台湾有事に関する高市早苗首相の国会答弁に対し、中国が反発し、日中関係の緊張が高まっている。そんな中、中国では、日本の地名や人名の入った飲食店や施設などが看板を変える動きが出ている。しかし、河南省の「東京大飯店」も改名したものの、中国人からツッコミが入る事態となっている。
高市氏の発言が中国共産党の強い反発を招く中、ちょうどそのタイミングで、中国のネットユーザーが中東部河南省の開封市にある「東京大飯店」の給水塔に掲げられていた看板の文字が「開封歓迎你(開封へようこそ)」に差し替えられたことに気づいた。
開封在住のSNSユーザーは先日、3枚の写真とともに「宝公湖近くのランドマークの一つなので、通るたびに友達とお店はなくなったけど『東京大飯店』はまだあるよ、と冗談を言っていた。2年前に『店』という字が落ちて、『東京大飯』になっていたのが、今年6月に『店』が新しくなっていて、少しよくなったと思っていた。今日の午後、再び通りかかったら、『開封へようこそ』に変わっていて、一つの時代が終わったようだ」と投稿した。
香港メディア・星島日報によると「東京大飯店」は1985年創業で、開封市鼓楼区迎賓路に位置する。かつては指導者の接待に使われ、さらに包公湖などの観光地にも近く、1980~90年代には栄えていたが、2010年ごろに営業を停止したという。それでも、交通の便がよく、観光スポットに近いことから、給水塔は地元のランドマークとして知られていた。
前述の投稿に対し、多くのSNSユーザーが「中日関係悪化と関係あるのでは」と推測した。
しかし、「東京」は中国の古い地名だ。中国の王朝・北宋(960~1127年)は、東京開封府、西京河南府、南京応天府、北京大名府の4つの都を置いた。現在の河南省開封市を東京開封府と呼んでいた。
別のSNSユーザーは「『東京』という地名は中国に古くから存在しているし、むしろ超有名。せめて、世界には2つの東京があると強調すればいいのに。自分たちが怖がって隠してしまうなんておかしい」と批判。また、「じゃあ『水滸伝』で魯智深が出家した〝東京大相国寺〟も〝開封大相国寺〟に改名するの?」「南宋の名著『東京夢華録』も『開封夢華録』に書き換えるの?」と揶揄する声も上がっている。












