ソフトバンクG、7―9月純利益2.5兆円 CFO「オープンAIがけん引」

ソフトバンクG、7―9月純利益2.5兆円 世界的株高で
ソフトバンクのロゴ。都内で2025年1月28日撮影。 REUTERS/Issei Kato
[東京 11日 ロイター] - ソフトバンクグループ(9984.T), opens new tabが11日に発表した2025年7―9月期の連結純利益(国際会計基準)は2兆5022億円だった。4─6月期(4218億円)を大幅に上回り、3四半期連続で利益を確保した。世界的な株高を背景に、投資先企業の株価・評価額が好調に推移した。
ビジョン・ファンド(VF)の7─9月期の投資利益は2兆8093億円で、前四半期から大きく改善した。
  25年4―9月期の連結純利益は前年同期比2.9倍の2兆9240億円で、上半期として過去最高を更新した。都内で会見した後藤芳光・最高財務責任者(CFO)は「(投資先の)米オープンAIの公正価値拡大が増益をけん引した」と説明した。
SBGは4月に、オープンAIに最大300億ドルを追加出資すると発表。持ち株比率は11%に達する見込みだという。11月には、国内で合弁会社「SB OAI Japan」を発足させた。
後藤CFOは保有する米半導体大手エヌビディア全株式を10月に売却したことについて「オープンAIへの投資規模が大きいため、(株式を)売却して資金調達に活用した」と話した。
同社が業績指標として重要視する「時価純資産(NAV)」(=保有株式価値-純有利子負債)は約33兆円だった。人工知能(AI)ブームを追い風に、足元のSBGの時価総額は約32兆円に達しており、いわゆる「NAVディスカウント」はほぼ解消している。
株価上昇を踏まえ、株式分割を26年1月1日に実施することも発表した。25年12月31日時点の1株を4株に分割する。最低投資金額を引き下げることで投資家層の拡大につなげる。
市場にくすぶる「AIバブル」への懸念について後藤CFOは「(バブルかどうかは)後から評価できることで、現時点で答えるのは難しい」と述べるにとどめた。
日米両政府が先日公表した「投資に関する共同ファクトシート」を巡っては、「SBGは米国の重要な電力インフラを支援するための一員。詳細についてはこれから詰めたい」と語り、投資に前向きな姿勢を改めて示した。

小川悠介

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