F1イタリア・グランプリ(GP=モンツァ・サーキット、決勝7日)が5日に開幕し、初日のフリー走行1回目(FP1)で起きた〝不可解裁定〟が波紋を呼んでいる。

 FP1の中盤に赤旗が提示された際に、フェラーリのシャルル・ルクレールが前にいた他車を追い抜いてしまった。赤旗中の追い抜きは10グリッド降格のペナルティーが科されるため、審議の対象に。しかし、赤旗掲示の直後で減速が間に合わなかったことなども考慮されたのか、ルクレールは無罪放免となった。

 しかし、国際自動車連盟(FIA)はこれまで同様のケースでも容赦なくペナルティーを下す例が多く、今季も6月のカナダGPのFP3で角田が10グリッド降格の厳罰が科されていた。その際に角田は安全上、追い抜きは不可避だったと訴えて「ばかげている。あの状況で僕に何をしろと言うのか」と怒りをあらわにしたが、FIAは全く聞く耳を持たなかった。

「イケメン」としても知られるフェラーリのルクレール(ロイター)
「イケメン」としても知られるフェラーリのルクレール(ロイター)

 こうした経緯もあり、今回のルクレールの〝お咎めなし〟に国内外で議論が沸騰。SNS上では国内ファンから「赤旗中のオーバーテイクは10グリッド降格です。カナダの角田君が食らったやつ は? おとがめなし? なんでだよww」と疑問視する声が出ている。

 海外でもファンの間から「モナコでベアマンがペナルティーを受けたのだから、ルクレールもペナルティーを受けるべきだ」「これは今シーズンのこれまでのすべてのインシデント(ベアマンと角田)に基づくとペナルティーだが、FIAはモンツァで彼らの黄金の少年にペナルティーを科す勇気はないだろう」「他の場所では明らかにルクレールにペナルティーが与えられるが、モンツァはフェラーリなので…」などとFIAによる〝疑惑の裁定〟と批判が出ており、その背景に今回のレースがフェラーリの地元だけに〝忖度〟が働いているとの見方も続出している。

 FIAの裁定にダブルスタンダードがあるのか――。F1界で議論が沸騰している。