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不安障害とは、日常生活において強い不安や恐怖感に襲われる精神疾患です。 生きづらい現代社会では、不安障害を持つ人は少なくありません。 そんな中、米カリフォルニア大学デービス校(UC Davis Health)の最新研究で、不安障害を抱える人の脳内では、「ある重要な栄養素」のレベルが健康な人に比べて低くなっていることが明らかになりました。 その栄養素とは「コリン」です。 これはどんな食品に含まれているのでしょうか? 研究の詳細は2025年9月5日付で科学雑誌『Molecular Psychiatry』に掲載されています。 目次 不安障害で「コリン」が低下コリンとは何か?役割と不安障害への影響 不安障害で「コリン」が低下 不安障害は、日本でも米国でも、現代人の約3割が経験するといわれるほど身近なこころの病です。 代表的なものには、漠然とした不安が続く「全般性不安障害」や、理由もなくパニック発作
私たちが住む世界には人間が知らない生物がまだまだ存在します。 そんな未知の生命との出会いが、今回また一つ、西オーストラリアの大地で記録されました。 オーストラリアのカーティン大学(Curtin University)の研究チームは、絶滅危惧種の野生植物を調査するなかで、かつて誰も見たことのない特徴を持つ新種のハチを発見しました。 その名も「Megachile (Hackeriapis) lucifer」です。 この蜂はメスの顔に“悪魔の角”のような突起を持っており、その独特な姿から“ルシファー”という名前が与えられたのです。 この発見は、2025年11月10日付の『Journal of Hymenoptera Research』誌に掲載されました。 目次 顔に「悪魔の角」を持つ新種ハチ「Megachile lucifer」とは?”悪魔の蜂”はどんな経緯で発見されたのか? 顔に「悪魔の角」を
スロバキア科学アカデミー(SAS)などの国際研究チームは、ヒッグス粒子がなくても質量が発生し得ることを示す新たな理論を発表しました。 研究ではWボソンとZボソンなどの素粒子の質量は外部のヒッグス場ではなく、高次元空間の幾何学的な「ねじれ」によって生み出されることが示されています。 つまり、私たちが住む空間そのものが「物質に重さを与える仕組みを内包している」のかもしれないという大胆な仮説が、理論モデルとして提示されたのです。 さらに研究では基本的な力や粒子の性質も、空間から出現する可能性について言及しています。 私たちの世界は高次元空間のねじれが投影されたものにすぎないのでしょうか? 研究内容の詳細は 2025年11月10日 に『 Nuclear Physics B 』にて発表されました。 Introduction of the G2-Ricci flow: Geometric implic
「カエルは卵からオタマジャクシになり、そして4つ足の大人になる」 カエルの一生については、多くの人がこのように思っているでしょう。 しかし地球上には、このプロセスから逸脱するカエルがいるのです。 このほど、アフリカ・タンザニアで、オタマジャクシの時期を飛ばして「いきなり小さなカエル」として誕生する新種が発見されました。 研究の詳細はデンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)らにより、2025年11月6日付で科学雑誌『 Vertebrate Zoology』に掲載されています。
なぜ歯のエナメル質再生は難しかったのか?なぜ歯のエナメル質再生は難しかったのか? / Creditr:ライオン歯科衛生研究所「虫歯で失った歯が元に戻ったらいいのに」──とは誰もが思うことでしょう。 虫歯治療のために歯を削られたり抜かれたりするのは誰にとってもつらいものです。 しかし、それは歯の表面を守るエナメル質が一度失われると二度と元には戻らないからに他なりません。 歯のエナメル質はまさに歯を覆う鎧(よろい)のように硬く頑丈な組織ですが、血管も細胞も含まないため骨のように自力で再生することができないのです。 このエナメル質が損なわれると様々な問題が生じます。 例えばエナメル質が酸で溶け出すと内部の象牙質が露出し、冷たい物がしみる知覚過敏の原因になります。 またエナメル質が薄くなると虫歯が進行しやすくなり、放置すると歯に穴が空いてしまいます。 実際、エナメル質の劣化や虫歯による歯の問題は世
フィンランド・ヘルシンキ大学(University of Helsinki)で行われた大規模研究により、投票に行かなかった人は、同じ期間に投票に行った人に比べて男性では亡くなるペースが1.73倍、女性でも1.63倍になることが示されました。 さらに、事故や暴力、アルコールなどによる病気以外の死因では、非投票者の亡くなる危険が約2倍(男女とも)に達し、この差は学歴による死亡差を上回っていました。 研究チームは、投票行動そのものが健康状態や社会とのつながりを映す「補助指標」になり得る可能性を指摘しています。 では、なぜ「投票する・しない」という社会的な行動が、人の寿命にまで影響しているのでしょうか? 研究内容の詳細は2025 年 11 月 4 日に『Journal of Epidemiology & Community Health』にて発表されました。 Voting is a stronge
米ビンガムトン大学(SUNY-BU)の研究チームは、液体金属とバクテリア(細菌)の芽胞(がほう)を融合させた、これまでにない“自己修復型”の導電材料を作り出すことに成功したと発表しました。 この新素材は、単なる電子回路の材料ではありません。 まるで「生きている」かのように自己修復し、環境に応じて機能を切り替える柔軟性まで備えています。 次世代のウェアラブル機器や、人体と直結する医療デバイスを大きく変える存在として期待されます。 研究の詳細は2025年10月24日付で科学雑誌『Advanced Functional Materials』に掲載されました。
オーストラリアのクリスマス島には、とても小さくて珍しいネズミが存在していました。 その名もCrocidura trichura(本記事では『クリスマス島のトガリネズミ』と呼称)。 非常に小さな哺乳類で、尖った鼻と短い脚が特徴の、島の固有種です。 そんな“幻の小動物”が、ついに2025年、国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅種と正式に認定されました。 この絶滅は、自然消滅ではなく、人間による「外来種の持ち込み」と、その結果広がった感染症や新たな捕食者が引き金となったものでした。 Australia’s Only Shrew is Now officially Extinct, Killed by Non-native Species Introduced by Humans https://www.zmescience.com/science/news-science/christmas
「チューブ食」から「焼きたてグルメ」へ、宇宙食進化の歴史人類と宇宙食の歴史は、まさに“我慢”の連続でした。 最初に宇宙で食事をしたのは、1961年に人類初の宇宙飛行を果たした旧ソ連のユーリイ・ガガーリン。 その食事はなんと、牛肉とレバーのペーストが詰まったチューブと、デザート用のチョコレートソースだけ。 決して美味しそうとはいえないメニューです。 続くアメリカの宇宙飛行士たちも状況は同じでした。 一時はサンドウィッチを持っていく案も出ましたが、無重力環境ではパンくずや液体が機器に入り込むリスクがあるために却下。 そこで一口サイズの固形食やアルミチューブ入りの半液体食、フリーズドライの粉末食品などが主流でした。 「メニューのバリエーションがない」「味が単調」「チューブを押し出すのが面倒」など、不満は多くの宇宙飛行士から報告されていたのです。 1970年代には、アメリカの「スカイラブ」宇宙ステ
「毎日歩くことが大切」とはよく聞きますが、実は“歩き方”ひとつで将来の健康が大きく変わるかもしれません。 大阪公立大学などの研究チームが、膝や腰に負担をかけない「ソフトランディングテクニック」を高齢層向けに指導したところ、歩く際の衝撃が減り、より安全で続けやすい歩行が可能になることを示しました。 この新しい歩行法が、私たちの健康寿命を延ばすカギになるかもしれません。 研究の詳細は2025年7月22日付で学術誌『Sensors』に掲載されています。
SNSや掲示板、コメント欄。 インターネットの世界では、他人を意図的に怒らせたり、議論を荒らしたりする「ネット荒らし(トロール)」が後を絶ちません。 なぜ彼らは、他者を攻撃し、場の空気を乱すのでしょうか? 単なるストレス発散や暇つぶしでは説明できない、深い心理的な背景があるのではないか? そんな疑問のもと、米マーシャル大学(Marshall University)の研究チームが調査を実施。 その結果、自己愛的な性格(ナルシシズム)と悪意ある嫉妬心が、ネット荒らし行動につながることが明らかになりました。 研究の詳細は2025年5月26日付で学術誌『Behaviour & Information Technology』に掲載されています。
日本の埼玉県立大学(SPU)および人間総合科学大学(UHAS)の共同研究によって、高齢者ではアキレス腱が若者よりも柔らかくなっており、そのことが身体のバランスを保つ能力の低下と関連していることが明らかになりました。 研究では高齢者のアキレス腱の硬さは若者より約37%低く、静かに立っているときでもふくらはぎの筋肉がより短い長さで働きやすく、その変化の大きさが体の揺れと関連していることが示されました。 一般に「歳を取ると体は硬くなる」と言われますが、転倒リスクを高める原因がむしろ「体の一部が柔らかくなりすぎている」ことにあるというのは意外な発見です。 研究チームは筋肉を鍛える「筋トレ」だけでなく、腱の適切な硬さを保つための「腱トレ」という新しいアプローチにも着目しています。 この新しい視点は、高齢者の転倒予防にどのように役立つのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年11月2日に『Journa
アメリカのカリフォルニア工科大学(Caltech)・ハーバード大学・Google Quantum AIの合同研究チームによって、観察という行為そのものに限界が生じ得ることを理論的に示しました。 研究では最新の量子コンピューターを用いても物事が進む時間や因果構造、さらには物質の状態(相)など、自然界の根本的な性質すらも十分に知ることが難しいことが示されています。 実際、ある種の問題については、最新の量子コンピューターでも天文学的な時間スケールが必要になり原理的に観測が不可能な「観測の壁」が立ちはだかります。 「観察すれば世界のすべてを理解できる」という私たちの直感は間違いなのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年10月9日に『arXiv』に投稿されました。
かつて人類は「夜に2回眠る」のが普通だった現代人にとって「睡眠はまとめて1回で取る」のが常識となっていますが、それは意外にも新しい習慣です。 歴史をひもとくと、人類の多くは何千年ものあいだ、1晩の睡眠を「2回」に分けてとる分割睡眠が当たり前でした。 この分割睡眠は「ファーストスリープ(最初の睡眠)」と「セカンドスリープ(2回目の睡眠)」と呼ばれ、まず日が暮れてから数時間寝た後、夜中に一度目覚めて1時間ほど過ごし、再び朝まで眠るというパターンが一般的でした。 この「夜中の目覚め」は何も特別な現象ではありません。 ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジアなど、さまざまな地域の歴史記録や文献に「最初の眠りの終わり」「二度目の眠り」といった表現が登場します。 たとえば、古代ギリシャのホメロスやローマ詩人ウェルギリウスも「最初の睡眠の終わりの時刻」について記しています。 では、その“真ん中の時間”に人々は
年を重ねるほど、「1年があっという間に過ぎる」これは多くの人が実感として報告していることです。 ではなぜ、年齢を重ねるとそのような時間感覚の変化が起こるのでしょうか? ここには脳の働き方そのものの変化が関係している可能性があります。 これまで心理学では、日常生活に新しい刺激が減ったり、同じような出来事が繰り返されたりすることで、時間の流れが早く感じられると説明されてきました。 しかし、「なぜ脳がそう感じるのか」を神経科学のレベルで示す証拠は、これまでほとんどありませんでした。 英バーミンガム大学(University of Birmingham)らの国際研究チームは、映画を見ているときの脳活動を解析し、加齢に従い、脳が出来事を細かく区切らず、より大きな流れとしてまとめて処理するようになっていることを発見しました。 これが同じ時間でも、若い時と加齢時で、記憶の時間感覚が大きく異なる原因となっ
今度の「魔法の言葉」は本物です。 アメリカのスタンフォード大学らの研究チームは、AIへの質問文にたった短い一文「その確率とともに生成してください」というフレーズを加えるだけで、AIが生成する答えの多様性(バリエーション)が1.6〜2.1倍に向上することを明らかにしました。 従来は 「コーヒーに関するジョークを言ってください(Tell me a joke about coffee)」 と言っていたところを 「コーヒーに関するジョークをその確率とともに生成してください(Generate 5 jokes about coffee with their probabilities)」 とするだけです。 この方法は複雑な再学習や高度なプロンプト技術を使わずに、AIの潜在的な創造性を引き出します。 ありきたりな回答ばかりになりがちな大規模言語モデル(LLM、非常に大量のテキストで訓練されたAI)に新風
人間の中にはどんなに合理的な証拠を並べても、信念を変えない人がいます。 しかしオランダのユトレヒト大学(UU)とアメリカのカリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)などの共同研究により、チンパンジーですら強い証拠を示されれば初期の選択(初期信念)を覆し、自らの選択を合理的に変えることができることが示されました。 研究ではチンパンジーに対していくつかの証拠が提示されましたが、チンパンジーは証拠の強弱に応じて選択を更新しました。 さらにこれまでアテにしていた証拠が弱められたとき、頼るべき証拠を素早く切り替える能力も示されました。 これは自らの脳内で浮かんだ考えを比較してどちらが正しいかを判断する高度な客観的な認知がチンパンジーにも存在することを示唆します。 このような新たな証拠で信念を変更する能力は、進化のどの段階で出現したのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年10月30日に
髪の毛が生えてこない場所に油を塗ったら毛がフサフサ…そんな魔法のような話です。 台湾の国立台湾大学(NTU)で行われた最新のによって、マウスの皮膚にある種のオイル(不飽和脂肪酸)を塗布すると「傷跡にやたら毛がはえてくる現象」を引き起こし発毛が促進されることが示されました。 研究ではオイルによって炎症に似た皮膚の活性化が起こり、毛包幹細胞(毛根の幹細胞)が活性化し、新たな毛の再生につながったことが示されています。 この炎症反応の“良い面”だけを利用した新しい発毛戦略は、、抜け毛に悩む人々にとって大きな希望となる可能性を秘めています。 はたしてこの方法は、人間の薄毛治療にも安全に応用できるのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年11月4日に『Cell Metabolism』にて発表されました。 Adipocyte lipolysis activates epithelial stem cel
ミツバチの巣には、数万匹という単位のコロニーが形成されています。 そこでは数万匹の働き蜂たちが絶えず働き、巣を守り、そしてひときわ大きな存在感を放つ「女王蜂」が君臨しています。 女王蜂といえば、コロニーの中心、絶対的なリーダーとしてイメージされますが、実はその権力の座も永遠ではありません。 ときに働き蜂たちは、女王蜂に対してクーデターを起こし、新しい女王にすげ替える“政権交代”を実行するのです。 なぜミツバチたちは女王蜂を失脚させるのでしょうか? 研究の詳細は2025年10月14日付で科学雑誌『PNAS』に掲載されています。
中国の清華大学(Tsinghua University)を中心とする研究チームが、AIに宇宙の謎を解かせるという驚くべき成果を発表しました。 チームが開発したのは、「PhyE2E(フィジー・エンドツーエンド)」と名付けられた新しい人工知能システムです。 このAIは、宇宙で観測されたさまざまなデータを学習すると、その背後にある物理法則を人間にも分かりやすい数式として自動的に導き出します。 言ってみれば、「データを食べると数式を吐き出す魔法の箱」のようなAIです。 たとえば、太陽の表面に現れる黒点の活動を予測するための数式をAIに見つけさせたところ、なんとNASAが1994年に示した従来の公式を上回る、より精度の高い新しい数式が導き出されました。 さらに地球の近くの宇宙空間に広がっている「プラズマ」という電気を帯びた粒子の集まりの圧力についても、AIは驚くほどシンプルな法則を発見しました。 驚
あなたの白髪、体が守っている証拠かもあなたの白髪、体が守っている証拠かも / Credit:川勝康弘鏡に映った自分に一本の白髪を見つけた時、多くの人はちょっと嫌な気分になるものです。 年齢を重ねるごとに増える白髪は、一般的には老化の象徴で、なるべくなら隠したい存在ですよね。 でも、ここであえて言うなら、その白髪には別の役割があるかもしれません。 白髪はただ意味もなく増えるのではなく、実は身体の大切な防御システムが働いた結果として現れることがあるのです。 少し順を追って考えてみましょう。 そもそも「老化現象」とは何でしょうか。 人間の身体は年をとるにつれ、あちこちの臓器や組織が少しずつ機能を失っていきます。 例えば目が見えにくくなったり、記憶力が落ちたり、髪が白くなったりするのも、こうした「老化現象」の一種です。 一方で、老化が進むと増えてしまう病気があります。 その代表が「がん(悪性腫瘍)
中国の南京大学(Nanjing University, NJU)で行われた最新の研究によって、運動トレーニングを積んだオスのマウスの子どもが、父親と同様に優れた持久力や代謝能力を示すことが明らかになりました。 これまではDNAに刻まれた情報が主に親から子へ伝わると考えられてきました。 しかし新たな研究では父親が運動した「経験」が精子にある特定の小さなRNAに書き込まれ、それが次の世代の持久力、握力、回復力などを強化することが示されています。 遺伝の常識を揺さぶるこの新発見は、親が行った運動や努力の成果が子どもの体にまで影響を与える可能性を示しています。果たして、この仕組みは人間にも当てはまるのでしょうか? 研究内容の詳細は2025年11月4日に『Cell Metabolism』にて発表されました。 Paternal exercise confers endurance capacity t
米ペンシルベニア州立大学(PSU)の研究チームはこのほど、地球から約18光年の場所に、新たな太陽系外惑星を発見したと報告しました。 発見された系外惑星は「GJ 251c」と呼ばれ、地球のおよそ4倍の質量を持つ「スーパーアース(巨大地球型惑星)」です。 しかも生命の居住に適したハビタブルゾーン(生命居住可能領域)に位置していました。 研究の詳細は2025年10月3日付で科学雑誌『The Astronomical Journal』に掲載されています。 Scientists Just Found a Super-Earth Exoplanet Only 18 Light-Years Away https://www.sciencealert.com/scientists-just-found-a-super-earth-exoplanet-only-18-light-years-away New
「ランダムに見えるが、実は密度が均一」という現象一見ランダムに見える植物の配置。 その中に隠れていた“法則”は、物理学の世界から借りてきた言葉で「disordered hyperuniformity」と呼ばれています。 この現象は、「局所的にはバラバラでランダムに見えるけれど、広い範囲で見るとどこも驚くほど密度が均一」という不思議な空間パターンです。 たとえば、人で溢れかえる満員の部屋を想像してください。 人々はできるだけ自分の“パーソナルスペース”を保とうと、互いに少しずつ距離をとります。 当然、格子状に皆が整列することはありませんし、人と人とのそれぞれの距離は異なります。 一方で、部屋の角や中央に皆が密集することもありません。 個々の意思でパーソナルスペースを確保しようとするので、人は部屋全体に広がり、部屋のどの範囲を切り取っても、そこの密度は大きく変わらない状態になります。 それが「
青春時代に聴き込んだ曲を耳にした瞬間、当時の光景まで鮮明によみがえった――そんな経験はないでしょうか。 心理学では、人生の記憶が思春期から若年成人期に偏って強く残る傾向が示されており、これを「回想バンプ(Reminiscence bump:レミニセンス・バンプ)」と呼びます。 では、音楽に限って言えば、その”心に刺さる時期”は本当に世界共通なのでしょうか。国や文化、性別によって、その年齢に違いはあるのでしょうか。 どのような年代の曲も簡単に聞けるストリーミング時代のいまも、その傾向は変わらないのでしょうか。 こうした素朴な疑問に、国際的な大規模データで正面から答えた研究が登場しました。 フィンランドのユヴァスキュラ大学(University of Jyväskylä)・音楽・心・身体・脳卓越研究センター(Centre of Excellence in Music, Mind, Body a
事実は小説よりも奇なりを体現する研究結果です。 アメリカのテキサス大学MDアンダーソンがんセンター(MD Anderson Cancer Center)で行われた研究によって、新型コロナウイルス感染症の予防に広く用いられているmRNAワクチンが、がんの免疫療法にも大きな効果を発揮するかもしれないことが示唆されました。 この研究では、進行した肺がんや皮膚がんの患者を対象に分析を行い、免疫療法の開始から前後100日以内に新型コロナのmRNAワクチンを接種したグループは、接種しなかったグループに比べて生存期間が(肺がんでは中央値が)約2倍になるという驚くべき関連性が観察されました。 さらに研究チームは既に「第III相臨床試験」という大規模な実験的研究(最終的な効果を人間で確認する試験)を準備しているとのこと。 もともとは感染症対策として開発されたワクチンが、なぜがんの治療にも役立つ可能性があるの
根絶できない害虫 鍵は“目覚ましスイッチ”だった「害虫に無駄な孵化をさせて自滅させることはできないのか?」そんな夢のような防除策が現実味を帯びてきました。 ジャガイモシロシストセンチュウと呼ばれる線虫は土の中に潜み、じゃがいもの根に取り付きます。 被害が深刻になれば収穫量が大幅に減ることが報告されています。 2015年にはついにこの線虫が日本国内でも確認され、緊急防除(緊急駆除措置)が行われました。 従来から対策は、捕獲作物(線虫を誘い出して退治する作物)を使った方法です。 捕獲作物とは線虫の卵を孵化させる物質を根から出す一方で、自身には線虫への強い抵抗性がある植物のことです。 線虫にとっては「餌があるぞ」と勘違いして飛び出したものの、寄生先の作物では繁殖できずそのまま餓死してしまう、いわば生体トラップのような方法です。 しかしこうした線虫の駆除には一つの手段だけでは十分とは言えません。
スマートリング普及のカギは『電池』だった指輪型マウスは次世代の操作端末になる / Credit:Ultra-low-power ring-based wireless tinymouse「満員電車の中で、さりげなく空中の仮想画面を操れたら便利だろうな」――そんな未来を想像したことはないでしょうか。 スマートフォンの次にやってくると予測される、ARグラス(拡張現実メガネ)。 メガネ越しに、目の前の空間にデジタルの情報を重ねて表示するこの技術は、近年ますます進歩しています。 たとえば、街を歩きながら道案内を見たり、電車の中でニュースをチェックしたりといった使い方が考えられます。 とはいえ、ARグラスは見るだけのデバイスではありません。 表示された仮想画面をスクロールしたり、ボタンを押したりする必要があります。 けれど、電車内や街中で手を大きく動かすのはちょっと恥ずかしい。 さりげなく操作できる
イギリスのキングス・カレッジ・ロンドン(KCL)の研究チームが行った最新の研究によって、これまで便秘のケアとしてよく言われてきた「便秘ならとりあえず食物繊維と水分をたっぷり摂れば良い」という常識が、実は科学的な裏付けが不十分なまま広まっていたことが分かりました。 研究では世界中の75件もの便秘改善に関する研究データを徹底的に調べ直し、その結果、その結果、「食物繊維ならなんでも効く」というわけではなく、効果がしっかり認められた食品やサプリは限られていることが明らかになったのです。 具体的には、オオバコ由来の繊維(サイリウム)、キウイ、マグネシウムをたっぷり含む硬水などが便秘改善に特に効果が高く、こうした「効きやすい食品や飲み物を科学的に選んで摂ることが大切だ」と研究者たちは結論付けています。 私たちがこれまで信じてきた便秘ケアの「常識」は、本当に見直されることになるのでしょうか? 研究内容の
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