ノアの箱舟に乗ったのは、ノア本人とその妻、三人の息子(シェム・ハム・ヤフェト)とその妻たち、そして神の指示によって集められた動物たちです(創世記 7章)。そこには「ユダヤ人」という概念はまだ存在していません。
ノアの物語は創世記の6~9章で語られていますが、この時代はまだアブラハムも生まれていません。
「ユダヤ人(יהודים)」というアイデンティティは、アブラハムから始まり、イサク、ヤコブ(イスラエル)を経て、その子孫であるイスラエルの民に与えられる呼び名です。したがって、ノアの時代には「ユダヤ人」はまだ存在しませんでした。
大洪水の時に生き延びた人類はノアの家族だけであり、そこから世界のすべての民族が広がっていった、というのがトーラーの教えです(創世記 9:19「この三人から全地の人々が分かれていった」)。
洪水の際に助かったのは ノアとその家族、そして動物たち だけであり、当時「ユダヤ人」という区別はまだ存在していません。全人類はノアの子孫とされています。