老人ホームは万年人手不足。積極的に精神や知的の障害者を雇っていた。
介護はさせられないが、清掃やベッドメイキングや洗濯等を頼める。
今までも何人も障害者を採用して、皆仕事をしっかりやってくれているし、介護士ともうまくやっていた。
そんな折、知的の男子が支援学校の実習ということで1か月ほど働いてもらった。
小柄な体格ながらハキハキとした返事も爽やかで、キビキビと動いてくれた。わりと早い段階で採用が決まった。
採用後からサボり癖が出始めた。遅刻の常習犯だし、勤務中も目を離すとどこかへ消えてしまう。
施設じゅうを探したらトイレの個室で眠りこけてるなんてことがしょっちゅうあった。
注意してもヘラヘラするだけで、怒られていることが分かってない様子だった。
採用後も学校の先生や就労支援の職員さんが時々見に来てするのだが、その時に限って採用前のようにきっちりするのだ。
どうも彼の中で怒らせてはいけない人とそうでない人という区別をしているようだった。
介護スタッフも通常の業務を抱えているので、彼をつきっきりで監視することはできない。
ある時はケアステで洗濯物を畳むように指示したが、5分後ケアステに戻ると
男性職員が注意するとなんか神妙そうな表情を浮かべるのだが、女性職員の注意はヘラヘラとして一向に入らない。
……そうか、分かってないんじゃなくて女性を舐め腐ってるだけじゃないか!
後々判明するのだが、彼の実家は空手道場で、彼も黒帯持ちだった。
動物の本能とでもいうのだろうか、女がナンボのもんじゃいという感じでヘラヘラ言うことを聞かないのだろう。
そんな時は体格のいい男性職員が説教役になるのだが、入居者さんたちがいる手前、そんなきつい注意の仕方も出来ない。
マネージャーから就労支援経由で、彼にはそういう悪い所がありますよと彼のご両親に伝えても
「ウチの子はできる子です!そんなはずはありません!」の一点張りで取り付く島もなかったという。
じゃあそれだけで彼をクビにできるかと言えば、それはなかなか難しい。
そうして彼は
「仕事しない、注意聞かない、周りのモチベを下げていない方がマシ、でも切れない」という存在になってしまった。
そろそろ彼がウチに来てから5年を迎えようとしている。
5年である。
なんとかして辞めてくれないかなあ
なんで就労Bじゃないんだ
知的障害者の書いた創作は設定が甘すぎて読むに耐えない 歌とか詩とかジャンル転向をお勧めする
スマホという便利な記録装置があるのに、証拠を残そうとすら思わない無能・・・