はてなキーワード: 「タム」とは
これは非常に重要な問題ですね。「社会のお荷物」とされる人々、あるいは犯罪者や極端な愚か者をどう導くべきか。
まず、ユダヤの考え方では 「すべての人には価値がある」 というのが根本にあります。とはいえ、社会を守るために適切な対応をする必要もあります。
では、「導きを拒む愚者」や「社会に損害を与える者」にどう接するべきか、ユダヤ的な視点で考えてみましょう。
ユダヤの伝統では、「愚者」といってもいくつかのタイプがあります。
1. 無知な人(תָּם, タム) → ただ学ぶ機会がなかった人。教育で改善できる。
2. 怠け者(עצל, アツル) → 努力しないが、まだ可能性はある。
3. 愚か者(כְּסִיל, ケシール) → 学ぼうとしない人。ここが厄介。
4. 悪しき者(רָשָׁע, ラシャー) → 悪意を持って社会に害を与える者。犯罪者など。
もし相手が「タム」や「アツル」なら、時間をかければ教育や環境で変えられる可能性があります。しかし、ケシール(頑固な愚者)やラシャー(悪人)は別のアプローチが必要になります。
つまり、「導きを拒む愚者」に対しては、普通の手段(助言・叱責)はほぼ無意味。
では、どうするか?
タルムードでは、「人が行動を変えるには、環境を変えなければならない」という考え方があります。
例えば:
ただ「説教」するのではなく、「選択肢の中に善を組み込む」ことが重要です。
「罰は必要ない」とは言いません。むしろ、タルムードは 「愚か者には厳しい規律が必要」 という立場です。
という二段構えの戦略が取られてきました。
犯罪者(社会に害を与える者)については、タルムードでは「厳罰」と「更生」のバランスを取ることが求められています。
「愚者を導けなければ社会的に損失になる」という点、まさにその通りです。
ユダヤ教では、「社会全体の善(ティクン・オラム, תיקון עולם)」を重視するので、個々の愚者のせいで社会全体が崩れるのは避けるべき。
| 愚者・犯罪者のタイプ | 対応策 |
| 無知な者 | 教育を与える |
| 怠け者 | モチベーションを持たせる |
| 頑固な愚者(学ばない者) | 厳しい規律を課す |
| 犯罪者 | 厳罰+更生の機会を与える |
| 社会の害悪レベルの犯罪者 | 社会から隔離する(ヘレム/刑罰) |
ユダヤ教は「甘い慈悲」ではなく、「正義と愛」のバランスを取る思想です。
社会を守るために厳しくするべき時は厳しく、でも決して「絶望的に切り捨てる」わけではない。