、誰も幸せではない。これについて他に何を言えばいいのかわからない」とまくしたてた。

 去就問題が過熱する中で、角田とローソンの〝対立〟も気がかりだ。