月探査機SLIM、岩石「トイプードル」の観測成功…月の起源の謎を解く手がかりに

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 宇宙航空研究開発機構( JAXAジャクサ )は29日、月面着陸に成功後、電源を切っていた月探査機「 SLIMスリム 」の運用を再開したと発表した。太陽電池の発電が復旧したとみられる。機体に搭載した特殊なカメラによる岩石の観測も行い、画像を公開した。

小型ロボット「SORA-Q」が撮影した月面着陸後のSLIM。中央の横線はデータの一部欠損によるもの
小型ロボット「SORA-Q」が撮影した月面着陸後のSLIM。中央の横線はデータの一部欠損によるもの

 SLIMは20日未明、日本初の月面着陸に成功した。ただ、着陸直前に2基あるメインエンジンのうち1基が脱落するトラブルが発生。この影響で「逆立ち」したような着陸姿勢となり、太陽電池パネルに太陽光が当たらない状態になっていた。

 JAXAは、バッテリーに残った電力で、飛行データや観測対象とする岩石の位置を捉えた画像データを地球に送信。その後は電源を切り、太陽の向きが変わって太陽電池が発電できるようになるのを待っていた。

 JAXAによると、28日午後11時頃、SLIMと地球の通信が確立され、機体を再起動した。その後、観測対象とした六つの岩石のうち、最も機体に近い岩石の詳細な観測に成功した。

 JAXAは、大きさがイメージできるよう六つの岩石に犬種にちなんだ愛称を付けた。最初に観測したのは「トイプードル」と名付けた岩石で、ほかの岩石も順次観測する予定という。

 着陸地点付近には、天体が衝突して露出した月のマントル由来の岩石があるとされる。岩石の組成を地球のマントルと比べることで、月の起源が地球なのか、地球に衝突した天体なのか、謎を解く手がかりを得る。

 SLIMの運用再開を受け、太陽電池を作ったシャープは「歴史的な成功の一助となれたことを大変光栄に思う」とコメントした。

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